今回お話しを伺ったのは 経理チームの室谷あきさん。中小企業を中心に経理事業を受託しているのが「経理チーム」だ。今回は病院・クリニックや介護業界における経理業務のアウトソーシングについて話を聞いた。
病院やクリニックの理事長や医院長が会社でいう社長業務を担っているものの、1日中、診療で時間がとられ、経営に関わる時間が不足しているのが現状。支払いや請求、給与、銀行対応も診療後に行うため理事長・医院長だけでなく周りの人にも負担がかかってしまうことがあると話す。また、コロナで売り上げが下がるなどの影響も受けている。そのため、ますます病院間の競争も激しくなっていき、効率化やコスト削減が求められている業界だ。
理事長や医院長は経理や事務処理の時間が限られるため、それぞれのニーズに合わせて運営がスムーズに行えるようにサポートを行っている。そのため、最初のコミュニケーションやヒヤリングが大切だと話す。忙しい職種のため最初以降はなかなか対面で会うことがなく、電話やメールベースでの連絡となる。その際は信頼関係が一番大切なので言葉選びを気をつけている。また時間を取らないように手短に用件を伝え、言われたことをすぐ理解するようにしている。ラインの返答なども時間や曜日に関わらず、すぐにレスポンスするようにしていると特に気をつけている点を話す。
病院の売り上げや利益は診療報酬や自費診療などがもとになる。在来患者も予約受付やラインでの予約、そしてホームページや看板からの来院など様々。そんなマーケティング部分のデータを収集して事業運営にも役立てるようにサポート。経理チームではこれらのデータを見やすいダッシュボードを使って日時ごとに表示するシステムを構築したり、グループラインなどを活用して指数の共有を行ったりしている。売り上げなど、ぱっと見てすぐに分かるように工夫をしていると話す。
介護業界については、この時期がチャンスとみて新規で進出する企業などもあり、コロナが始まってから介護事業者の依頼も増えてきた。このように世の中の流れで企業の動きも変わるので、経理チームは常にアンテナを張り、トレンドや傾向も把握しながらサポートを行っている。
クリニックや医療系の企業から受ける依頼としては事業所の経理を丸ごと受託するケースやM&Aで取得した事業所の業務について既存の事業所のやり方と統合・業務改善をしてほしいという依頼も多い。医療や介護は専門的な分野のため、それぞれの知識や資格を持った方が自分の業務に集中できるように環境を提供することが私たちの役目だと思っていると話す。医療従事者など忙しい人が経理部分を手放せることで他に時間を費やせるようになる。そのことにより理事長や医院長たちから経理業務を経理チームに任せて良かったと思ってもらえるのが目標。そのためには自分がそのクリニックの窓口になっているので良い関係を築けるように努力していると室谷さんは話す。そのことが一緒に働くチームのためにもなると考えているので更なる信頼関係の構築をしていきたいと今後の目標を語ってくれた。