芸能界の「百獣の王」こと武井壮さんが更に“縄張り”を広げています。アスリートタレントとして活躍する武井さんは、タレント業のみならず日本フェンシング協会の会長や環境省サステナビリティ広報大使を務めるなど、幅広く活動。そしてこのほど、新世代の繊維として期待される「PIECLEX(ピエクレックス)」ブランドアンバサダーに就任しました。
ピエクレックスは村田製作所の“電気の技術”と帝人フロンティアの“繊維の技術”が融合した新素材。植物由来のポリ乳酸(PLA)を活用し、環境への負担を軽減します。また、繊維の伸縮により電気が発生するため、抗菌剤などを使用しなくても抗菌効果を得ることができます。
「“でんき(電気)のせんい(繊維)”で世界を変える」をコンセプトに掲げる株式会社ピエクレックスは4月26日、都内で武井さんの就任発表&トークセッションを開催。“でんきのせんい”を身に纏った百獣の王が登壇しました。
武井さんの代名詞ともいえる衣装がタンクトップ。この日、武井さんはピエクレックスでつくられたタンクトップを着用して姿を現しました。「運動をすればするほど地球のためになる、夢のような素材。ぜひ、企画会議から参加したい」と決意を表明していました。一方、同社の玉倉大次代表取締役社長は「環境省サステナビリティ広報大使としてスポーツで発生するエネルギーを地球に還元できればと考えていた武井さん。まさに適任だと思った」とアンバサダー任命の経緯を話しました。
オーバーオールで約3kgのCO2削減
同社がまずアプローチするのはアパレル業界。服の廃棄やCO2排出といった問題をピエクレックスで改善していきます。玉井社長は「1kgのPET繊維からピエクレックスに切り替えるだけで約2kg以上のCO2排出量削減が可能」とし「Tシャツなら約500g、靴下なら約200g、そしてオーバーオールであれば約3kgのCO2が削減できる」と訴えました。
イベント会場にはピエクレックス製のマスク、Tシャツ、オーバーオールが展示され、武井さんも興味津々。特にオーバーオールについては「重たいものが多いけれど、ピエクレックス製のオーバーオールは軽くて手触りが良い。作業に最適で、プライベートにも使える」と一押ししていました。
トークセッションに参加した東京大学の環境エネルギー科学特別部門客員准教授、松本真由美先生はアパレル業界の問題について「ファストファッションが流行して服のライフサイクルが速くなったため、環境に負荷がかかっている。サステナビリティの追求が今後のトレンドになるのでは」としました。
武井さんは今後の活動について「地球への貢献が実感できる社会になって欲しい」と語ります。「例えば、僕がピエクレックス製の服で運動して、地球にエネルギーを還元して、素材を土に還して、その土で野菜を育てて、その野菜を食べる。そのような動画がつくれたら」。サステナブルな百獣の王と新世代を担う魔法の繊維。私たちの生活に流通する日も近いでしょう。