国際交流基金(JF)は、アジアの中等・高等教育機関等で現地の日本語教師と学習者のパートナーとして、日本語教育を支援する日本語パートナーズ派遣事業を実施。現在、2022年に派遣する日本語パートナーズの第3回目の募集を開始しています。派遣先はベトナム、インドネシア、台湾、フィリピンで、応募期限は12月1日まで。
日本語パートナーズ派遣事業は、日本政府が表明したASEANを中心としたアジアとの文化交流を進める「文化のWA(和・環・輪)プロジェクト~知り合うアジア~」の一環として、2014 年から開始されました。
アジアの日本語教育を行う中等教育機関等に、現地日本語教師・学習者を支援する人材日本語パートナーズを派遣し、日本語教師の教育活動を支援するとともに、教室内外の文化交流などを通して、日本語と日本文化の魅力を伝えることを目的としています。また、日本語パートナーズとして派遣された人についても、派遣先国・地域の文化や言語に対する理解を深め、将来的にアジアと日本の懸け橋となることが期待されています。
これまでに2,399名の日本語パートナーズが派遣され、その貴重な経験を生かして帰国後もさまざまな分野で活躍しています。
現在実施されている第3回募集では、ベトナム(派遣期間:2022年8月~翌年6月)、インドネシア(派遣期間:2022年9月~翌年3月)、台湾(派遣期間:2022年9月~翌年6月)、フィリピン(派遣期間:2022年10月~翌年3月)への日本語パートナーズを各15名~50名を募集。詳しい応募要件などは。公式サイトで確認することができます。
日本語パートナーズ公式ウェブサイト:https://jfac.jp/partners/apply/
また、現在は新型コロナ感染拡大の影響で日本語パートナーズの派遣を中止している国が多く、唯一派遣している国は派遣時に派遣地域の感染状況が落ち着いていたタイのみになります。
現地では基本的にオンライン授業が続いており、日本語パートナーズとして派遣された柳沢さんによると「パソコンがない生徒もおり、携帯電話でリモート授業を受ける生徒もいる」「Wi-Fi環境がない生徒は通信料を踏まえてカメラをオフにしている」「オンライン授業だと発言しない生徒が多い」といった現状があるとのことです。
そうした環境への対策として「発言が少ない生徒には名指しで指名して発言を促す、習熟度は宿題で確認」「前期終えて生徒の性格など分かってきたので性格を踏まえて対応していく」「少しでも生徒との距離を縮めるため、授業で使用する写真は自分で撮ったものを使う」といった手段で改善を試みているとのこと。
さらに、七夕の文化体験の時は「短冊のフレームを生徒にデータで送り、それに願い事を書いて送ってもらい、それを全て印刷し、学校で用意した竹につけて飾る」、暑中見舞いの習慣を教えるときは「選考クラスの生徒全員の家に送った。授業では手書きもあまり見せることができないため手書きの日本語と絵を入れた」「暑中見舞いを説明したサイトを自作で作成し、暑中見舞いのハガキにQRコードをつけ、そのサイトを見て暑中見舞いの理解促進に努めた」といった工夫をしたとのことです。
行動が限られた状況でも、日本語パートナーズたちは生徒に日本語や日本文化を理解してもらおうと奮闘しているようです。