
フローリングの上でワンちゃんが「シャカシャカ」と足を空回りさせている姿、見たことはありませんか? かわいい光景ですが、滑りやすい床は足腰への負担が気になるところです。
そんな悩みに応える床材として、宮城県に本社を置く住宅メーカーの株式会社北洲が、新しい床材『LoopClick(ループクリック)』を2026年10月20日に発売しました。今ある床の上に、カチッとはめ込んでいくだけで敷けるというものです。発売前日の10月19日には、東京・両国の複合型ドッグパーク「AHBASE(エーエイチベース)」で発表会が開かれました。

発表会の会場は、LoopClickを敷いているドッグパーク
会場のAHBASEは、館内にすでにLoopClickを導入しています。1階の「ドギーズルーム」と2階の「ドッグランスペース」に敷かれていて、ワンちゃんたちが毎日この床の上で走り回っています。

一般的なフローリングの倍以上の滑りにくさ
LoopClickの特徴のひとつが、ペットの足が滑りにくいことです。滑りにくさを示す数値は0.47で、一般的なフローリングの0.21と比べて倍以上です。

発表会で商品を説明した専務取締役の永井聖悟さんによると、滑りやすい床で踏ん張ることを繰り返すと、膝蓋骨脱臼(パテラ)などの一因になるといわれています。
「私もチワワを飼っていますが、膝が外れてしまって。床材だけが原因ではないんですけど」と、永井さんは自身の経験も交えて話していました。
実際に使っているAHBASEのスタッフからは、「滑りにくく、触ったときにも安全だと実感している」という声が聞かれました。
粗相も抜け毛も、サッとひと拭き
継ぎ目は、クリックで隙間なくぴったりと合わさる構造になっています。ほこりやペットの毛、水分が入り込みにくく、粗相や水ハネもサッと拭くだけでお手入れできるとのこと。ニオイの元が床の隙間にたまりにくいのもうれしいポイントです。
AHBASEのスタッフによると、ワンちゃんはニオイに敏感ですが、LoopClickにしてからは手入れのしやすさやニオイのつきにくさも実感しているそうです。

カッターで切って、カチッとはめるだけ
もうひとつの特長が、施工のしやすさです。
厚さはわずか5mmなので、今ある床を剥がさずにその上へ敷けます。カットは電動の丸ノコではなくカッターで行うので、粉じんや大きな音も出ません。接着剤も釘も両面テープも使わず、斜めに差し込んでカチッとはめ込み仕上げます。

会場では、施工の実演も行われました。


実際の施工例として、宮城県の北洲本社の会議室も紹介されました。タイルカーペットだった約23㎡(約7坪)の床を、2人がかりで2時間半かけて敷いたとのこと。土足にも対応する重歩行仕様なので、オフィスにも使えるそうです。
工期は従来の3分の2に短縮できるとしています※1。住みながらのリフォームや、お店の営業を止めない床のリニューアルにも向いています。
気になる価格は? 自分で敷ける? 賃貸でも使える?
読者が気になりそうな点を、北洲の担当者に聞いてみました。
Q. 価格は?
材料費は1坪あたり32,700円(税抜)です。施工費は含みません。販売はケース単位で、木目調の場合は1ケース(約2.16㎡分)が21,300円(税抜)。6畳(約10㎡)なら5ケース必要で、106,500円(税抜)が目安です。
Q. 自分でDIYできる?
平面にフロアを敷き詰める作業自体はカッター1本で行えるため、基本的には可能です。ただし、壁際や建具周りなどの細部を美しく納めるには、やはり専門的な技術や精度が求められるため、仕上がりの美しさや施工品質の観点から、現在は主に専門の施工業者様向けの販売ルートを中心としております。将来的には一般のお客様に向けた展開も視野に入れております。
Q. 賃貸住宅でも使える?
お使いいただけます。短工期で施工でき、退去後の部分敷替えも行いやすいため、テスト販売の段階で、すでに賃貸マンションで採用されております。
永井さんによると、ペットと暮らせる賃貸住宅の割合は、欧米では7割を超えるのに対し、日本はまだ2割に届きません。オーナー側にとって、退去時の原状回復の負担が大きいことが理由のひとつだそうです。傷や汚れに強いLoopClickで、ペットと暮らせる賃貸を広げることにも役立ちたいと話していました。
背景にあるのは「大工が減っている」問題

“はめるだけ”の床が生まれた背景には、建設業界の大きな課題があります。
大工の人数は、1980年の93.7万人から2020年には29.8万人と、40年で約3分の1に減りました。2030年代半ばには14.3万人まで減るという予測もあります。
これまでの床リフォームは、今ある床を剥がして捨て、接着剤で新しい床を貼るのが一般的でした。ところが、2025年4月の建築基準法改正で、床を下地まで解体するような大規模リフォームには、原則として建築確認申請が必要になりました。さらに、中東情勢などの影響で、接着剤など石油由来の資材の価格も上がっているといいます。
LoopClickは大工でなくても施工でき、クロス職人など別の職種の人でも敷けるのだとか。名前の「Click」には、この職人不足への答えという意味が込められています。
使い終わった床が、また床に
名前のもうひとつの「Loop」は、資源循環を表しています。
素材は、車のバンパーなどにも使われるポリプロピレン(PP)100%です。接着剤を使わず、ひとつの素材だけでできているので、剥がしたときにほかの部材が混ざりません。そのまま工場に戻して、同じ品質の床材に生まれ変わらせる「100%水平リサイクル」ができるそうです。床材では初めての取り組み※2としています。

使い終わった床材を家庭から直接回収する「Loopリサイクルシステム」は、全国での回収体制を準備中です。手続きを簡単にするため、国の認定制度の活用について関係省庁と協議を進めています※3。
発売日の10月20日は、「ひとまわり(10)、ふたまわり(20)」の語呂合わせから生まれた「リサイクルの日」。床を「捨てる」ものから「巡らせる」ものに変えていきたいという思いを込めて、この日を選んだのだとか。
さらに、PPは水に強い素材なので、豪雨で床上浸水しても床材を取り外せます。乾燥・消毒をして、もう一度敷き直すこともできるそうです。
「良いと思ったら、やる」会社の新たな挑戦

冒頭であいさつした代表取締役社長の村上ひろみさんは、北洲が1999年から床を接着しないフローティング工法の床材に取り組んできたことを紹介しました。ベルギーの床材ブランド「PERGO(ペルゴ)」の日本総代理店を務め、2021年に東京で開かれた国際スポーツ大会の選手村にも採用されたそうです。
「もちろん失敗もありました。それでも、やると決めて挑戦し、探求してきた会社です」と村上さん。その積み重ねから生まれたのがLoopClickです。
まとめ
滑りにくく、お手入れがしやすく、今ある床にはめ込むだけで敷けるLoopClick。「愛犬のために床をなんとかしたいけれど、大がかりなリフォームはちょっと……」とためらっていた人にとって、選択肢のひとつになりそうです。

商品概要
商品名:LoopClick(ループクリック)
発売日:2026年10月20日
価格:32,700円/坪(税抜・材料価格、施工費別)
カラー:全6色(石目調:アイボリーストーン、グレージュストーン/木目調:ホワイトグレージュオーク、ミルキーオーク、アンバーオーク、モカオーク)
サイズ:石目調 厚さ5.0mm×幅303mm×長さ910mm(8枚入)/木目調 厚さ5.0mm×幅177mm×長さ1,219mm(10枚入)
公式サイト:https://www.hokushu.net/kenzai/loopclick/
※1 既存の床を剥がす解体型や従来の上貼り工法との比較(株式会社北洲の試算・条件による)
※2 カーペット材を除く床材において初(株式会社北洲調べ/2026年10月時点)
※3 「Loopリサイクルシステム」は国の認定制度の活用に向け、関係機関および環境省部門等と協議中
