
全国のラーメンを食べ歩くラーメンライター、井手隊長です。
長かった暑い夏もようやく終わり、10月に入っても続いていた暑さが少しずつ和らいできた。そろそろ恋しくなってくるのが鍋だ。ラーメン好きとしては、毎年この時期になるとラーメン店が監修した鍋つゆが気になってくる。今年も各社の商品をチェックしていきたいところだ。
そんな中、「スーパーベルクス」に立ち寄り、鍋つゆ売り場を覗いていると、思わず二度見してしまう商品を発見した。パッケージに輝く神々しい金文字で書かれていたのは「田中商店」の文字。あの東京を代表する豚骨ラーメンの名店が監修したクサウマ豚骨スープ鍋つゆだという。価格は298円。
調べてみると、この商品はベルクス限定で、ラーメン店監修鍋つゆのクオリティにも定評のあるダイショーの商品だ。

「田中商店」といえば、豚骨ラーメン好きなら知らない人はいない名店である。しっかりとした豚骨の旨味と、独特の香りが一体となった、いわゆる「クサウマ」なスープが最大の魅力。豚骨の存在感を前面に押し出した、ほかではなかなか味わえない個性がある。私も大好きなお店の一つだ。

そんな唯一無二のスープを鍋つゆで再現するとは、一体どんな仕上がりなのか。期待に胸を膨らませながら、さっそく試してみた。

まずは豚バラ肉をごま油で炒めておく。肉の旨味と香ばしさを引き出してから鍋つゆを加えるのがポイントだ。袋を開けて鍋にスープを注ぐ際には、袋の内側に付着した白い脂もしっかりと入れてほしい。
この時点で、すでにハッキリ言ってクサイ。手についた脂からも豚骨の香りが漂ってくる。もちろん、これは褒め言葉である。田中商店のあの個性的な豚骨臭を思わせる香りに、思わずテンションが上がってしまう。
鍋を火にかけ、スープが温まってくると、豚骨の香りはさらに強くなっていく。ここで勝ちを確信した。鍋つゆでここまで豚骨スメルを再現できるとは、なかなかすごい。ラーメン店監修の商品は数多くあるが、店の個性をどこまで家庭で楽しめるかが重要だ。その点、この商品は最初の香りからしっかりと期待に応えてくれる。

スープが温まったら、先に炒めておいた豚バラ肉を入れて少し煮込み、続いて野菜などを加えていく。今回はキャベツ、モヤシ、ニラ、ほうれん草、ネギ、キクラゲを投入した。いずれもラーメンとの相性がいいトッピングばかり。迷ったら、普段ラーメンのトッピングで選ぶような野菜を入れておけば間違いない。
ここで一つ注意したいのが火加減だ。豚骨スープは高温で煮込み過ぎると油が分離してしまうことがある。グラグラと沸騰させ続けるのではなく、温度を上げ過ぎないようにじっくり温めるのがおすすめだ。

できあがった鍋は、豚骨のコクと旨味がたっぷり。肉を食べ、野菜を頬張り、スープをすする。まろやかな豚骨スープが具材に絡み、箸が止まらなくなる。野菜をたっぷり食べられるのも嬉しいが、何よりスープそのものの美味しさが圧倒的だ。豚骨好きの心をくすぐる香りと味わいが、鍋という形で存分に楽しめる。これは超傑作と言っていい。

途中で味を変えたくなったら、高菜漬けを少しずつ加えてみるのもおすすめだ。豚骨ラーメンとの相性は言わずもがな。ただし、最初から鍋に入れてしまうとスープ全体の味が変わってしまうため、まずはそのままの味を楽しみ、後から好みに応じて加えるのがいいだろう。
そして、鍋の楽しみといえば締めである。王道は、茹でた細めの乾麺を入れて豚骨ラーメンにすること。
もう一つ、ぜひ試してほしいのが「チーズ豚骨リゾット」。残ったスープにご飯とチーズを加えて煮込み、仕上げに黒コショウを少々振る。豚骨とチーズのコクが重なり、これがまた抜群に旨い。ラーメンで締めるか、リゾットで締めるか。これは最後まで悩ましい選択になりそうだ。

298円という手頃な価格で、田中商店ならではのクサウマな豚骨の魅力を鍋で楽しめる豚骨スープ鍋つゆ。単に豚骨風味を加えただけではなく、あの独特の香りまで家庭で楽しめるところに、監修商品の本気を感じた。
ラーメン好きなら、ぜひ一度試してほしい一品。これから寒くなる季節、食卓で田中商店の豚骨鍋を囲み、最後はラーメンかリゾットで締める。そんな贅沢な楽しみ方はいかがだろうか。
(執筆者: 井手隊長)
