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【レビュー】ザック・クレッガー版『バイオハザード』、ビビり&ゲーム下手ほど主人公に共感必至 未プレイ勢にもオススメ[ホラー通信]



いや~、まさか「バイオハザード」の映画でここまで感情移入できる主人公に出会うとは。『WEAPONS/ウェポンズ』のザック・クレッガー監督がゲーム愛たっぷりに描く、まったく新しい映画版『バイオハザード』が現在公開中です。


原作ゲーム「バイオハザード」シリーズのキャラは特殊部隊などのタフな面々なので、異常事態に遭遇しても割とクールな反応ですが、今回の映画版ではまったく耐性のない一般市民ブライアンが主人公。


本編を観る直前まで「バイオハザード4」をビビりながらプレイしていた筆者は、ブライアンのヘッポコぶりに「これ、さっきまでの自分じゃねえか(笑)」と笑みがこぼれました。ゾンビやクリーチャーをどストレートにキモがり、事あるごとに悲鳴を上げ、慣れない銃を焦って乱射、貴重な銃弾を浪費するブライアン。ゲーム画面上のキャラはどれだけカッコよくても、コントローラーを握っているビビりのゲーム下手の挙動はまさしくこんな感じ。めちゃくちゃ撃ちまくって全外ししてるのなんか、自分のリプレイ映像かと思うほど。「これは私の“バイオハザード”だ!」と胸が熱くならずにはいられません。



映画のオリジナルキャラクターとして生み出されたブライアンは医療品の配達員。演じているのはクレッガー監督の前作『WEAPONS/ウェポンズ』の腰パンホームレス役、絶妙な脱力感が魅力のオースティン・エイブラムスです。


少々優柔不断なブライアンは、恋人との真剣な話し合いから逃げるように特急の配達仕事を引き受けます(現実逃避のためにゲームをしがちなそこのアナタみたいですネ!)。目的地はラクーンシティ総合病院、運ぶのは中身の分からない医療バッグ。ちゃちゃっと終わらせて帰るはずが、これが地獄の一夜の始まりに……。


ゲームでは主要キャラたちがウイルス流出やクリーチャー発生の真相を追っていきますが、ブライアンはいわば“バイオ”の世界のモブ。町に溢れるゾンビをかいくぐり、クリーチャーから逃げながら、配達の目的地であり、自分を助けてくれるかもしれない病院に向かうのみです。そう、ただ病院に向かうだけのストーリー! なんてシンプル!



ストーリーがシンプルであるが故に、「“バイオハザード”の世界に身を置いたらどれだけ恐ろしいか」というホラーの側面が強調されています。


何が起きているか分からない、何が起こるか分からない、無数のゾンビが襲いかかってくるだけでなく、目を疑うようなトンデモないクリーチャーが現れる。それに対し、ブライアンがビビりまくりながらも、必死こいてなんとか生き延びようとするわけです。これはもう手に汗握っちゃう! なんとかなれーッ!


さらに、自分の腕前に絶望したり、かと思いきや奇跡的なファインプレーをキメて嬉しくなったりというゲームならではの感覚が、ブライアンの物語に落とし込まれているのも楽しいポイントです。


ブライアン自身も何も知らないわけですから、観る人も予備知識ゼロで問題なし。ゲーム未プレイ勢や、「バイオハザードの映画? あー、ミラ・ジョヴォヴィッチのやつだっけ」で止まってる方にも是非オススメしたい。ゲームをプレイしていれば分かる小ネタがたっぷり盛り込まれていますが、映画を観て興味を持ったらプレイしてみるくらいでいいんですよ!


ちなみにサメ映画『海底48メートル』のヨハネス・ロバーツ監督が手掛けたリブート版『バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』はあまり評判が芳しくありませんでしたが、こちらはゲームの1・2をプレイした直後にメモリアルムービーとして観ると最高に楽しめます。おっと、話がそれました。



クレッガー監督はゲーム「バイオハザード」シリーズの熱狂的ファンであるだけでなく、『バーバリアン』『WEAPONS/ウェポンズ』という戦慄とショックと笑いが渾然一体となったホラー映画を生み出すクリエイターでもあります。今回の『バイオハザード』もまさしくそんな映画。恐怖の合間に挟み込まれたコミカルなシーンで大いに笑わせ、ビビりなあなたの緊張をほぐしてくれることでしょう。笑ってこそ次の恐怖に立ち向かえる。ゲームによる気晴らしが、やがて現実に立ち向かう勇気をくれるように。


『バイオハザード』公開中


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