
「大沢たかお祭り」という現象がSNSで拡大中だ。もともとはThreads(スレッズ)から発生し、現在はXにも波及。俳優・大沢たかおが『キングダム』で演じた王騎将軍の表情豊かな画像と日常のあるあるを組み合わせた投稿が次々と生まれている。
大沢本人も「祭」とInstagramで反応するなど、この現象を肯定的に受け止めているようだ。例えばこんな投稿がある。
「料理酒…なかったよな…と一か八かで買って帰ったらまさかの3本目でむしろみりんがなかった時の私」
https://www.threads.com/@xxayu24xx/post/DJLTXMey0IP
「ミスドの箱を開けたときの私」
https://www.threads.com/@rasukarustar/post/DJI7V9nz6xi
「西松屋で一番上、一番奥のフックにかかっている120の服を取る私」
https://www.threads.com/@asamimaekawa/post/DJTObqnzfab
「正月実家に帰った時にお雑煮お餅いくつ入れる?と聞かれた時のワイ」
https://twitter.com/koumietemaruiyo/status/1920638467047899239
正月実家に帰った時にお雑煮お餅いくつ入れる?と聞かれた時のワイ#大沢たかお祭りpic.twitter.com/gH6RGQdSaZ—ピエロ(ぴえろ) (@koumietemaruiyo) May 9, 2025
ここまでムーブメントが拡大した背景にはやはり、王騎将軍の持つ豊かな表情が日常の喜怒哀楽と絶妙にマッチしているところにある。威厳と包容力を兼ね備えた王騎の顔だが、予想外の出来事に直面した時の驚きや小さな幸せを噛み締める喜び、諦め顔など、その豊かな変化が、さまざまなシーンに“使える”のだ。
とりわけ家事や育児に奮闘する人々が、その苦労や喜びを王騎の表情に重ね合わせることで、日常のストレスをユーモアに変換している傾向が強い。「自分が王騎将軍である」という想像が、日々の小さな戦いに立ち向かう力となっているようだ。もはやその大喜利のセンスには脱帽というほかあるまい。
大沢たかおを媒介とした、見ず知らずの人々同士に生まれている妙な連帯感。その輪の火付け役とされるのは、Threadsユーザーで二児を育てる女性なのだとか。「自分に王騎将軍をインストールする感覚でいると無敵に思える」という彼女の感覚が、多くの人の共感を呼び、このミーム文化の拡散につながっている。
(執筆者: 田中周作)