映画化、舞台化と展開してきたアニメ「オッドタクシー」の世界から新たに誕生したドラマ「RoOT / ルート」が毎週火曜深夜24:30 放送中です。 W主演に、本作でともに地上波ドラマ初主演の河合優実と坂東龍汰という、最注目の若手実力派俳優の二人を迎え、漫画「RoOT / ルート オブ オッドタクシー」で描いている若手探偵コンビの奮闘劇を基に、ドラマオリジナルストーリーを展開。
Netflixにて見放題独占配信中とあり、深夜ドラマながら日別ランキングにて TOP10 入りするなど、まさに話題沸騰中の本作。裏組織で暗躍するドブを演じた三浦誠己さんと、事件のキーマンであるタクシー運転手・小戸川を演じた篠原篤さんにお話を伺いました。
――ドラマ楽しく拝見させていただいています!本作の企画を聞いた時、脚本を読んだ時にはまずどの様な印象を受けましたか?
三浦:なんていうんですかね、日本のドラマや映画がすごく盛り上がってきて、新しいのが出てきたぞ!という、90年代ぐらいの時と同じような匂いを感じました。アニメがあって、基となる漫画があるということなので、実写としてどういう風に折り合いをつけていったら良いのかなということは考えました。何よりチャレンジしていて面白い作品だなと。
篠原:アニメが面白かったのもあるんですけど、(ドラマの)脚本もやっぱり面白くて。主題が実はいくつもあるっていうか、メインはサスペンスでお客さんに刺激を与えて観てもらうってことなんですけど、その中に親子の関係、情報化社会、お金について色々な要素が出てくる。先ほど三浦さんがおっしゃっていましたが、90年代の良い作品って、お客さんにはここを観てもらうんだけど、その中で考えるテーマがいくつかあるというか。本作もそういう脚本に仕上がっていて良いなと感じました。
――放送が始まって、反響は感じられていますか?ネット上での感想など。
篠原:実は今年ガラケーからスマホにしたんです。
三浦:今年から?でも俺も使いこなせてないから同じようなもんやけど、SNSってあまり見ないからなあ。
篠原:スマホにしたら今の世界ってこうなんだ!って。延々に時間を使ってしまって。
三浦:YouTubeも映画もドラマも全部観られるからなあ。風刺画とかでもあるやん。人間の手がもうスマホになっているとか。
篠原:良い側面と悪い側面ありですね。ガラケー時代の俺が知りえなかった情報で言うと、この「RoOT / ルート」は、今期のドラマ初回満足度ランキングで3位らしいです。全部のドラマの中で。
三浦:すごい。それはすごいな!
篠原:小学校からの付き合いの幼なじみから珍しく連絡がきて、どうしたのかなと思ったら、彼の奥さんが「オッドタクシー」と河合さん大ファンだと。「先行試写イベントに応募して外れたけれど、お前の名前出せば良かったな」って(笑)。
――(笑)。篠原さんはアニメ「オッドタクシー」を楽しまれたということですが、三浦さんはご覧になりましたか?
三浦:観たらそっちに引っ張られるだろうなと思っていたんですが、少しだけ観て。アニメのヴィジュアルを見た瞬間、「これどうすんねん!」と。
篠原:いや、俺も1回つけて消しましたもんね。「これどうすんだろう」と。
三浦:声優さんが既にキャラクターを完成させているというのもあるし、それをさらに実写にするって難しいなって。
篠原:見た目が動物ですし。アニメで表現されていることを実写で同じ風にやっても、100にはならない。ドブも小戸川も強烈にアニメーションのイメージがあると思うので、実は僕はそんなにアニメの小戸川の真似はしていないんだけど、どういうことをやったら皆さんの頭の中の小戸川と違和感がないかっていうことを考えました。僕は花江夏樹さんの様に話すことは出来ないし、アニメみたいに焦った時に顔に線を出すことは出来ない、その印象を与えるためにはどうすればいいかっていうことは考えましたね。
三浦:ドブというキャラクターはこう、他の登場人物によって説明はされているんですけど、どうも根っからの悪人には思えなくて。ほんまに悪いやつって、組織にも入れないと思うので。ドブは枠組みの中にはまだ存在しているし、組長に対する忠誠もある。これは僕が勝手に考えたことだけれど、例えば10代の時に組長にお世話になっていて、どうしても恩があるのかなって。そういった部分が滲み出れば良いなと思いました。
篠原:小戸川は静かな人物で、あまり余計なこと喋らない。何考えているか分からないキャラクターなんですが、これは実写の考え方なのかもしれないですけど、静かだってことは、激しいということだと思うんですね。何も考えていなくて、静かな人間っていなくて。アニメには過去に何があったかと描かれていますけど、小戸川ってとっても感受性が豊かだったと思うんですよ。色々なことが抱えきれなくなって、色々なことをたくさん感じるから、余計なことは言わないですよね。「偏屈で何を考えているか分からない」と表現されるキャラクターですが、 僕自身は演じる上で、たくさん気持ちが動いててもいいと思っていました。実際にそうじゃないと生きてる人間に見えないだろうなっていうのは心がけました。
――生きている人間が作り上げていくという魅力がありますよね。お2人はドラマをご覧になっていかがですか?なかなか客観視出来ない部分もあるかと思うのですが。
篠原:映像がすごく綺麗ですよね
三浦:夜のシーンのライティングとかすごく綺麗です。あとは人間の生々しさを表現してくれているのも好き。主人公の2人が成長していくようなお芝居も魅力的ですね。あと、僕は篠原さんの大ファンだったので 今回またご一緒出来て嬉しかったな。
篠原:僕は三浦さんと全然キャリアは違いますけれど、同じ様な映画に出てきていると思いますし、色々喋りかけちゃうんですよね。こんなチャンス無いから色々聞いちゃおうって。言えない話が多いのですが。
三浦:新宿に飲みに行ったもんね。
篠原:終わった後、飲みに連れてってくださって。
――お2人の関係性がすごく素敵ですね。ドブと小戸川とはまた違います(笑)。お2人が「オッドタクシー」の世界に入り込んだとしたら、どんな動物だと思いますか?
篠原:俺、イノシシじゃないかな。猪年だっていうのが1つと。1つのことに集中しすぎるというか、よく言えば猪突猛進というか。本当はもっと世の中の雑多なこともちゃんと処理していける人間にならないといけないなっていうことを、三浦さんにも個人的に相談していました。
三浦:それが良いところだと思うんだけどね。俺は狼かな。原始時代に、マンモスとかを捕まえて食べた後の残骸目当てで、狼は人間の後をついていってたらしいんです。自分で捕まえることを諦めちゃっている。そういう狼かな。カッコよくない狼ね。
篠原:でも三浦さんはカッコ良いですよ。今回三浦さんがドブを演じていることによって、ドブファン多いんですよ。
三浦:本当に?嬉しいけど、自分的には俺のシーンって男ばっかりで、キャバクラのシーンとかめっちゃ羨ましいわ(笑)。
篠原:いやいや、三浦さんが演じている時にモニターの前をウロウロしていたら、そういう黄色い声が聞こえてくるんすよ。それこそ、アニメで白川さんを演じていた飯田里穂さんが現場にいらっしゃった時も、「お写真いいですか?」と声をかけてくださったので一緒に撮影してさせてもらったのですが、飯田さんが何かの記事で「ドブのファンです」とおっしゃっていて、嘘だろ!って(笑)。
三浦:それは面白い(笑)。
――その発言もどこか白川さんっぽくて可愛いです(笑)。今日は楽しいお話をどうもありがとうございました!
撮影:MOTOISHIDUKA