先月26日から始まった『ブギウギ』第22週が終わった。それまでスズ子(趣里)のマネージャーを務めていた山下(近藤芳正)が去り、新たにタケシ(三浦獠太)がマネージャーとしてやってきた。
山下がマネージャーを引退しようと決意した直接的な引き金は、長らく村山興業を率いて来たトミ(小雪)の死去だ。そこまで心を痛めていたとは想像もしなかったが、山下は愛助(水上恒司)、そしてトミまで失ったことで「心の糸が切れてしまった」と明かし、「ワシらの時代は終わった」と、世代交代を訴える。山下はそれまでも自らの引き際を探っていたのかもしれない。そして今回が良い契機だったということなのだろう。
ネットでは、
・山下さん、糸が切れたままダラダラと続けて迷惑をかける前に自分の引き際を見極め、自分の後を任せられる人材も見つけていて、もうご立派な勇退だよ…
・山下さん、しっかりと先の世とその頃の自分を見越してる辺り流石です
といった声で、山下との別れを見送っている。
山下は、スズ子にはもう1人、大野晶子(木野花)という家政婦の存在がいるという安心感もあったに違いない。だが、そんな信頼のおける山下はどういうわけか、新しいマネージャー候補として、その適性を疑ってしまう人物を紹介してしまう。それが甥っ子のタケシ(三浦獠太)だった。
スズ子の言ったこともメモできず、遅刻や居眠りなどマネージャーにあってはならないミスを連発するタケシ。人を見る目はあるであろう山下が、なぜ彼をスズ子に推薦したのかは疑問が残る。
ネットでは、
・山下さんいくら甥とはいえド素人を紹介したもんだ
・マネージャーとしてやっていけるのか… 何かやらかさないか心配
・愛子ちゃんと等身大で話してる感じとか悪い人ではないことは分かるのだけど
と不安の声が広がった。
もちろんタケシも一生懸命やっているのだが空回り。そんな自分に嫌気がさしているという。どうしても憎めないキャラとなっているのがまだ救いだ。その頃、スズ子はワンマンショーで、羽鳥善一(草彅剛)が手掛けた新曲『買い物ブギ』を披露する。スズ子は開演前、タケシに「よう見ときや」といってステージへ向かう。スズ子の弾けるパフォーマンスに、袖から見つめるタケシも感動するのだった。
ネットでは、
・そんなタケシを自分の歌でやる気出させるのさすがスズ子。
・タケシくんも徐々にマネージャーとしての自覚が芽生えると良い
という声も見られた。この週はどういった週なのか一言では示しにくいが、今まで多くの人に見守られ、支えられてきたスズ子が、今や、1人の若者に自分の背中を見せるようになったことを示しているのだろう。寛大な心でタケシを受け入れる度量を持てるようになった、スズ子の成長の記録でもあるのかもしれない。
今後、タケシがどうスズ子の物語に絡むのか、そしてどう作用していくのか楽しみである。
(執筆者: 田中周作)