突然出現した“闇”に翻弄される人々を描くフランス発のSFシチュエーション・スリラー『ザ・タワー』(原題:LA TOUR、英題:LOCKDOWN TOWER))が4月12日より公開されることが決定した。
舞台は様々な人種の人々が住むフランスのとある団地。ある日突然、外の世界にすべてを消し去る闇が出現。その闇に触れると物体も人体も消滅してしまう。外に出ることができず、建物の中で過ごす住人たちは、次第に小さなグループを形成し始め、生き残るためのある行動に出る。
監督のギョーム・ニクルーは、99%以上の光を吸収できる物質“ベンタブラック”から着想を得ており、本作の“闇”を光学的に直接観察できない正体不明の暗黒物質“ダークマター”と表現している。
さらに、本作について「これは恐ろしい出来事が起こるホラー映画だ。飢饉、殺人、性差別、カニバリズム、人種差別、同性愛嫌悪、拷問。現代のあらゆる暴力と恐怖の総合体かもしれない。今作で描かれているのは、相互扶助と分かち合いという楽観的なビジョンではない。むしろ、閉ざされた空間で互いを許容できない人間の冷酷な描写である。受け入れがたいものを探求する恐怖の映画である。臆病さと無力さの結果、個人が残忍になる映画だ」とコメントしており、極限状態における人間の恐ろしさを描いた作品であることを示唆している。
<ストーリー>
様々な人種が住むフランスの団地。アシタンはある朝目覚めると、窓の外が“闇”で覆われていることに気が付く。その“闇”に物を投げ入れると物体は消滅し、体が触れるとその部分が鋭利な刃物で切られたように消えてなくなってしまう。テレビやラジオの電波は途切れ、携帯電話も圏外となっているが、なぜか電気と水道は使用可能だ。原因不明の“闇”のせいで、建物の中に足止めされる団地の住民たち。外の世界と遮断され閉じ込められたままの彼らは、知り合いや人種ごとの小さなグループを形成していく。徐々に正気を失っていく彼らの間に争いごとが起こり始める中、彼らが選んだ“生きるため”の方法とは?
『ザ・タワー』
監督・脚本:ギョーム・ニクルー
出演:アンジェレ・マック、ハティック、アーメド・アブデル・ラウィ
2022 年/フランス/フランス語/89 分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/原題:LA TOUR(英題:LOCKDOWN TOWER)/字幕翻訳:横井和子
レイティング:PG12
配給:クロックワークス
© 2022 –Unité –Les films du Worso