「ビールを呑んで気持ちよくなると変身し、2000メートルの巨人となって東京タワーを武器に怪獣と戦う」──完全に「どうかしている」特撮ヒーローが『電エース』らしいです。どうかしている。
この時点でもう十分すごいのですが、この『電エース』シリーズ、なんと35年も続いている長寿ヒーローなのです。1989年にバンダイのビデオマガジンの1コーナーとして始まったのをきっかけに多くのスポンサーが電エースを支え、35年も続いてしまったようです。やっぱりどうかしている。
本作は過去の『電エース』シリーズの再編集と新作をつなげた形となる、初の劇場用映画。キックボクシングの元世界チャンピオンの小林さとし(小林聡)と、昭和歌謡の貴公子・タブレット純によるダブル主演となっています。
共演には、ハリウッドザコシショウ、チャンス大城、古谷敏、藤波辰爾……とやっぱりカオス。
そんな『電エースカオス』は12月22日(金)にロードショーするのですが、公開に先駆け12月3日に足立区綾瀬で『電エースカオス公開記念OWARAI LIVE』が行われました。ちなみにこちらの公開記念ライブのチケットは公開されるや即完売。カオス度ゆえか、期待値の高さがうかがわれます。
登壇したのは、ちかまろ、タブレット純、ウクレレえいじ、チャンス大城、ホープ軍団(小林さとし、北脇貴士、ゆーとぴあホープ)そして川崎実監督。いずれも電エースに関わりのあるメンバーたち。
ステージではちかまろさんの自作曲歌唱、タブレット純さんのムード歌謡漫談&声帯模写、チャンス大城さんの形態模写&すべらない話、ホープ軍団による超絶異次元コントなどなど多才にて多彩。これぞ、まさしくカオスと言えるステージでした。(めちゃめちゃ楽しかったです)
小林さとし、チャンス大城、川崎実監督インタビュー
電エースカオスに出演している小林さとしさん、チャンス大城さん、そして監督の川崎実さんにお話をうかがってみました。
小林さとし
──そもそも、映画出演のきっかけは?
小林:川崎さんと知り合ったのは編集していた人つながりなんだけど、そこから俺の格闘技イベントにも川崎監督のところのキャラクターが絡むようになったりして。そんな中で、ぽろっと(電エース)30周年の時に(映画出演の)声をかけられたんだよね。
更にそこから5年を経て、35周年でタブレット純さんとダブル主演に至るっていう(笑)。
──シリーズが35年も続いてるってすごいことですよね
小林:その35年の節目に主演のひとりとして選ばれたのは、すごく光栄なことだなあと思ってます。
──小林さんから見た『電エース』の見どころってどんなところですか
小林:35年の歴史の重さですよね。バカ映画の集大成でありながらも、メッセージ性がちゃんとあるので、そこも面白いかな。意外と考えさせられますよ。
チャンス大城
──今回撮影してみて、印象に残っている部分はどんなところでしたか
チャンス:初めての悪役というか、……映画に出ること自体は3作目なんですけど、ああいうワル役をやらせてもらって、気持ち良かったです。「全員、皆殺しや~」ってね! すげえ、楽しかったです。
変な映画のようでメッセージはちゃんと入ってます。煩悩……? エゴとか欲望とか……なんなんだ、と!
是非、観てください!
川崎実監督
──今回の電エースカオス、川崎監督の好きなものが全部詰まってる感じですか?
川崎:とにかくウルトラマンをやりたかったんだよね。金が無い中で考えた「常識を超えたウルトラマン」を35年やってるんです。ただ、それって偉大なウルトラマンに立ち向かうドン・キホーテみたいなものなんですけれどもね。
電エースは「常識を超えた男」っていうのがコンセプトなんです。ウルトラマンは変身するときにアイテムを使うけれども、気持ちが良くなったら変身する。快楽で変身するっていうのがポイントのひとつです。
──出演している方々も常識を超えている方が多い?
川崎:そうですね! タブ純(タブレット純)さんも小林(さとし)さんもそうなんですが、いろんな才能を持った人が出ています。ただ、全員、演技は素人ですからね!
──そ、そうなんですか!?(笑)
川崎:うん。だから、驚きますよ!この映画観たら。「これでいいのか?」って。でも「これでいいんだ」って。そういう恐ろしい映画になってます。内容もフィクションとノンフィクションがごちゃまぜになってたり、まさにカオスです。
──公開、楽しみにしてます
川崎:はい、12月22日池袋シネマロサを皮切りに、全国でやります。皆さん、ぜひ観に来てください!
──ありがとうございました
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インディーズ特撮35年の集大成は「カオス」。最新作となる電エースは、どのような混沌をスクリーンに映し出すのでしょうか。期待。
<ストーリー>
電一(でんはじめ)は、きもちがよくなると身長2000mの巨人に変身する宇宙人の仮の姿だ。彼は地球を襲う様々な怪獣や宇宙人と戦ってきた。彼が地球にきてから35年、一は弟・電五十郎の恋愛相談にのる。しかしそのすきにハリウッド星人が襲ってきたが、死闘の末勝利する。五十郎の弟・電五十二郎は、昭和を消し去る目的のユーリク星人の攻撃をうけるが、辛勝する。平和が戻った中、電五十郎は失恋を引きずったまま立ち直れずにいたが、世の中ではある異変がおきていた。SNSで幸せな投稿をした人々にクソリプクソコメが殺到し、失踪する事件が多発。これは、人類の邪悪エネルギーが好物のムクリタ星人の仕業だった。五十郎と五十二郎は星人に立ち向かうが、人間たちの邪悪エネルギーを吸った最強の星人には敵わない。果たして地球はどうなる!?
電エースカオス 公式サイト
https://denace-chaos.com/