Googleが10月12日に発売したスマートウォッチ「Pixel Watch 2」のレビューをお届けします。
1日中装着できる軽さとバッテリー寿命
まずは外観をチェック。ドーム型のガラスが金属素材の本体に滑らかにつながる形状、側面にリュウズとサイドボタンを搭載するデザインは前モデルを踏襲したもの。
前モデルは金属パーツにステンレスを使っていたことから、腕に載せるとズシっと重量感がありましたが、Pixel Watch 2では金属パーツがアルミニウムに変更され、10%軽量化を実現。1日中装着しても、寝ている間も快適に装着できます。
バッテリー寿命は、常時表示ディスプレイに設定していても24時間持続します。約75分の充電でフル充電、約30分で50%の充電ができる急速充電に対応するので、起床後すぐに充電すればその日1日外出しても充電は不要。充電には付属のマグネットチャージャーを使用します。
進化の注目ポイントを整理
Pixel Watch 2が前モデルと比べて進化した注目ポイントは次の通り。
(1)Fitbitと計測機能が同等に
Fitbitのスマートウォッチ最上位モデル「Fitbit Sense 2」に搭載してPixel Watchに搭載していなかった、皮膚温センサーとストレス状態を評価する身体反応の計測機能が追加されました。
(2)フィットネス機能が充実
激しい運動の間でも高精度な計測ができる最新のマルチパス心拍センサーを搭載。7種類のスポーツの自動検出や心拍ゾーントレーニングといったフィットネス機能が充実しています。
(3)Googleサービスと連携を強化
Pixel Watchで利用できたGoogleマップ、YouTube Music、Googleウォレット、Googleアシスタントに加えて、Gmailのウォッチからの返信、GoogleカレンダーといったGoogleサービスとの連携を強化しています。
Fitbitとスムーズに連携
健康管理やフィットネス管理には、前モデル同様Fitbitのアプリとサービスを利用する仕組み。デフォルトで設定されているウォッチフェイスには、その日の活動量や睡眠などを一覧で確認できるFitbitのダッシュボードアプリ「Fitbit Today」を起動するショートカットが用意され、ワンタップで呼び出すことができます。
ウォッチフェイスを水平方向にスワイプすると、インストールされたアプリから情報を表示する「タイル」を切り替えられます。デフォルトではFitbitで管理する「歩数」「心拍数」「睡眠」のタイルが利用可能。
表示したタイルをタップすると、詳細なデータが確認できます。ウォッチフェイスに戻るために右にスワイプすると、間にFitbit Todayを表示する仕様に。Fitbitで管理する各種データにアクセスしやすくなることで、Fitbitとの連携がより密になった印象を持ちます。
新たに計測可能になった皮膚温変動と身体反応は、Fitbit Todayから確認が可能。皮膚温は睡眠中の変動が正常な範囲内にあるかどうか見ることで、健康状態を把握することができます。身体反応は、新たに搭載したcEDAセンサーがストレスを感じている兆候を検知します。
ウォッチフェイスでリュウズを1回押すと、本体にインストールされたアプリをリスト表示します。リュウズや画面のスワイプでスクロールして、リストから「Fitbit Relax」を起動すると、リラックスするための呼吸セッションを実行可能。こちらもFitbit Sense 2で搭載していた機能です。
Fitbitで管理する項目や詳細は、スマートフォンのFitbitアプリから確認できる他、Fitbitのサブスクリプションサービス「Fitbit Premium」に加入していると、詳細な分析やガイダンス、運動に向けた身体の状態を測定する「今日のエナジースコア」、ワークアウトやマインドフルネスセッションといった機能が利用可能。購入者には、Fitbit Premiumを6か月無料で利用できる特典が付属します。
フィットネスを自動認識
スポーツの自動認識の機能は、ウォーキングで日常的に活用できます。15分以上歩くと、自動でトラッキングを開始。ウォーキングのセッションとして記録してくれます。
ジムで体を動かした際には、「スポーツ」あるいは「有酸素運動」として記録されました。心拍ゾーンを分析して記録されるので、フィットネス目標の達成度合いを把握するのに役立ちます。
マニュアルでスポーツを記録する際には、特定の心拍ゾーンを目標に設定して、その範囲にあるかどうかを随時確認できる「心拍ゾーントレーニング」も用意されています。
ランニング中の転倒など、万一の際のユーザーの安全に関する機能を強化しているのも特徴です。転倒を検出したり、緊急時にユーザーの位置情報を共有する機能や、血液型や持病などの記録、指定した時間での安否確認といった機能を用意しています。
Googleサービスと強力に連携
搭載OSのWear OS 4は、Googleサービスとの連携を強化しています。Googleカレンダーアプリでは予定を確認できるだけでなく、出欠の返信もウォッチから可能に。Gmailアプリではメール本文を確認して、ウォッチから返信できるようになりました。キーボード入力はさすがに難しいので、音声入力でテキストを打つこともできます。
前モデル同様、Googleマップとの連携は秀逸。アプリを起動して目的地を音声やキーボードで入力すると、目的地のルート案内が利用できます。地図からルートを確認できる他、道順をステップを追って確認しながらナビゲーションしてくれるのが便利。アプリ起動中にリュウズを回すと、道順をスクロール表示して確認することができます。
Googleアシスタントによる音声操作やGoogleウォレットを使ったタッチ決済、YouTube Musicによる音楽再生、Google PlayからのアプリのインストールといったGoogleサービスとの連携は前モデル同様に実現。これら機能は、Fitbit Sense 2では非対応となっています。
Fitbitからの乗り換えはアリ
最新の心拍センサーを搭載し、Fitbitスマートウォッチと同等の計測機能が使えるようになったPixel Watch 2。Fitbitサービスとの連携が密になり、さらにGoogleサービスとの連携も実現していることから、Fitbitスマートウォッチのユーザーにとっては有力な乗り換え候補になると言えそうです。これまでFitbitを利用したことがない人にも、健康管理やフィットネス管理に違和感なく取り組めるのではないでしょうか。Pixel WatchのGoogleストアでの販売価格は、Wi-Fiモデルが5万1800円(税込)、LTEモデルが5万9800円(税込)。本体カラーはPolished Silver/Bay、Matte Black/Obsidian、Champagne Gold/Hazel、 Polished Silver/Porcelainの計4色です。