<ツルハシ1本>と<折れない心>で敵を討つ “絶対に死なない”伝説の老兵の痛快すぎる壮絶バトル! “世界一幸せな国”フィンランドが贈る『SISU/シス 不死身の男』が10月27日より公開となります。
タイトルのSISU(シス)とはフィンランドの言葉で正確には翻訳不能。すべての希望が失われたときに現れるという、不屈の精神を意味します。そのSISUを武器に、伝説の兵士“アタタミ”がナチス戦車隊をたったひとりで血祭りにあげてゆく痛快バイオレンスアクションは故国フィンランドで5ヶ月連続トップ10入りという特大ヒットをたたき出し、2022年、シッチェス・カタロニア国際映画祭 ファンタスティック・コンペティション部門で最優秀作品賞など4部門を受賞、批評サイト「ロッテントマト」では98%の高評価を獲得しています。
本作を手がけたヤルマリ・ヘランダー監督にお話を伺いました!
――本作とても楽しく拝見させていただきました!プロデューサーさんの「ヘランダー監督は子どもの頃の夢に戻って、80年代を彷彿とさせるアクション映画をフィンランドで作りたかったんだ」というコメントが資料にありました。
現代の映画はVFXなどの映像技術を使って、どんな事でも可能になっていますよね。なのでマーベルの様なシリーズを作る事が出来る。だからこそ、よりシンプルなアクション映画というものを作ろうと思いました。映画の中で、ナイフで兵士の頭を刺すシーンがありますが、それを観て何かを感じていただきたいんですね。『ランボー』(1982)の様なシンプルでストレートな作品作りに戻りたいと思って、この様な映画を撮りたいと願いました。
――シンプルであるからこそ、痛みであったり感情が感じやすいアクションになっていると思いました。
予算がとてつもなく多いわけではないので、工夫を凝らした見せ方をしなくてはいけないと考えました。アタタミが予想出来ないことをする、これまで観たことの無い動きをするということを考えてアクションシーンを組み立てていきました。その工夫によってビッグバジェットの映画との差もつけられると思いました。
――アタタミを演じたヨルマ・トンミラさんは監督と3度目のタッグとなります。ヨルマさんは相当なトレーニングをされたかと思うのですが、いかがですか。
ヨルマさんは素晴らしい俳優さんですが、撮影当時62歳と高齢でしたので、ハードなアクションをこなせるかどうか、撮影前に確信を持ちたい部分がありました。誰もが出来るキャラクターでは無いので、アクションのトレーニング、馬に乗る練習を重ねていきました。その中でも、手の動きを特に意識しています。当時は機械を使って何かをする時代では無く、全て手を使って作業をしていました。なので手がしっかりと使われていて、鍛えられていないと説得力がありません。なので、8ヶ月の間、石を持ち上げたり、火を起こしたり、そういったことを重ねて深みを増していきました。
――アクション映画好きが痺れてしまうシーンの連続でしたが、監督は最初からしっかり画作りを考えて撮影に臨みますか?それとも現場でのひらめきなども採用されますか?
事前に準備万端で臨むタイプです。映画の撮影の前にコンセプトアートを友人に作ってもらいましたが、実際に完成した作品と比べてもほとんど変わっていません。現場で何かが起こって対応するという時間が惜しいですし、今回は特に山上での撮影もありますから、とにかく綿密に準備をしてから撮影に入りました。
――“SISU(シス)”とはフィンランドの言葉で、不屈の精神といったこと意味するそうですが、正確には翻訳不能ということですね。一つの国で長年伝わってきた言葉や文化ということがとても素敵だなと思いました。
自国のことなので、文化については知っているつもりでいます。映画の舞台となっている戦時中については色々と調べました。その時代がどれだけ恐ろしかったということが分かりましたが、歴史を知りすぎてしまうと、その現実というのが重荷になってしまうと思ったんですね。今回はエンタメ性の高い作品を作りたいと狙っていたので、もちろん基本的な史実は知った上で、その歴史の恐ろしさにウエイトを置きすぎない様な作品作りに努めました。
――たくさんあると思うのですが、監督が本作で一番苦労されたことを教えてください。
ロケーションに一番苦労しました。アタタミが金の発掘をしているシーンなんかは、本当に場所探しが大変でした。ラップランドという場所で撮影を行っているのだけど、ここはフィンランドの北側に位置していて、自然が豊かなのだけど、極北の地で撮影はとても大変だった。しかし、この場所でしか撮れないと思っていたし、このロケーションが映画に重要な表情を与えてくれたと思っているよ。
――今日は素敵なお話をどうもありがとうございました!
『SISU/シス 不死身の男』
10月27日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか 全国公開
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