夏子・長編映画初主演×鳴瀬聖人監督による映画『女囚霊』が9月22日より公開中です。入ったら逃れられない密室、解けない洗脳、究極の人間模様が繰り広げられる刑務所の中の女囚たち。想像上の恐怖表現だけでなく、人間本来が持つ怖さ・弱さ・脆さに迫り、観る側の善悪の価値観をも揺さぶり、第六感を刺激する恐怖が襲う、新感覚サイコホラー映画となっています。
本作が長編映画初主演となるとなる女優の夏子を中心に、対峙する女優陣に和田光沙、 円井わん、松永有紗、円城寺あや、他実力派が集結。監督は、独特の世界観で国内外ファンタスティック映画界に新たな 旋風を巻き起こす鬼才・鳴瀬聖人。 楽は、全世界興収NO1を記録した世界的人気ゲーム『サイレントヒル』シリーズの 音楽家・山岡晃が担当。
今回ガジェット通信では、本作の主演を務める夏子さんにお話を伺いました!
――本作楽しく、怖く拝見させていただきました。夏子さん長編映画初主演となりますね。
どんな役をいただいても意気込みは変わらないのですが、主演ということはやっぱりプレッシャーというか、自分の中でも大きかったので、監督とより丁寧にお話をする様にしていました。私は実はもともとホラー作品が苦手だったのですが、そんな話をしたら監督が「ホラー映画というのはケラケラ笑いながら観るものなんだよ!」と、オススメの作品を教えてくださって。“ホラー映画の見方”を教わりました。
――“ホラー映画の見方”!いいですね。監督のオススメでどんな作品をご覧になりましたか?
『サスペリア』(1977)を観ました。「ホウキに乗った魔女が面白いでしょ〜!ケケケケ!」みたいな感じで、監督が感じるおもしろポイントを教えてもらいながら(笑)。まだ私にとってはホラー映画は怖いですけれど、ホラー映画ならではのテクニックがたくさんあると思うので、裏側を知ると色々面白いんだなって。ホラー映画の新しい楽しみ方を知った感じです。
――今おっしゃっていただいた様に、ホラー映画作りの裏側ってたくさんの工夫がありますよね。本作の撮影で印象に残っていることはありますか?
これまで “血のり”にはたくさん出合ってきている方だと思うので、血のりへの耐性はバッチリでした(笑)。お芝居をはじめて最初の方の作品ですぐに血のりと出合って。バケツいっぱい被ったりとか、血のりの多い道のりでしたね。想像していなかった甘さがあって驚いたり。この作品は冬の撮影だったので、血のりが固まってしまってお風呂でもなかなか落ちなくて。でも、そういったことも「あるある」と思えるくらいには血のり慣れしています(笑)。
――原作は、連載時口コミで話題になった伝説のホラー漫画『女囚霊~塀の中の摂理区ゲーム~』(小学館ビッグスピリッツコミックス 刊)ですが、お読みになりましたか?
お話をいただいてすぐに読んで、すごく怖かったのと、どうやって映像化するんだろう?と思いました。原作の良さをそのままに、鳴瀬さんらしい映像に昇華していて、原作を知っている方にも新しい発見のある作品だと思います。
――現場の雰囲気はいかがでしたか?
タイトル、設定のとおり、女性が多い現場で、すごく和やかでした。皆さんのお互いの距離の取り方が程よく、心地良い雰囲気が流れていました。私は和田(光沙)さんのお芝居がすごく好きで。実際はとても優しい方なのに映画の前半は和田さんの怖いシーンが多いんです。和田さんご本人の優しさと、役柄の優しいけれど怖い部分というのがすごくマッチしていて素敵でした。
――人間の恐ろしさが出ていましたよね。
この映画はお化けが出るというよりも、人間の怖さが表現されたお話なので、人間ドラマとして観ていただけると思うんです。女囚たち一人一人に過去がありますし、特に私が演じさせていただいた美山は作品の中でどんどん成長していきます。演出や音で驚くようなシーンはもちろんありますが、ホラーが苦手だという方にも、そういったストーリー面に着目してご覧いただけたら嬉しいです。
――観ているうちに美山のことを応援したくなります。
そう感じていただけるとありがたいです。鳴瀬監督とも、美山の成長についてはよく話していました。最後、グロテスクなシーンにはなるのですが、美山が自分で“選択”を出来ているので。これまで周りに流されてばかりだった美山が自分の意志で“ある決断をする”ことは、私も演じていて大切にしていた所なのでぜひ注目していただきたいです。
――人間のじっとりとした怖さが濃縮されている作品でしたので、ぜひ多くの方にゾッとしていただきたいと思います。余談なのですが、私は夏子さんが主演されているドラマ『アイゾウ 警視庁・心理分析捜査班』の大ファンなので、今日お話を伺えて光栄でした!
ありがとうございます!『アイゾウ』も人間の恐ろしさですものね。実在の事件を基にしていて、それぞれのドラマもあります。そうやって考えてみると、私は血のりとの遭遇率も高いのですが、人間の恐ろしさを描いた作品にもよく巡り合っているのかもしれません(笑)。『女囚霊』は私の様なホラーが得意ではない方にも楽しんでいただけると思いますので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいです。
――今日は素敵なお話をありがとうございました!
撮影:オサダコウジ
映画『女囚霊』
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夏子 和田光沙 円井わん 松永有紗/円城寺あや
鈴川紗由 田口由紀子 辻 凪子 花乃まみ 四家千晴 蒼乃 茜 川連 廣明
監督 鳴瀬聖人 音楽 山岡 晃 脚本 深井戸睡睡
原作「女囚霊 ~塀の中の殺戮ゲーム~」(漫画:加藤山羊、原作:矢樹純/小学館ビッグスピリッツコミックス刊)
製作:人見剛史 奥村雄二 エグゼクティブプロデューサー:鈴木祐介 プロデューサー:角田 陸 古賀奏一郎 撮影:中條 航 照明:山田拓実
録音:古茂田耕吉 美術:後藤駿治 衣裳:工藤 唯 ヘアメイク:菅原美和子 キャスティング:田中慎一 助監督:江良 圭 制作担当:三吉優也
編集:鳴瀬聖人 音響効果:黄 永昌 CG:野崎耕生 映画「女囚霊」製作委員会(SS工房/ライツキューブ/TOKYO CALLING)
制作プロダクション:SS工房 配給:ライツキューブ 配給協力:ティ・ジョイ 2022/JAPAN/5.1ch/DCP/80min
©2022加藤山羊・矢樹純・小学館/SS工房・ライツキューブ・TOKYO CALLING