ロンドン発のデジタル製品ブランドNothing Technology(以下Nothing)は、完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「Nothing Ear (2)」を3月30日に発売することを発表しました。国内では発売日に先行して、3月23日からNothing公式サイトとKith Tokyoで販売を開始、他の取り扱い店舗では3月28日から予約受付を開始します。
Nothingが2021年に発売した完全ワイヤレスイヤホンの第1弾製品「Ear (1)」、2022年に発売した第2弾製品「Ear (stick)」同様、マイクや回路基板など内部のパーツが見える透明デザインを採用しています。
ハードウェア面では、永久磁石でダイアフラム(振動板)を振動させる11.6mmドライバーを搭載。永久磁石を前モデルEar (1)のN45より磁気特性の高いN52に変更している他、ポリウレタンとグラフェンの2つの素材を組み合わせたダイアフラムの採用により、軽量かつパワフルなサウンドを実現しています。空洞部を大きくすることでスムーズな空気の流れとクリアなサウンドをもたらす、デュアルチャンバー構造を採用しているのも特徴です。
対応コーデックはAAC、SBC、LHDC 5.0。最大24bit/192kHzのハイレゾ音源の再生に対応します。
一見、前モデルと本体のデザインはあまり変わらないように見えますが、Ear (stick)と同じプレスコントロールを採用しています。タップ操作ではなくステムの前後をつまむようにして、前側面の静電容量スイッチをしっかり押すことで操作する仕様。指が濡れていても操作でき、タッチ操作で生じがちな誤操作を防ぎます。本体はIP54、ケースはIP55の防水および防塵に対応。スイッチを押すとイヤホンから「カチ」っとクリック音が鳴り、操作を認識しているかどうかが分かりやすいのもポイントです。
ケースは部品点数の削減により、前モデルと比べて30%程度小型化しています。2.5Wのワイヤレス充電に対応し、「Nothing Phone (1)」など互換性のあるデバイスから逆充電することも可能。ケースが満充電の状態で最長36時間の音楽再生、ケースのUSB Type-Cポートから10分の急速充電で最長8時間の音楽再生に対応します。
Ear (2)最大の特徴は、専用iOS/Androidアプリ「Nothing X」と組み合わせることで、ユーザーの聞こえ方に合わせてサウンドやアクティブノイズキャンセリング(ANC)を調整できる強力なパーソナライズ機能。アプリ上での初回の設定時に、イヤーチップが外耳道にぴったり密着しているかどうかを確認した後、聴力検査アプリ「Mimi」の機能を利用してユーザーの聞こえ方をテスト。テスト後はユーザーの聞こえ方に合わせてイコライザーを自動で調整し、聞こえやすいサウンドに補正してくれます。
筆者は高音の聞こえが悪いので、高音を持ち上げるように補正する結果が出ました。一般にイヤホンをして聞こえにくいと思うと、つい全体の音量を上げてしまいますが、聞こえにくい周波数の音を補正してくれることにより、耳に優しい適切な音量で聞くことができます。
ANCも聞こえ方に合わせたパーソナライズが可能。ANCの強さは高・中・低の3段階に設定できるようになった他、周囲の騒音に合わせて自動で調整するアダプティブモードが利用可能になりました。トランスペアレンシーモードを利用すると本体のマイクで外音を取り込めるのですが、パーソナライズのおかげで聞こえにくい周波数の音を補正して、周囲の音が聞き取りやすくなるという効果も。
さらに、通話時にノイズを低減する「Clear Voice Technology」の向上、風切り音を避けるためのマイク位置の変更、Bluetooth接続を安定させるアンテナ位置の改良といった改善も盛り込まれています。スマートフォンとPCに同時に接続する、マルチポイント接続に対応。PCで音楽の再生中に着信があった場合、イヤホンから通話に出て終話後にはPCの音楽再生を再開します。
Ear (2)の価格は2万2800円(税込)。国内ではNothing公式サイトとKith Tokyoの他に、MoMA Design Store、二子玉川 蔦屋家電、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ヤマダ電機、ケーズデンキ、eイヤホン、池部楽器店パワーレックの実店舗とオンラインで販売。オンラインではHATCH、NTTぷらら、ひかりTVショッピング、エディオン、上新電機で販売を開始します。
Ear (2) –Nothing (日本)
https://jp.nothing.tech/products/ear-2