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トム・ハンクス主演『オットーという男』監督インタビュー「人生の中盤を超えたあたりで、時間の流れってすごく早くなる」


トム・ハンクス最新作『オットーという男』が、3月10日(金)に全国公開となります。本作で、名優トム・ハンクスが演じるのは、町一番の嫌われ者!オットーは町内イチの嫌われ者でいつもご機嫌斜め。曲がったことが大っ嫌いで、近所を毎日パトロール、ルールを守らない人には説教三昧、挨拶をされても仏頂面、野良猫には八つ当たり、なんとも面倒で近寄りがたい…。そんな彼が人知れず抱えていた孤独とは?

原作はスウェーデン発の世界的ベストセラー小説「幸せなひとりぼっち」。同タイトルで映画化され2017年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。この作品に魅せられたトムが自らプロデューサーも務める。オットーの喜怒哀楽や心の変化を演じたトムの演技には誰もが心を揺さぶられ、<オットーという男>を好きにならずにいられないはず。正反対な家族との日々を通して、もう一度「生きる希望」を見つけていく男の物語を、ユーモアあり、涙ありで描いた感動作。監督と務めたマーク・フォースター監督にインタビューを敢行しました!

――監督はトム・ハンクスさんのことを「名優であり、俳優の代表格」と評されていますが、本作の撮影で最も驚いたこと、トム・ハンクスさんのお芝居が起こしたミラクルはありましたでしょうか。

40年間映画スターであり続けているにも関わらず、彼の仕事に対する情熱が全く変わらないのは、本当にすごいことだし素敵なことだと思います。彼は毎日が初めての現場のような姿勢で過ごしているんですよね。本当に心からこの仕事を愛し楽しんで、だからこそしっかりと集中し、意識して参加している。
僕の喜びでもあったのが、彼の初期にあったコメディ力の才能、そして私たちが見ているドラマの演技力。その両方合わせた才能を彼はこの作品にもたらしてくれた。その両側面を演じていることを近くで見られたのは、本当に感動しました。

――オットーの若い頃を、トム・ハンクスさんの息子であるトルーマン・ハンクスさんが演じていることも驚きましたし、表情、雰囲気がとても素敵でした。もともと俳優ではないトルーマンさんの魅力を活かすためにどの様な演出をしましたか?

役者経験のない人と仕事をすることで大事なのは、居心地がよくて、カメラの前でありながら、落ち着いていられるような環境を用意することなんです。
リラックスしてもらうことで、脚本どおりじゃなくて、遊び心をもって演じていいんだと思ってもらえるし、特に今回はオットーの妻ソーニャを演じたレイチェル・ケラーのような人と一緒だったから、よりリラックスして演じられたと思う。
そういう環境をまず用意することが一番意識したところですね。一旦そこがリラックスできる場だと感じられると、自分自身で考えてできるようになる。そして安心してそのキャラクターに飛び込んでいけると思うんです。トルーマンに監督としてアドバイスをした時、彼はしっかりと耳を傾けてくれて、演出もしっかり受け止めて表現してくれた。僕にとっても素晴らしい経験でした。

――原作「幸せなひとりぼっち」のストーリーの舞台をアメリカに移すことで一番苦労されたこと。キャラクター描写のためにリサーチしたことがあれば教えてください。

まず大変だったのは、舞台を変えることでした。原作はスウェーデンが舞台でしたが、アメリカでは保険などないので、そこを変えなければいけなかったし、原作とは違って隣人のマリソル一家も、ラテン系メキシコ人にしました。
でもアメリカナイズされてはいるけれども、普遍的なシェイクスピアのようなキャラクターで、どんな文化でも、どんな人にでも受け入れてもらえるような人物であればよかったので、そこに関してはそんなに苦労はしませんでした。

――監督ご自身も50代後半ということで、原作「幸せなひとりぼっち」の主人公と近い年齢であると思います。オットーの様に将来に悩んだり、周りの方に助けられたというご経験はありますか?

映画は、みんなで力を合わせて作っていく仕事です。みんなそれぞれに見方も違う、ある意味、監督がその違った視点や背景を一つにしなければいけない、監督の仕事はそんな仕事だと思っているんです。監督だからこそ、一つのしっかりとしたビジョンや、やりたいことを持っていなければいけないし、だからマリソルの夫のトミーのように、周りの人に助けられながら成長していく、映画の現場も同じですね。

どの映画監督もオットー的なところがあると思うんです。自分のやり方があるから、それに追従しろ、みたいな。そして人生の中盤を超えたあたりで、時間の流れって、すごく早くなると思うんです。自分がやりたいことを早くやらなければ、時間がもったいないと焦ってくる。難しいですよね。僕の場合はみんなが楽しめるような、愛してくれるような映画を作ることが幸せなので、今はそういう風に生きていこうと意識はしています。

――猫さんがふわふわで素晴らしかったです!私は猫中毒者の一人なのですが、この猫の名俳優について撮影の様子、現場でどの様に過ごしていたか教えてください。

野良猫役のシュメーグル(オス/7歳ぐらい)は一匹なんです。彼は実際に90%演じてくれて、残りの10%はCGです。プレミアのイベントにも参加してくれて、とってもおりこう。
映像の世界では、動物と子供は大変と言われているんだけど、その通りで、簡単ではなかった。実際にシュメーグルもちゃんと座っていたり、幸せそうに立っていたりと撮影がちゃんとできる時もあれば、突然どっかに歩いて行ってしまうこともあって、そうなるともうそこで撮影はストップしてしまうんですよね。そこまでの素材でしか作業できなくなるので、他の日に撮影するか、グリーンバックで撮影して合成するなど、試行錯誤しました。
でも、めちゃくちゃ才能のある猫で、すごく気質がかわいいんです。もちろんオーディションもやりました。普通はこの猫でいきますって写真を見せられるんですけど、やっぱり合ってみないとわからないからね。通常は五匹とかで挑むんだけど、今回は本当に一匹だったので、かなり信頼しなくてはいけなかったし、本当に見事な仕事をしてくれました、ふわふわと言ってくれていますけど、冒頭では野良猫っぽさを出すためにヘアメイクが入ったんですよ(笑)。

『オットーという男』 (原題: A Man Called Otto)
3月10日(金)全国の映画館で公開 

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