スマートフォンと接続して使用する、サングラスタイプのARデバイス「Nreal Air」。発売当初はAndroidスマートフォンのみに対応していましたが、10月に発売した別売りのアダプター「Nreal Adapter」と組み合わせることで、iOSデバイスやゲーム機との接続に対応しました。実際に試してみましたのでご紹介します。
コンパクトで手軽に使えるARデバイス
Nreal Airは、内側にハーフミラーを搭載し、フレームから下向きに投射する映像を、メガネから見る現実世界に重ねて表示できるARグラス。ミラーリング表示モードでは、最大で仮想空間の4メートル先に130インチの画面を表示できます。光学系は非常にコンパクトで、重量は約79g。通常のサングラスとほとんど変わらない装着感で使えるのが特徴です。
左側のテンプル(つる)にUSB Type-Cポートを搭載し、USB-C端子のDP ALT(Display Port Alternate mode)出力に対応するスマートフォンと付属のUSBケーブルで接続します。USB給電で駆動するため、Nreal Air本体の充電は不要。左右のテンプルにスピーカー、右側のテンプルには画面をON/OFFするボタンと画面の輝度調節ボタンを搭載します。
Nreal AdapterでHDMI接続やiOSデバイス接続に対応
Nreal Adapterは、USB-CとHDMIを変換して接続するアダプター。Nreal Airにはバッテリーを内蔵していませんが、Nreal Adapterは内蔵バッテリーにより動作し、ストリーミング動画再生時の連続稼働時間は最大約3時間。
USBケーブルでNreal Airと接続し、HDMIケーブルでゲーム機などのデバイスと接続します。動作確認できているデバイスは、Xbox Series X|S、PlayStation 5、PlayStation 4 Slim、Nintendo Switch。Switchにつないでみたところ、Nreal Airから見える大画面で快適にゲームがプレイできました。USB-Cポートで画面出力に対応するSwitchですが、この場合ドックを経由してHDMIケーブルでつなぐ必要があるのが少し残念。
iOSデバイスに接続するには、HDMIポートのコネクタを外してApple純正の「Lightning-Digital AVアダプタ」を装着し、iOSデバイスはLightningケーブルで接続する必要があります。Lightning-Digital AVアダプタは、Nreal Adapterとは別売り。
HDMIでの接続やiPhone、iPadへの接続には、事前にNreal AirとNreal Adapterのファームウェアアップデートが必要な点に注意。レビューに使用した貸出機ではファームウェアがアップデート済みだったのですが、ウェブサイトで案内されている手順を確認したところ、ちょっとした手間がかかりそう。導入を検討している人は、あらかじめ使用環境と手順を確認しておくことをおすすめします。
アップデート手順
https://www.nreal.ai/support/activationGlasses/?lang=jp#game[リンク]
Apple Arcadeを大画面でプレイ
iPadを接続して、Appleのゲームサブスクリプションサービス「Apple Arcade」収録タイトルを遊んでみました。
「FANTASIAN」や「Dead Cells+」といった、ゲームコントローラーで快適に遊べるタイトルは、大画面で没入感のあるプレイが楽しめます。ふだんiPhoneでプレイしているのであれば、コンソール機の感覚で遊べるのが新鮮に感じるはず。
「太鼓の達人 Pop Tap Beat」や「Sayonara Wild Hearts」といった画面のタップやフリックで遊ぶタイトルでは、大画面でプレイできる魅力だけでなく、ARグラスという特性がより有効に。VRヘッドセットのように視界をふさがれることなく、手元の操作を確認しながらプレイすることができるのです。
もちろん、ゲームに限らず映像コンテンツも大画面で視聴が可能。いつでもどこでも、サっと取り出して使える“お手軽パーソナルディスプレイ”として活躍します。
フル機能が使えるのはAndroidデバイス
ここまでHDMI接続したデバイスやiOSデバイスでの使い方を紹介してきましたが、これらが利用できるのは接続したデバイス画面のミラーリング機能のみ。フル機能を利用できるのは、DP ALT対応で専用アプリ「Nebula」をインストールしたAndroidスマートフォンです。
Nebulaアプリを起動してスマートフォンを接続すると、ミラーリング機能「Air Casting」に加えて、目の前に浮かんで見えるユーザーインタフェースを操作してYouTubeやブラウザが使える「ARモード(旧称:MRモード)」が利用可能。最大で仮想空間の6メートル先に201インチのスクリーンが表示でき、スマートフォンをリモコン代わりにポインタやウィンドウを操作するなど、より幅広い活用が可能になります。
メガネ型ARデバイス「Nreal Air」レビュー クラウドゲーミングとの相性抜群な“お手軽パーソナルディスプレイ” https://t.co/10DGadK6N5#getnews#ガジェット通信pic.twitter.com/4NY8Y1nvku
—ガジェット通信(公式) (@getnewsfeed) May 15, 2022
ミラーリング機能で十分、という人はよいのですが、せっかくなのでフル機能を使いたいという人は、iOSだけでなくAndroidも使える方がよいかもしれません。ちなみに、仮想空間で3画面のマルチスクリーンが利用できるMacOS用のNebulaアプリをベータ版として配布開始しているのですが、今回は確認できる環境がなく試していません。
Nreal Japan
https://www.nreal.jp/[リンク]
Amazonでの販売価格は執筆時点で、Nreal Air本体が4万5980円(税込)、Nreal Adapterが8980円(税込)。オリジナルラッピングでボックスに入ったクリスマスボックスセットが12月24日までの期間限定で販売されています。