21日放送のラジオ『らじらー!サンデー』(NHKラジオ第1)の中で、乃木坂46 30thシングル『好きというのはロックだぜ!』の通常盤に収録される楽曲『夢を見る筋肉』の音源が初めて公開され、話題を集めた。
謎のバンド楽曲 ツインボーカルの意味
同曲は、「乃木坂軽音部」というグループ内で新たに結成されたユニットによる楽曲で、伊藤理々杏と林瑠奈の2人がボーカル、向井葉月がギター、矢久保美緒がベース、松尾美佑がドラム、和田まあやがキーボードとして特別参加しているという、まさに“バンド楽曲”だ。
そんな中、ファンが注目したのは、伊藤と林のツインボーカル。伊藤は、テレビ朝日公式YouTubeチャンネル『動画、はじめてみました』の中で、アニソン界のアンセムとも言える名曲『only my railgun』をフル尺カバー。その歌唱力が改めて認識され、先日100万回再生を記録した。
林はまた、6月26日、“横浜ぴあアリーナMM”で開催された『乃木坂スター誕生!LIVE』で抜群のライブパフォーマンスを発揮。その才能の片鱗を見せつけた。
つまり今回の楽曲は、同時期に“歌”でスポットライトが当たった2人にさらに光を当てるためのものだったのだろう。また林は高校時代、実際に「軽音部」に所属しボーカルとしてステージに立っていた経験があるという。つまりは“原点”の1つに帰ってきたとも言えるが、そんな林に最近、ファンが驚く出来事があった。それが突然のショートカットだ。
決意のショートカット
それまではどこか幼い顔立ちだった彼女がいきなり短髪にしてボーイッシュな面立ちになったことにファンは沸き立ったようだ。
短髪にした意味は果たして何だったのか? その真相は今まで明確には明らかにされていないようだが、日刊スポーツで連載中のコラム『林瑠奈の負けるな!しょげるな!乗り遅れるな!』では、「自分の唯一性を見つけることって難しい」と、グループ内での存在意義に悩んでいるようにも見える文章を綴っている。その決断には様々な反応があるが、何かを吹っ切るためのような選択でもあるようだ。
芸能界ショートカット伝説
乃木坂の元メンバーでも例えば生駒里奈、橋本奈々未などがショートカットで人気だった。他、芸能界を広く見ても、ショートカットにすることによってイメチェンに成功し、ブレイクにつなげた例も多い。
剛力彩芽は2011年、ドラマの役作りのため、それまでのロングヘアをバッサリ切ったことで一躍脚光を浴びた。それ以来、剛力といえばショートカットというイメージが定着した。ちなみに彼女はオスカープロモーションから独立した後、個人事務所の名前も「ショートカット」にしている。
同じく女優の波瑠も、NTTドコモのCMに出演するにあたり、ショートカットにしたことで業界の目に止まり、オファーされる役柄が一気に広がった。のちに連続テレビ小説『あさが来た』(2015年度下半期)のヒロインの座を得たことはあまりにも有名だ。
他にも広末涼子、本田翼、蒼井優などショートカットで人気のタレントもいるが、林が何かを変えたいと髪を切ったのは、まずは評価するべきではないだろうか。
7月に同グループを卒業した山崎怜奈は、今のような歴史やクイズといったキャラに行きつくまで、中国語を習ってみたり、様々な試行錯誤をしてきたと語っていたことがある。アイドルが自分を見つけるために必死にもがき、苦しむ姿はファンを熱くさせるのではないだろうか?
歌うまキャラの活路
ただ運営に注文をつけるのであれば、今後乃木坂のファンを増やしていくためには、グループ内の番組で楽曲をオンエアして、既存のファンにアピールするのではなく、全く知らない層に届ける必要がある。他の坂道グループも存在し、アイドルマーケットはそこまで広くなく、むしろ縮小化の傾向にある。
そこで例えば伊藤や林は、以前、日向坂46・富田鈴花が挑戦していた『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)のような、歌唱力が活かせる番組に出させるなど、光の当て方を模索するべきではないだろうか。
これはこれで、一家言ある古参ファンが目くじらを立てそうなプランだが、これまでの因習や「乃木坂」のイメージカラーにとらわれず、果敢に挑戦していかなければ、今後10年を乗り切ることはできないだろう。いずれにしても冒頭の『夢を見る筋肉』は、現在行われている『乃木坂46 真夏の全国ツアー』の中ではまだ披露されていない。それがいつになるのか? ファイナル3デイズ、聖地・明治神宮野球場で初めてお目見えなのか? 楽しみに待ちたいところだ。
(執筆者: genkanaketara)