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タイ発の青春ロードムービー『プアン/友だちと呼ばせて』トー・タナポップに聞く「“人に愛されないことを恐れている”主人公に共感」



サンダンス映画祭で絶賛された『プアン/友だちと呼ばせて』が、8月5日(金)より全国順次公開となります。


余命宣告を受けた青年が親友に頼み、元恋人たちを巡る旅に出るノスタルジーが胸を締め付ける青春物語。



アジア各国でタイ映画史上歴代興収 1 位を奪取、世界中からリメイク権を熱望され、日本でも大ヒットを記録した『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のバズ・プーンピリヤ監督が手がけ、彼の才能に心底惚れた、『花様年華』『恋する惑星』の巨匠ウォン・カーウァイが自らプロデュースする本作。主演のトー・タナポップさんにお話を伺いました!



――本作、大変楽しく拝見させていただきました。まずは脚本を読んだ感想を教えてください。


かなりリアルに人生を描いていて、ボスやウードといったキャラクターが実在する様に感じられました。僕自身もそのキャラクターをどうリアルに演じられるかを意識しました。良い脚本だからこそ、しっかりと観客の皆さんに伝えなくてはいけないなと思いました。


――どの様に演じようと意識したのでしょうか。


まずはバーテンダーとしての役作り。実際にカクテルを作る練習をしました。そして、世代によっての演じ分けです。本作では大きく分けて4つの世代を演じていますが、どれもが全く違うキャラクターだったので、よく準備をしました。ただ、異なる演じ方をすれば良いのではなくて、成長を見せなくてはいけません。目つきも違う、言葉遣いも違う、考え方も違うので難しかったです。


――演じたボスに共感出来る部分、似ている部分はありますか?


ボスと似ている部分というのはほとんど無かったんですよね。僕にはあの様な家族もいませんし。でも、ボスの「人に愛されないことを恐れている」という部分には共感しました。実際の僕はあまり自分に自信が無いんです。演技する時だけは自信を持てるのですが、人が恐いなと思う瞬間があります。


――アイスさんとの共演について印象に残っていることを教えてください。


アイスさんとの初対面は随分前だったんです。3年前までモデルの先輩後輩として親しくしていました。その後、モデルと俳優として別々の仕事をしていましたが、今回久しぶりの共演となりました。以前の様にまた仲良くなれるかな?という気持ちもあったのですが、僕の時間は凍ったまま(=変わらない)だったのだなと思いました。昔と全く変わらなかったんです。撮影は2年前に終わったのですが、今でも連絡をとりあって、相談をしています。



――バズ監督、ウォン・カーウァイさんとのお仕事でどんな学びがありましたか?


お二人とも素晴らしい監督で、作品によって自分の存在意義を証明しているという点で、もともと尊敬していました。実際に本作の映画作りでご一緒して、バズ監督の映画に対するパッションがものすごくて、リスペクトの気持ちはさらに大きくなっていきました。ものすごく信用していますし、大好きです。


ウォン・カーウァイさんとはコロナ禍ということで残念ながら実際にお会いすることが出来なかったのですが、離れていてもたくさんの学びがありました。バズ監督がとあるシーンを撮影して、ウォン・カーウァイさんに見せた時にやり直しを指示されたんです。でも、監督も僕もそのシーンが気に入っていたので、「どうしてだろう」と内心思いながら撮り直しをしました。でも、完成した作品で撮り直しのシーンが使われていて、最初のシーンよりもグッとよくなっていたんです。ウォン・カーウァイさんは的確なビジョンで、さらに良い映画に導いてくれました。



――本作は新しいロードムービーの傑作として、多くの観客に愛されると思います。ちなみに、アイスさんがお好きなロードムービーはありますか?


ロードムービーではなくて、バディ映画なのですが、『シャーロック・ホームズ』(2010)が好きです。ロバート・ダウニーJr.とジュード・ロウの二人によるやりとりが、小説よりもバディ感が出ていると思います。この映画でもぜひ、ボスとウードの旅を楽しんでいただきたいです。


――今日は素敵なお話をどうもありがとうございました!



【ストーリー】NYでバーを経営するボスのもとに、タイで暮らすウードから数年ぶりに電話が入る。白血病で余命宣告を受けたので、最期の頼みを聞いてほしいというのだ。タイに駆けつけたボスが頼まれたのは、元恋人たちを訪ねる旅の運転手。カーステレオから流れる思い出の曲が、二人がまだ親友だった頃の記憶を呼びさます。忘れられなかった恋への心残りに決着をつけたウードを、ボスがオリジナルカクテルで祝い、旅を仕上げるはずだった。だが、ウードがボスの過去も未来も書き換える〈ある秘密〉を打ち明ける──。



監督:バズ・プーンピリヤ『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』 製作総指揮:ウォン・カーウァイ『花様年華』『恋する惑星』

脚本:バズ・プーンピリヤ、ノタポン・ブンプラコープ、ブァンソイ・アックソーンサワーン

出演:トー・タナポップ アイス・ナッタラット プローイ・ホーワン ヌン・シラパン ヴィオーレット・ウォーティア AND オークベープ・チュティモン

原題:One For The Road/タイ/2021 年/カラー/シネスコ/5.1ch デジタル/129 分/字幕翻訳:アンゼたかし/監修:高杉美和

配給:ギャガ ©2021 Jet Tone Contents Inc. All Rights Reserved.


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