どうも、グルメライターの丸野裕行です。
盆地の京都というのは、夏になると蒸し暑いわ、日差しは強いわ、地面の照り返しで熱がムンムン! そんなときには喉が渇いて仕方がない! 喉が渇けば自然とビールが欲しくなるというもので……! ビールジョッキをグイっとひと口呷(あお)れば、カラッカラになった喉に強烈な炭酸の刺激が! くうぅぅぅぅ~! 旨すぎる!
という記事を書きながら無性に酒が飲みくなってきましたが、そこは我慢の子! はてさて、京都という街には大阪や東京のように真っ昼間から酒が飲める店をあまり見かけません。
しかし、見た感じいかにも酒飲みのオヤジかなんかを尾行してみると、いい雰囲気のお店に吸い込まれていくんですね。今回は、京都で最高の「昼前呑み」ができるオトナの隠れ家を4軒ご紹介したいと思います。
中京区錦市場内 『肉のひろ重 錦市場本店』
朝10時過ぎ、いつもの錦市場をぶらついていると、やってくるお客さんのために商品の仕込みや陳列で錦のお店は忙しそうにしています。そんな姿を横目に見ながら、ふっと目をやるとなんと10時から酒が呑めるお店があるじゃないですか! お店の名前は『肉のひろ重』。なんだかじゃりン子チエでも出てきそうな店構えです。
威勢のいい女将さんが仕込みを終えて、笑顔で出迎えてくれるんだから入らないわけにはいかない。カウンター越しにあるのはよく煮込まれたもつ煮。この誘惑は反則です! そこで注文したのは、《生ビール》と《もつ煮》。
まずは生ビールから……朝の喉に染み渡る麦の風味とシュワシュワの喉越し。ほぉ~、もう最高! もつ煮はというと、赤味噌でしっかりと炊かれた、お店の看板メニュー。トロっとした食感で、もつ本来の旨味が十二分に出ています。里芋がいいアクセントになってますね。こいつは朝から旨い! 最高の朝ですよ!
店名:『肉のひろ重 錦市場本店』
住所:京都市中京区中魚屋町486-1
TEL:075-256-2277
営業時間:10:00~17:30
定休日:不定休
伏見区淀際目町 『呑竜 際目店』
京滋バイパス久御山淀インターチェンジあたりは、なかなか食べるものがない。友人に運転してもらっているものだから、一杯ひっかけたくなるわけですよ、真っ昼間から。時刻は11時。30分までにはお店に入ってビールを飲みたい。
そこにこのお店がありました。古い老舗の雰囲気を湛えた渋い町中華『呑竜 際目店』。いやぁシブいなぁ~。常連さんしか訪れないような空気感がいい。息を殺して客を待つっていう味の殺し屋のようです。
とりあえず瓶ビールを所望。続いて店主のお母さんに、《餃子》と《酢豚》、《八宝菜》を注文します。冷えたビールをグイっとやって、目の前の友人は漫画の週刊誌に夢中。これですよ、これ。これが町中華なんですよ。1冊2冊なくなって歯抜けになったキャプテンとか美味しんぼが並んでいればもう最高。
早速酢豚と八宝菜がやってきましたが結構なボリュームじゃないですか。この量でこの値段は安い。野菜がたっぷりと入ったあんを頬張れば、ごま油の香りがほんのり。酢豚はこれぞ酢豚という塩梅で最高です。そして餃子……酢こしょうでひと口。うん旨い。豚ミンチがぎっしりと詰まっていて、ひとつ口中へ。それから続けざまにビール……至福の時間です。
店名:『呑竜 際目店』
住所:京都市伏見区淀際目町235-18
TEL:075-631-8680
営業時間:11:30~14:00/17:00~20:00
定休日:木曜日
中京区蛸薬師通烏丸西入 『京菜味のむら 烏丸本店』
朝7時からオープンしているのがこのお店『京菜味のむら 烏丸本店』。京都の本格的なおばんざいを味わえるというお店なんですが、食券を買い、《ちょい呑みセット》を選びます。
珍しくケースの中からおばんざいを選ぶというシステムで、ケース内は冷たい料理と温かい料理があり、自分好みのものを選ぶことができます。やっぱりここでは、冷酒でしょう! アルコールが朝からいただけるなんて、まさにファミレス状態! それで本格的なおばんざいを味わえるんだから、こりゃ奇跡です!
まずは、選んだ煮びたしと切り干し大根、鶏肉が入った大根煮、鳴門金時、野菜入り春雨煮、白和えで一献。中庭を眺めながらの日本酒はまさに幸せの時間。京都を思いきり感じながら、日本酒を3本いただきました。
店名:『京菜味のむら 烏丸本店』
住所:京都市中京区蛸薬師通烏丸西入橋弁慶町224
TEL:075-257-7647
営業時間:7:00~15:00(L.O)※食材切れの場合は営業時間より早く閉店
定休日:なし※年末年始はお問合せ下さい
下京区朱雀 『割烹マキノ』
京都中央卸売市場関連11号の渋い建物の1階にこのお店『割烹マキノ』があります。といっても、市場で働く人々のお腹を満たすことをコンセプトにしているので、昼には閉店してしまいます。
ここで食すべきは、新鮮な魚! 野菜を中心にセリを行う京都中央卸売市場なのですが、やっぱり魚が食べたくなる市場人のために上質の魚を仕入れているようです。朝8時。とりあえずビールと《中トロ》をいただきます。口に入れただけで、脂が舌の上で溶けていく……。続けてビールをぐびり。
こりゃヤバいですね。それから「京都といえばこれ!」と言える、これからが季節の《鱧落とし》。優しい酸味の梅肉につけていただきます。湯引き具合がよく旨い。ひと噛みすれば、ほろほろとほどける。すごくいい。そしてジャンクなおつまみの覇者《イカリング揚げ》をいただきます。こっちは油がよくしみ込んでいて、いやぁガキ大将な味です。
ビールを4杯平らげて、ほろ酔い気分で帰りましたとさ。
店名:『割烹マキノ』
住所:京都市下京区朱雀分木町80
TEL:075-312-7924
営業時間:[月~土]7:00~12:00
定休日:日曜定休(第2・第4水曜※要確認)
これからも昼前から呑める京都の名店をご紹介していきたいと思います!
(執筆者: 丸野裕行)