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夏の風物詩「祇園祭り」復活!厄除けに売られる粽(ちまき)の由来とは?


どうも京都在住ライターの丸野裕行です。

コンコンチキチンコンチキチン―。
京都の夏の風物詩である祇園祭が3年ぶりに復活することになりました。今、四条河原町~四条烏丸の中心部のオフィスで仕事をしているのですが、この季節を盛り上げる京の音色が街中に響き渡っています。やっぱり京都はこうでないと!

通りのすべてに山鉾が建ち並び、長刀鉾の上にはお稚児さん、老若男女の男衆女衆が嬉々とした顔つきで祇園祭を仕切っていきます。やはり京都らしいこのお祭りは、あばれ太鼓のように街中を駆け回ったり、神輿をぶつけ合うような地方の祭りとは違い、厳かで品がありますね。

山鉾の下では、様々なものが売られているわけですが、そこで地元民や観光客がこぞって買い求めるのが祇園祭の名物のひとつである《粽(ちまき)》。

なんで粽(ちまき)なの?

粽(ちまき)といえば、5月のこどもの日を思い浮かべてしまうのですが、祇園祭の粽(ちまき)は食べ物ではなく、笹の葉で作られた災難や厄病除けのお守りになります。持ち帰って玄関先に吊るして、祈願するわけですね。
毎年7月に行われる祇園祭の期間にだけ、八坂神社やそれぞれの山鉾のお会所などで販売されて、多くの人が買い求めて次の年まで一年の間玄関先に飾っておくわけです。京都の街をそぞろ歩いてみると、民家の玄関に必ずと言っていいほど飾られています。

しかし、京都在住でありながら、そのいわれを知らない筆者は常に疑問に思っていたので、今回は祇園祭名物の粽(ちまき)について調べてみました。

京都人に愛される粽(ちまき)の意味とは?

このちまきというものは、八坂神社の主祭神・牛頭天王(※諸説あります)に由来しているそうで、大昔旅人になりすました牛頭天王が「蘇民将来」という男の家を訪ね、一宿願いました。蘇民将来は非常に貧しかったのですが、そのお人よしさから様々な施しをしました。そんな心遣いをうれしく思った牛頭天王は、礼として蘇民の家系を末代まで護ることを誓い、その目印として茅の輪を腰につけることを約束させたわけです。

そのお陰で後に疫病が流行った際も、蘇民の一族は 生き残り繁栄した……ということです。

この茅の輪は護符となり、茅を巻いたものであることから粽(ちまき)と呼ばれるようになりました。これが今の厄除けのお守りとして売られるようになったわけです。

そこには、護符として「蘇民将来子孫也」という文字が書かれているというわけなんですね。その意味は「この家は、蘇民将来の子孫の家です。もちろん住んでいるのも子孫です。ですから、災いや病から護ってやってください」という願いが込められているということなんです。元来、疫病を鎮めるための祇園祭のルーツというのは、この粽(ちまき)にある(※諸説あります)ということです。

粽(ちまき)に込められた様々な由来

宵山の祇園祭を訪れた人々に授けられる粽(ちまき)ですが、浴衣姿の大勢の子供たちが歌う粽(ちまき)売りのわらべ歌が開催されている期間、街中で聞こえてきます。

「……お守りはこれより出ます。常は出ません、今晩かぎり。ご信心の御方(おん)さまは、受けてお帰りなされましょう。ろうそく一丁、献じられましょう」

各山鉾の会所で販売されている粽(ちまき)ですが、それぞれのいわれがあります。可愛らしい花がついていたり、絵馬や飾りがついていたり、シンプルに熨斗紙でぐるっとくるまれていたり……実に様々です。

山鉾の会所で販売されている粽(ちまき)には、厄除けだけではなく、いろいろな由来があり、それぞれご利益が違います。

例えば……
鈴鹿山は《安産と盗難除け》、八幡山は《子供の健康や夫婦円満、夜泣き封じ》、鯉山は《立身出世や家内安全、開運》、霰天神山は《火災除け、雷除け》、四条傘鉾は《招福厄除》、大船鉾は《安産祈願》、布袋山《子孫繁栄、壽福増長》などなど……
みなさん、悩みはどれかの粽(ちまき)に当てはまると思うので、しっかりと調べて買い求めたほうがいいと思います。

昔は粽投げ(ちまきなげ)という風習があった!

50代以上の人によく知られているのが、《粽投げ》という風習です。1800年代以前から町衆から長く親しまれてきた、この風習。山鉾の上から数千本という粽(ちまき)が撒かれて、大君の人々が芋の子を洗うようにひしめき合っていたそうです。

しかし昭和51年、観光客が急増した中で、粽(ちまき)が当たり、ケガ人が出たそうです。それからは投げる場所や本数の制限などで改善はなされましたが、再びケガ人が出たことを受けて、全面的に禁止になってしまったそうです。非常に残念ですね。

コロナも一段落したこの夏の京都。あなたも観光がてら祇園祭を訪れて、風光明媚な京都の街を楽しんでみてはいかがでしょうか? もちろん粽を授かることもお忘れなく。

(C)写真AC

(執筆者: 丸野裕行)

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