立川志らくが、15日放送の『笑点』(日本テレビ系)に初めて出演したことが話題となっている。なぜなら彼は、これまで笑点を批判してきた中心人物だったからだ。
「落語のイメージを悪い方に固定した犯人は笑点だ」と、自身の本などで繰り返し訴えてきた志らく。今回改めて番組がインタビューすると、「“落語=笑点”というイメージが私の中ではイヤで、落語を語ってこそ落語家だと思っていた。大喜利をやるのが落語家だって思われるのがイヤだった」と、とにかく毛嫌いしていたと答えた。
ただし、先の自著を出版したある日、三遊亭円楽を含む笑点メンバーと新幹線でばったり出くわしたという志らく。他のメンバーが口を利いてくれない中、円楽だけが「今日、美味しい“あんパン”を買ってきた」と語りつつ、志らくにも「お前も食うかい?」と気さくに声を掛けてくれたことに「涙が出るほど嬉しかった」と語った。そんな恩を感じていたところに番組から、かねてから脳梗塞でリハビリしている円楽の代打として出演オファーされたため、快く引き受けたと話していた。
そんなエピソードに対して春風亭昇太は、「円楽師匠のあんパンでオファーを受けてくれた。よっぽどお腹がすいていたんでしょう」とチクリと刺しながらも、志らくを迎え入れ、いよいよこの日の“大喜利”がスタート。
1問目は、15日がまさに放送開始56年の記念日ということで「5」と「6」の数字を織り込んだショートストーリーを作ってもらうという問題。これに志らくは「幽霊も大変だな……五十肩(5)の、ろくろ(6)っ首」と答えたものの、春風亭昇太からは座布団がもらえず、「座布団くれないんですか? 私に」と不満。昇太から「徐々に」と言われると、「徐々に? せっかく出て来たんだから、1枚ぐらいサービスで」とせがんだが、ゲットならず。
この後、三遊亭小遊三が「橋幸夫“メキシカン・ロック(6)”。♪~ゴーゴーゴーゴー(5)」と答えるも、客席の反応はイマイチ。昇太が「今日のお客さん、若い人たちだからね。多分テレビの向こう側で笑ってる人たちはたくさんいらっしゃると思います」とフォロー。
すると志らくは「若い人にもっといいやつ」と切り出し、「軍人で、山本といえば五十六(5、6)」と、連合艦隊司令長官として真珠湾攻撃作戦を指揮した山本五十六の名を挙げた。続けて「ご年配の方ひっくり返ってウケてますよ。座布団よこしなさいよ!」と訴えると、昇太も根負けして「うるさいから1枚あげて、もう!」と“許可”。見事、自身初の座布団をゲットし、前回までの代役・桂米助(ヨネスケ)が獲得していた座布団に新たに追加された。
そんな志らくは、さらなる答えとして「昇太さんです。50代(5)で結婚。60代(6)で離婚」と痛烈。これに昇太は「山田さん! 2枚持ってって! 50代だってギリギリだったんだよ」と自虐をまじえてツッコミ。
最後の3問目は、立川談志さんが書いていた日記を出版した『談志の日記1953 17歳の青春』(株式会社dZERO)にちなんだ問題。まずメンバーは誰が書いた日記かを言って、その架空の冒頭部分を読むというもの。昇太が「それで?」と聞くので、続きを言ってもらう。
これに真っ先に手を挙げたのが志らく。「春風亭昇太さんの日記です」「はい」「今日も“笑点”の収録があった」「それで?」「何だよ、日記も滑舌悪ぃな」……。志らくの言いがかりに昇太も「おい。うるさいわ! 日記が滑舌悪いってどういうことなんだよ!」とクレーム。志らくが「その“滑舌”が言えてないのよ」とやり返すと、昇太は「うるさい。山田さん、1枚持ってって!」とさ叫んでいた。
エンディングで、初めての笑点出演の感想を求められた志らくは「来週も出演をさせていただきます。まだ恩返しし足りないし、ディスりも足りないから、もうちょっと」と、宣言。これに昇太は「何でディスるために残って行くんだよ」と笑っていたが、次週22日も楽しみにしたい。
(執筆者: genkanaketara)