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映画『ウェディング・ハイ』高橋克実インタビュー「結婚式にはどの人にも“ハイ”があるんだなと思います」


映画『ウェディング・ハイ』が3月12日より公開となります。

結婚式を舞台に繰り広げられる、本作は、芸⼈、タレントとしても活躍するほか、向⽥邦⼦ 賞やギャラクシー賞を受賞するなど、脚本家としてもその才能を発揮する笑いの⻤才・バカリズムが⼿掛けた完全オリジナルストーリー。主 ⼈公のウェディングプランナー役を演じる篠原涼⼦をはじめ、中村倫也、関⽔渚、岩⽥剛典、向井理、⾼橋克実などオールスターキャスト が集結、抱腹絶倒の波を巻き起こす! 監督は『勝⼿にふるえてろ』『私をくいとめて』で数々の賞を受賞し、映画ファンから絶⼤な⽀持を 集める⼤九明⼦さんが務めます。

本作で、中村倫也さん演じる新郎の上司・財津を演じているのが高橋克実さん。元来真⾯⽬な性格の財津が魂を注ぎ込んだスピーチは、会場に爆笑を⽣み出すことが出来るのか・・・?という見どころ満載のシーンとなっています。

高橋さんに本作について、ご自身が参加した結婚式の思い出ついてなど、お話を伺いました。

――映画を拝見しまして、本当に面白かったです。高橋さんのシーンで笑いが会場にあふれておりました。

本当ですか! いや、自分のところはどうしても、自分ではあんまり笑えないというか、「もう少しこうすればよかった」と思ってしまうんですよね。でも、そう言っていただけて安心しました。

――私も笑ってしまいました。本作の脚本を読んだときは、どう思われましたか?

僕が演じた財津という男は「これからどうしよう」と追い込まれていて、それを打開しようとする切実さがすごい。生きていることに対しての必死さを感じました。そこには、すごく共感するものがあって。でも、財津ほどではなくても、人に乞われるというか、頼りにされるのは、どんな方でもテンションが上がると思うんです。スピーチ作りの為に、あそこまで勤勉にやるかというところはありますけど(笑)。入り込むと、そうなるタチなんでしょう。

――高橋さんご自身はスピーチをやったことはありますか?

あります。僕は乾杯の挨拶だったのですが、どうしても笑いは欲しいですから、考えました。その人との自分の関係性を話にうまく落とし込もうと。本を買ったりネットで調べて読むわけですよね。そうするとほとんど、「長いのはダメ。3分以内」って書いてありました。やっぱり長いのは嫌がられますよね(笑)。

――本作の中だと、なかなか長いスピーチになっていますものね(笑)。司会もされたことがあるんですか?

八嶋(智人)くんの結婚式で司会をしました。もう20年前くらいになるんじゃないですか。ずいぶん前ですよ。

――『トリビアの泉』コンビ、すごいですね!俳優さんの結婚式って、面白そうです。

でも、当事者側からすると、普段と変わらないメンバーだなぁ、場所が居酒屋から綺麗な場所になっただけだよなあ、という感じです。「なんだこれ、身内のオチじゃないか」みたいな(笑)。

結婚式のスピーチというのは独特の世界ですが、舞台のセリフも、気持ちが動いていれば相手にきちんとその気持ちを渡せるんです。本作の中でも、とある人物が強烈に印象的なスピーチをしますが、やはり気持ちがこもっているから素晴らしい。僕個人は話が本当に長くなってしまうので、その辺は気をつけないと、といつも思っています。

――確かに短くするのが、いちばん難しいですよね。

難しいですよ!だから、やっぱり本を書いたり、脚本を書く才能がある方はすごい。この映画はバカリズムさんの脚本ですが、見事だなあと。

――バカリズムさんの脚本は、高橋さんも凄いなと思われるのですね。

もちろんです。以前、「世にも奇妙な物語」の中で、バカリズムさんが原作・脚本を手がけ、出演もした『来世不動産』という作品でご一緒したことがあります。その時も怒涛の展開に驚かされました。この映画もバカリズムさんの脚本をガーっと勢いよく撮影したので、舞台の様な緊張感がありました。楽しかったですね。

――本作については言えないことが多いのですが、本当に驚く様なシーンが多いですよね。

本当に人数が多いですよね(笑)。披露宴という性質上、ずっとあの人数で撮影しないといけないから。

――今回本当に豪華なキャスト陣が集結されていましたけど、元々交流のある方はいらっしゃいましたか?

(中村)倫也くんとか、(皆川)猿時くんとか、六角(精児)くんとか。控室ではずーっと六角くんが喋っていました。「ミュージカルのオーディションに行ってさー」って「なに言ってるんだ、お前」と思ってたら、本当に『レ・ミゼラブル』に出ていたんですよね(笑)。おかげさまで待ち時間も飽きませんでした。

――大九監督の演出はいかがでしたか?

とても分かりやすくて丁寧でした。元お笑い芸人さんだと知ってビックリしたんですが、だから芸人愛もすごいんですね。「空気階段」も出ているし、僕が演じた財津がお笑いを勉強しに行くシーンではヒコロヒーさんが出ていたりして。それと、撮影場所が「シアタートップス」という劇場だったんですが、僕らが20代の頃に芝居をやっていた小屋だったんです。だから、その楽屋で待っているときに、本当に懐かしくてヤバいくらいでしたね。何も変わっていなくてね。

――素敵な撮影の思い出ですね。それこそ、空気階段さんとか、ヒコロヒーさんも出てますが、高橋さんが注目されているお笑い芸人さんいらっしゃいますか?

今は「錦鯉」をよく見ています。M-1グランプリの翌日たまたまご一緒して、動画を撮ってもらいました。「こんにちはー!」って。流石に僕の頭は叩いてくれなかったけど。娘が「こんにちはー!」「こんばんはだろ!」っていうのを、家でよくやっているんですよ。

――お嬢さんも真似されているの、可愛いですね。

お笑いは大事ですよね。笑うだけでさっきまで喧嘩してたり揉めてたことが一瞬でなくなります。

――それこそ高橋さんは、お嬢さんの結婚式となったら余興とかやられるんでしょうか?それとも結婚はショックですかね?

昔、結婚式の密着ドキュメンタリーのナレーションをやったことがあるのですが、娘を嫁に出したくないお父さんが、もう泥酔しちゃって。花束贈呈の時に「渡さない!」って言って。で、最後は親戚に外に出されてしまうんです(笑)。当時は笑ってみていましたが、今は気持ちがわかりますね。うちはまだ隣で寝てくれるくらい小さいですが、いずれ大きくなって、ここまで育ててきた子を…と思い始めたら、きっと耐えられないよなって(笑)。とはいえ、いつまでも親父のところにピッタリくっついてたらだめですから、この映画みたいにしっかり幸せに送り出してあげないと。

――本当にそうですね。

花束贈呈の時とかに、今までの娘との思い出が走馬灯の様に蘇ってくるんでしょうね。だから、結婚式には色々な「ハイ」があるんだなと思います。ウェディング・ハイの「ハイ」ですね。スピーチする側だけじゃなくて、どの人にも「ハイ」があるんだなと思います。……これ、うまくまとまりましたか?(笑)

――すごく素敵です! 今日は楽しいお話を本当にありがとうございました!

撮影:オサダコウジ

(C)2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

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