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「“初めて”○○風という演出をしなかった」 ギレルモ・デル・トロ監督、最新作では新境地に挑戦?



現代最高峰の異才監督ギレルモ・デル・トロが、作品賞・監督賞を含むアカデミー賞4部門を受賞した前作『シェイプ・オブ・ウォーター』に続き、再びサーチライト・ピクチャーズとタッグを組んだ最新作『ナイトメア・アリー』が3月25日(金)より全国公開となります。


デル・トロ監督が映画化に挑んだのは、1946年に出版され、ノワール小説の伝説的傑作といわれる「ナイトメア・アリー 悪夢小路」。 1947年にはエドマンド・グールディング監督、タイロン・パワー主演によって映画化(『悪魔の往く町』)されるなど、今も名作として語り継がれる題材を、アカデミー賞を席巻した前作『シェイプ・オブ・ウォーター』で極めた、誰も真似のできないデル・トロ監督独自の世界観と豪華極まりない映像で観るものを誘う、全世界待望のサスペンス・スリラー大作として完成させました。先日発表された第94回アカデミー賞では作品賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞と主要を含む4部門にて堂々とノミネートを果たし、今後の賞レースの行方にも注目が高まっています。



美しくも残酷な世界観でファンからも愛され、アカデミー賞でも高く評価されたギレルモ・デル・トロ監督が「“初めて”○○風という演出をしなかった」と新境地に挑んだことを明かしている本作。そんな最新作の魅力とともに、デル・トロの世界観を再確認すべく歴代作品をまとめてご紹介します。


ギレルモ・デル・トロ作品といえば、美しく、残酷で、少しダークファンタジー要素を感じられる独特な世界観が魅力のひとつ。映画ファンからも人気の高い『パンズ・ラビリンス』ではアカデミー賞の脚本賞にノミネートされ、日本でも大ヒットした『シェイプ・オブ・ウォーター』ではアカデミー賞監督賞を受賞するなど、高い評価を受けてきたデル・トロ監督ですが、新たに公開される最新作はデル・トロらしさも残しつつも、ハードボイルドな犯罪劇で、衝撃の裏切りや容赦のない展開が次々と巻き起こっていくことから“デル・トロ作品の中で最もエッジのある作品”とも評されています。


デル・トロは製作を振り返って「今回は魔法のような雰囲気はありますが、初めて○○風という演出をしなかった映画でした。誰もが身近に感じる現実感の中に設定されています」とリアリティに重きを置き、新境地に挑戦したことをコメント。続けて「古典的な物語を、生き生きとした今どきの物語にしたかった。観ているお客さんに今の現実の世界に当てはまる話だと感じて欲しかったのです」と、1946年に出版された小説を現代にも届くように意識して製作したことを明かしています。


これまでのデル・トロ作品とは一味違う本作だが、すでに開催中の試写会では「デル・トロらしいリッチで甘美な映像を堪能しつつ、新たな境地を観ることができる」、「デル・トロ映画としては新鮮なタッチなのに、デル・トロらしさも満載!」、「デル・トロ監督の素晴らしさを再確認できる作品」と絶賛の感想も相次いでいます。



合わせて観たい、デル・トロ監督の過去作品


◆『パンズ・ラビリンス』(07)

舞台は、1944年フランコ独裁政権下のスペイン。内戦で優しかった父が死に、母が再婚した冷酷で残忍な義父から逃れたいと願う少女オフェリアは、昆虫に姿を変えた妖精に導かれ、謎めいた迷宮へと足を踏み入れる。すると迷宮の守護神パンが現われ、オフェリアこそが魔法の王国のプリンセスに違いないと告げ、オフェリアに王国に帰るための3つの危険な試練を与えるが…。第79回アカデミー賞では撮影賞、美術賞、メイクアップ賞を受賞し、デル・トロ監督は脚本賞でノミネート。イマジネーションあふれる壮大な視覚技術を駆使して生まれたクリーチャーや深く考察されたテーマに根ざした巧みな演出が衝撃的なダークファンタジーに熱狂的なファンも多し!


◆『パシフィック・リム』(13)

2013年8月11日、太平洋の深海の裂け目から超高層ビル並の巨体をもった怪物が突如出現し、サンフランシスコ湾を襲撃。わずか6日間で3つの都市を壊滅した「KAIJU」と名付けられたその怪物に立ち向かうため、人類は英知を結集して人型巨大兵器「イェーガー」を開発し、KAIJUとの戦いに乗り出す。それから10年が過ぎ、人類とKAIJUの戦いは続いていたが、かつてKAIJUにより兄を亡くし、失意のどん底にいたイェーガーのパイロット、ローリーは再び立ち上がることを決意するが…。日本からも菊地凛子、芦田愛菜が参戦し、世界的大ヒットに!デル・トロの名を世に知らしめるきっかけとなった作品でもあります。


◆『クリムゾン・ピーク』(16)

10歳の時に死んだはずの母親を目撃して以来、幽霊を見るようになった女性イーディス。父親の謎の死をきっかけに恋人トーマスと結婚することになった彼女は、トーマスや彼の姉ルシールと一緒に屋敷で暮らしはじめる。その屋敷は、冬になると地表の赤粘土が雪を赤く染めることから「クリムゾン・ピーク」と呼ばれる山頂にあった。ある日、イーディスの前に深紅の亡霊が現われ、「クリムゾン・ピークに気をつけろ」と警告する。ミア・ワシコウスカ、ジェシカ・チャステイン、トム・ヒドルストンと豪華キャストが揃ったほか、画面の随所にはデル・トロらしいダークファンタジー、ゴシック・ロマンスな要素がふんだんに散りばめられ、衣装や美術でも高く評価された作品です。


◆『シェイプ・オブ・ウォーター』(18)

1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く、口のきけない孤独な女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという“彼”にすっかり心を奪われ、こっそり会いに行くように。幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。そんな矢先、イライザは“彼”が実験の犠牲になることを知る…。第74回ベネチア国際映画祭では金獅子賞、第90回アカデミー賞では同年最多の全13部門にノミネートされ、作品、監督、美術、音楽の4部門を受賞し、日本でも熱狂を巻き起こしたギレルモ・デル・トロ渾身の作品!


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