どうも、特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。
一般社会には多くの仕事が存在しているわけですが、たくさんの人に広く知られる仕事もあれば、「えっ! そんな仕事あったの?」というまったく知らない、馴染みのない仕事があるわけですね。仕事があることすら全然知らなかったということも数多くあります。
今回は、一般人が知る由もない一風変わった仕事を7つご紹介したいと思います。
リクナビやマイナビ、エン・ジャパンといった日の当たる大手求人情報には決して掲載されることのない“裏”職業の数々……ぜひご覧ください。
(1)犯罪現場の清掃人
最初にご紹介する仕事は、《犯罪現場の清掃員》です。
世の中から犯罪は決してなくなりません。そんな中には人が命を落とすような凶悪犯罪も存在します。そんな犯罪が起こってしまった現場では、清掃をする必要が出てきます。
刺されたくらいの現場であれば、その場の血を洗い流せば済みますが、無残な状態の遺体──全身がバラバラになっているような現場ではそうもいきません。
死体偏好者などであれば苦にもならないでしょうが、大部分の人にとっての遺体処理作業、ましてや腐乱臭が立ち昇る遺体や白骨遺体などの処理ともなると、精神的な重苦は非常に大きいわけです。
また、電車への飛び込み自殺の処理などは、駅係員や警察、葬儀屋さんが行うとされていますが、外部からの“清掃人”が駆り出されることもあるのです。
専業の清掃人である彼ら、給与でいうと月で30万~60万円程度となっているようです。しかし先にも述べたように非常につらいこの仕事、この程度いただいてもバチは当たらないでしょう。
(2)ヒヨコ鑑定士
ヒヨコ鑑定士の仕事は、「ヒヨコの雄雌を判別して分ける」こと。
「そんなもの簡単な仕事で楽だろう」と思うなかれ、一瞬で雄か雌かを判断するだけでなく、その精度はとてつもなく高いのです。
一度のミスも許されない完璧な業務をこなすため、目の疲れや、集中力が切れないようにするための工夫と努力も要求されます。そういった努力が生み出す判別精度は、実に99.8%。
ヒヨコ鑑定士というのは、《初生雛鑑別師》といわれ、国内に1ヵ所の養成所しかありません。
ですから、「ヒヨコ鑑定士」を目指したいと思ったとしても、この職業にはなかなか就けないわけです。しかしこの職業、高年収ということで知られていて、平均月収で約30万円から40万円。年収にして、500万円から600万円にもなります。
ヒヨコ鑑定士の養成所に入所するには年齢制限があり、25歳以下で高卒の資格が必要です。さらに、1.0以上の視力、事細かな身体検査もあり、ハードルは高め。受験料も113万円+諸経費もかかるので、それなりの資金がいるわけですね。
(3)人工授精用の雄牛精液の採取
雄牛には人工授精のために精液採取が行われます。これもあまり知られていない稀なお仕事です。
例年、1月から3月に精液を採取(通称・採精)を行うのですが、そこまで簡単にいかないのが実情。人間と一緒で気分次第も関係があるということなんでしょうか?
私たちが日常で食べる肉は、このような職種の方々の仕事で頭数を増やし、おいしくいただけるわけです。
そう考えると、我々の食生活の基盤に即した、かなり大切な仕事だといえますね。
(4)LEGOブロック投資家
「LEGO投資」はその名の通り、LEGOブロックに投資して儲ける投資家のことになります。
LEGOブロック自体は馴染みの方が多いでしょうが、その投資家というとどんなものなのかわからないと思います。
LEGO投資家は、限定のLEGO商品を購入して、価格が上昇したときに高く売る取引をする人たち。
例でいえば、カリスマ的な映画に出てくるあの乗り物や人物がLEGOブロックで再現された商品を買い求めておき、機を見てそれを販売します。当時、元手8万円で購入したものが数十倍になる、なんてこともザラなのです。
コレクターとして寝かせつつも、価値の上昇、商品のニーズを見極めて高額で販売する──それがLEGO投資の本質です。これは今注目されているロレックス投資にも通じるものだと思います。
(5)アダルトグッズテスター
アダルトグッズテスターは、コンドームやアダルトグッズの使用感をレポートするお仕事です。
世に出すすべての商品は、必ず試しながら開発が行われ、販売に至ります。これはコンドームやアダルトグッズも例外ではなく、実際の使用感をもとに是か非か判断が行われています。
世の中的にオープンなイメージになりつつはありますが、それでもアダルトグッズは秘めたるイメージの商品。なので大々的に募集は行われていませんが、テスターのお仕事をしている人はいます。
販売前、さらに商品品質を向上させるため、実際の使用感など感想をまとめ、必要に応じて各企業の担当者・開発者と事細かな話を行います。
お給料ですが、仕事内容を鑑みてやはり高額。ひと商品1万円から4万円くらいの報酬がもらえるそうです。
(6)ゴルフボールダイバー
ゴルフでラウンドを回っているとき、打球が「池ポチャ」してしまうときがあります。そうしたゴルフボールを水に潜って拾うのが、ゴルフボールダイバーのお仕事です。
池に落ちたボールはそのまま放置されるわけではなく、拾われた後にクラブハウスや打ちっぱなしのゴルフ練習場で中古品として販売されたり、ゴルフ用品販売店や関連サイトで売られます。
ゴルフボール自体、200円から300円程度するものなので、それを放置するのはもったいないですよね。これを拾って大量販売すれば、それなりの金額になります。
業務を行える会社と契約し、ゴルフ場に手数料を支払ってボールを拾うという形態もあるようです。
(7)情報屋
情報屋とは、様々な情報を依頼のあった人物に販売する職業。顧客情報を手に入れて売りさばいたり、反社会勢力や警察内部の情報を流したりと情報屋のほとんどが違法性のあることを行っていたりします。裏社会に取り入らなければ、まずこのような情報を得ることはできません。
また、情報屋が極秘情報を取り扱う範囲は裏社会にとどまらず、表社会にも精通しています。一般企業などの様々な情報をも取り扱います。
情報屋になるには、元アウトロー、警察関係者、出版関係者などあらゆる世界の道に詳しく、各業界にパイプをもつ人間でなければ務まりません。
以上、おそらく皆さんが聞いたこともないようなビジネスモデルについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。世の中には自分たちが知る由もない様々な仕事があることを知っておいても損はありません。
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(C)写真AC
※写真はイメージです。
※各職業の内容・報酬金額は、筆者の取材当時の内容に基づいたものです。条件などによって変動することがありますので絶対的なものではなく、紹介した職種の内容・金額を保証するものではありません。
(執筆者: 丸野裕行)