Netflixは、クリエイターやアニメーション制作会社などへの支援強化を目的とした新拠点「Netflix アニメ・クリエイターズ・ベース」をNetflix東京オフィス(東京・六本木)内に開設。Netflixのアニメ作品に関わるデザイナーやクリエイターなどの才能が集まるコミュニティとして、長期的にアニメ制作のツールや技術の進歩を広く支援することを目指すという。
クリエイターズ・ベースは、以下の3部屋で構成。
デザイナーやアーティストが席を置き、主にコンセプトアートの開発を通じて、作品開発の初期段階の制作過程をサポートするデザイナーズ・ガレージ。
Netflixのアニメ作品に関与するクリエイターなどが集まり、シナリオを組み立てたり、作品の核となる脚本の打ち合わせを行うライターズ・ガレージ。
今後バーチャル・リアリティなどの最新技術を試験的に使用したり、モーション・キャプチャー技術を試せるような空間へ進化させ、将来的に作品で用いることのできる技術を試行するラボ。
Netflix アニメ チーフプロデューサーの櫻井大樹氏は、「デザイナー、アニメーター、脚本家などのクリエイターをひとつの場所に集めて、作品を制作していくうえで不足しがちなツールをいつでも支援できる環境を作りたかった。部室のような感じで、制作者や原作者と密に連絡をとりながら制作の支援ができる体制が築ければと思います」と、クリエイターズ・ベース新設の狙いを説明。
▲Netflixシリーズ「エデン」コンセプトアート
▲Netflixシリーズ「グリム」プロジェクト(タイトル未定)コンセプトアート
開設当初は、アニメ制作現場で省かれることも多いというコンセプトアートのデザイン開発に注力し、制作過程の根幹であり映像の土台ともなるプリプロダクションのさらに前段階を強化。企画段階において原作を映像化する仮のイメージを設けることで関係者のクリエイティビティをサポートし、チームとして目指す絵を明確化できるとしている。
▲Netflixシリーズ「レディ・ナポレオン」制作資料アート(開発中)
現在、アニメ作品はNetflix上で年間1億2000万世帯以上で視聴され、100の国や地域でTOP10に入るほど世界中で人気が伸び続けている作品ジャンルのひとつ。クリエイターズ・ベース発の第一弾作品は、樹林伸氏による完全新作アニメ「レディ・ナポレオン」となる見込みで、配信時期は未定となっている。