サントリースピリッツが2020年3月に発売したジャパニーズジン『翠(SUI)』。発売から1年以上が経過して、約30000店の料飲店、約30000店の小売店で取り扱いされており、2021年の販売計画が約20万ケースから25万ケースに上方修正されるなど、好調に推移しています。とりわけ2021年1~5月においては、ジンが国内酒類市場において金額ベースで前年比122%となっており、同社によると国産ジンのスタンダード価格帯では70%が『翠』によるものといいます。
プレミアムなジンとしては、2017年より発売している同社の『六(ROKU)』が海外でも評価を得ていますが、『翠』の場合は1500円前後と手に取りやすい価格で、和風なテイストをミックスさせているところや、食事に合わせやすい味になっていることが、幅広い年代に支持されていると考えられます。
一般的に、ジュニパーベリーの香りを主としたアルコール度数37.5%以上の蒸留酒が「ジン」とされています。『翠』の場合は、ジュニパーベリーを浸透させて単式蒸留器にかけ、さらにコリアンダーシードなどの7種のボタニカルを加えて二次蒸留。さらに別工程で柚子、緑茶、生姜の原料酒を作りブレンドさせているところにオリジナリティーがあります。
メディア向けの発表会では、この柚子、緑茶、生姜の浸透酒を試飲することができました。
柚子は、果皮原料酒と蒸留酒、果実を冷凍粉砕した浸透酒の3つを使用。このうち柚子浸透酒は、透明感がありながらさっぱり感のある香りで、フレッシュで上品な味わいが際立ちます。
緑茶浸透酒は、茶葉の旨みと深みが込められて飲みごたえにつながっていそうで、酒としての厚みを与えてくれます。
『翠』独特の味わいに欠かせないのが生姜浸透酒。見た目は透明ですが、辛味が強い印象で、キックがありながらもジンらしいキレを邪魔しない味を加えています。
これらの3種を加えることで、さながら香水のようにトップとボディ、後味が設計されているところが特徴といえるでしょう。
同社では『翠』と炭酸水を1/4で割った『翠ジンソーダ』を推奨しています。ほかにも緑茶割りやジンジャーエールと合わせるといったシーンが考えられそうです。
『翠』公式サイト(サントリー)
https://www.suntory.co.jp/wnb/suigin/ [リンク]