ボサ・ノヴァといえばギター!
ボサ・ノヴァは、1950年代後半~1960年代のブラジルで、ジャズの影響を受けながら生まれた音楽スタイル。憂いを含みつつ清涼さも持ち合わせた“サウダージ”な音楽は、特に夏になると聴きたくなりますね! ボサ・ノヴァに欠かせないのがギター。ボサ・ノヴァ黎明期、ジョアン・ジルベルトがブラジル音楽のリズムをギター1本で表現する弾き方を発明し、それはバチーダ奏法と呼ばれるようになりました。ボサ・ノヴァのイメージは、このバチーダ奏法によるギターと、囁くような歌声を中心として形作られていると言えるでしょう。コードの押さえ方はジャズとも共通点が多いのですが、演奏法はかなり異なります。
初心者でも(かなり)頑張れば弾けるかも
バチーダ奏法は簡単ではありません。しかし、基本的には歌の伴奏のために始まった弾き方なので、“歌いながらでも弾ける”難易度に収まっているとは言えます(あくまでも楽譜をなぞるだけなら、ですが)。
だから、歌を歌わなくても、「いつもと違うカッコいいコードを弾いてみたい」、「ゆったりとギターを弾いて楽しみたい」という人にはぴったり! ボサ・ノヴァ独特のグルーヴ感を出すことは難しいのですが、いくつかのコードを押さえて、つなげることは、ギター初心者であっても可能です。
ボサ・ノヴァの名曲中の名曲である、「イパネマの娘」のコード進行に合わせて弾くエクササイズがこの楽譜です!
下向きの音符は、右手の親指で規則正しく1小節に2回、ボーンと鳴らします。上向きの音符は、人差指、中指、薬指を使って弦をはじきます。このページの下のURLからは、動画を見ることもできますので、楽譜と一緒に見ると、理解しやすいかもしれません。
このリズムで弾くのは難しいので、まずは押さえ方を覚えて、ポローンと音を伸ばして弾くだけでも、ジャズともポップスとも違ったハーモニーを楽しむことができますよ!
『Jazz Guitar Magazine Vol.6』は5月17日発売!
この記事は5月17日発売の『Jazz Guitar Magazine Vol.6』から抜粋したもの。ジョアン・ジルベルトの他、ルイス・ボンファ、バーデン・パウエルなどのブラジルの名手たちのバチーダの解説や、必聴作品を紹介しています。また、ジャズ・ギタリストが演奏したボサ・ノヴァの名盤紹介など、多方面からジャズとボサ・ノヴァの関わりを描き出します。国内の名手たちによるボサ・ノヴァの演奏CDも付属しているので、弾くのも聴くのも一冊で存分に楽しむことができます。
この夏は、本誌とともにボサ・ノヴァ・ギターにチャレンジしてみましょう!
▲ボサ・ノヴァ・ギターの歴史。
▲ブラジルの名手たちと名盤を紹介。
▲ボサ・ノヴァ・ギターの演奏については、伊藤ゴローさんが解説!
◎動画のリンクはこちら!
Jazz Guitar Magazine Vol.6
定価2,530円(本体2,300円+税10%)/CD付き
5月17日発売
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3120217202/
(執筆者: リットーミュージックと立東舎の中の人)