どうもライターの丸野裕行です。
去る2月、3月にも『金曜ロードSHOW!』で地上波・初放送されネット民も沸いた『スター・ウォーズ』。放送されたのは、映画史に燦然と輝くスター・ウォーズシリーズの完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』と、シリーズで大人気のキャラであるハン・ソロの若き日を描く超大作『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』。ファン待望の本編ノーカットでの放送となりました。
スター・ウォーズシリーズの版権を持つ米ディズニー社は、昨年投資家向けのイベントで、2021年以降製作・リリース予定の映画を公開。“完結編”とされていたスター・ウォーズシリーズを、今後も約10本製作することを発表しました。これにより、スター・ウォーズファンは胸を撫でおろすという結果に。
今後数年間でリリースされるスター・ウォーズシリーズとしては、ヘイデン・クリステンセンがダース・ベイダーに復活する『スター・ウォーズ:オビ=ワン・ケノービ(原題)』、『スター・ウォーズエピソード3/シスの復讐』より10年が経過した世界を描くオリジナルドラマシリーズ作品。アナキンのジェダイの師であるオビ=ワン・ケノービを中心にして物語が進む展開で、エピソード1から3以来の共演になるヘイデン・クリステンセンとユアン・マクレガー出演がこの時点で話題になっています。
<写真:筋金入りのファンです>
今回は、根強いファンを持つ『スター・ウォーズ』に精通し、様々なスター・ウォーズグッズを海外から安く仕入れ、稀少なグッズを多数保有する『株式会社建装オガワ』代表・小川三太さんといつもマニアックな投資話でお世話になっている神戸製薬株式会社代表の吉田ナリアキラさんにグッズ売買のお話を伺いました。
マスターレプリカのライトセーバーが高騰
丸野(以下、丸)「僕はまったく知識がないのですが、そんなに高騰するものなのですか?」
小川さん「そうですね、《マスターレプリカ》という実際に演じた俳優のサインが入ったものはすごい値段になっています。マスターレプリカには、ちゃんと保証書がついていて、一旦価値としては落ちたものの再び人気になっています。製造しているのはマスターレプリカ社(以下、MR社)。世界で唯一のルーカス・フィルム社の認定を受けたスター・ウォーズレプリカの製作会社になります」
丸「今も活動はしているんですか? ディズニー社に買収されたルーカス・フィルムですが……」
吉田さん「いえ。2008年にMR社は、ルーカス・フィルム社との契約は更新しなかったんです。ですから、今後新たにMR社製のスター・ウォーズ関連の商品が生産されるということはないと思います。現在『eFX』と言うメーカーがスターウォースのプロップレプリカを出しているんですが、ほとんどヘルメット関連ですね。数が少ない今ですから、買い逃ししているファンは購入しておいた方がいいというわけですね」
MR社とは
丸「MR社の歴史を教えてください」
小川さん「1996年に世界初の本格的なレプリカライトセーバーとして、ANHルークというモデルがアメリカのICONS社から発売されたわけです。これによって《プロップレプリカ》と言われる概念が世界中に拡大しました。初めの製品は、美術品としてのプロップレプリカだったので、音が出るとか光輝くというギミックなどはありませんでしたね」
丸「価値のあるものを教えてください」
吉田さん「ダースベイダーの声をやっているロバート・アル・ジョーンズとデビッド・プラウズのサインが入ったマスターレプリカのライトセーバーですね。これはね、2人のサインが入っていますこれ、余裕で40万いってんじゃないですか。全世界1000本限定です」
丸「こちらのは?」
小川さん「カウント・ドゥークー役のクリストファー・リー氏(故人)が使用していたライトセーバーのレプリカです。もちろんサインは本物です。ダークサイドの弟子になってダース・ティラナスという名の下で分離主義軍を率いる役ですね」
サミュエル・L・ジャクソンはちょっとワガママ
丸「こちらのライトセーバーは、金メッキ加工がされていて、ちょっと派手ですね。美しいですけど……」
小川さん「これは、サミュエル・L・ジャクソンがメイス・ウィンドゥといういい役で持っていたものです。『スター・ウォーズ』のライトセーバーは、事前に俳優たちに専用のライトセーバーを見せてOKを取るらしいんですが、サミュエル・L・ジャクソンは制作の直前に、このデザインにしてくれと言ったという噂です(笑)」
丸「オビ=ワン・ケノービ専用のライトセーバーは2パターンあるんですね。よく見るとメッキの剥げがあったり、ディテールの面で違いがありますよね」
吉田さん「いいところに目をつけますね!錆のないセーバーはプリスティーンオビ(クリーンオビ:2枚上の写真)と呼ばれていて、当時で20万を超えてましたから、
今なら普通に50万以上にはなってますね。ひょっとしたら100万くらいになっているかも。でも、錆があるやつで、もしオビ・ワン・ケノービの俳優がサインしているものであれば今100万円くらいするものもありますよ。」
丸「ええっ!」
小川さん「実はこれ、ロールスロイス社のタービンパーツだったりするんですよ、これ。昔のカメラのフラッシュ部分を使ったり、洗面のカランのパーツを組み合わせたり、実は複数の既製品パーツを使ってできていたりするんです」
丸「えっ! あれだけ製作費が高い映画の重要なアイテムですよ。美術さんが、そこらへんのもん拾い集めて適当に組んだものだっていうんですか?!」
吉田さん「海外からパーツを取り寄せて、組み上げるマニアもいますから。限定品だらけで争奪戦になっていて、値段は忘れたけど高いと思いますよ。売ればね」
丸「とにかく宝の山なんですね」
小川さん「メイス・ウィンドゥが使っているライトセーバーは、24金が貼りつけられているんで価値が高いですし、俳優が亡くなったライトセーバーの価値も上がっています。ダース・モールが使っていたライトセーバーに関しては、劇中で真っ二つに切られるんですが、ダメージバージョンのライトセーバーもあり、高額になってきていますね」
丸「まさに《スター・ウォーズ投資》ですね」
<写真:今となっては、超貴重なノンダメージのダース・モール(サイン版)60万円以上の価値はすでにあるといわれます>
小川さん「そのうち、100万円を超えるライトセーバーも出てくると思うので、今のうちに手に入れておいた方がいいと思います」
『スター・ウォーズ』コレクターの知識はかなり深く、あまり観たことがない筆者にはなかなか難解でした。フィクションとはいえ、これだけ人を虜にするスター・ウォーズの世界。
あなたもMR社のライトセーバー、一本どうですか? 家宝になるかもしれませんよ。
【スター・ウォーズ投資】
取材協力:『株式会社建装オガワ』
本社:兵庫県西宮市浜町11-1
TEL:0798(38)1363
URL:https://www.kenso-ogawa.com/
(執筆者: 丸野裕行)