14日にスタートした『青天を衝け』の初回の世帯視聴率が20.0%(ビデオリサーチ調べ、関東/以下同)、個人視聴率も12.5%と高視聴率をマークしたことが分かった。初回が20%の大台に乗ったのは2013年『八重の桜』の21.4%以来8年ぶり。数字が取れないと言われる近現代もの&モチーフとなった人物が知名度の低い渋沢栄一とあって、たいていのメディアは低視聴率を予想していたが、そんな下馬評を大きく裏切る大快挙。まさかの好発進となった3つの理由とは?
『麒麟がくる』最終回のわずか1週間後
通常、大河ドラマは1年単位で放送され、年明け一発目の新・大河まで3週間は空くため、視聴習慣が一度途切れてしまう。だが、前作『麒麟がくる』では帰蝶役に決まっていた沢尻エリカが麻薬取締法違反で逮捕されて初回放送が2週間延期に。さらにコロナによる撮影中断などもあり、大河ドラマ初の越年放送を余儀なくされた。そこで最終回も2月7日までズレこんだわけであるが、『青天を衝け』はそのわずか1週間後にスタートしたため、視聴習慣がそのままキープできたともいえる。
1時間拡大で、裏番組を見終えた人が合わせてくれた?
どの大河の初回も大体、15分拡大か30分拡大になる。この『青天を衝け』の初回は15分の拡大版となり、夜9時までの放送となった。瞬間最高視聴率は午後8時57分に記録した22.8%ということから考えても、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)、『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)と、裏番組を見終えたお客さんが流れてきた可能性は高い。
国宝級イケメンを見たいF2層が動いた?
『青天を衝け』の世代別視聴率で顕著だったのが、F2層(女性35~49歳)の動き。8%台とかなり高い数字を記録している。これはやはり主演であり、また「国宝級イケメンランキング」でも殿堂入りを果たしている吉沢亮を見たい視聴者がいたのかもしれない。彼はまた、つい2年前の2019年度前期の連続テレビ小説『なつぞら』でも鮮烈な記憶を残している。そうしたことも好調の要因になっているのかもしれない。
ただし初回はどの作品も一番高い。21.4%でスタートした『八重の桜』も、2話目で18.8%となり、それ以降最後まで20%超えは果たせなかった。『青天を衝け』もこれからが勝負だろう。
(執筆者: genkanaketara)