サントリー食品インターナショナルの調査によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、「ストレスが増えた(70.3%)」「栄養バランスが改善した(66.4%)」「運動する機会が減った(61.5%)」「太った・体重が増えた(61.1%)」と答えた人が多かった一方で、「健康に投資するようになった」という人も61.9%となっており、筋トレ・筋肉量アップやダイエットをするようになったという傾向が見られます。
また、テレワークの増加により、病気にかかりにくい身体づくりへの関心が高まり、「飲みすぎ・食べすぎに注意している」との答えは在宅勤務を行っている人で49%、「栄養バランスを意識する」が43.8%と、自己防衛策として食生活の改善に気をつけるという人も増えています。
Health&Beautrition主宰で管理栄養士の篠原絵里佳さんによると、「できれば3食、それも朝と夕食は毎日同じ時間に食べることが大切」といい、「21時以降の飲食は血糖値が上昇しやすく、体重増加や生活習慣病のリスクがあります」と避けるべきと強調。仕事中にダラダラと間食することも「血糖値が高いままになってしまいます」といいます。
食事で摂取する糖質は、血液を通して体内の組織に運ばれていきますが、血液中の糖の量(血糖値)が上昇することで膵臓からインスリンが分泌され、体内の組織に糖を運んで血糖値を下げようとする作用が働きます。篠原さんによると、「バランスの良い栄養の食事を摂ると、2~3時間で血糖値が通常の値に戻っていきます。インスリンが肝臓や筋肉に糖を運んでいき、常に血糖値を一定にしようとします。血糖はエネルギーとして使用されると、ためておいた糖を血液中に補給することで、血糖は常に一定の量を維持していますが、たまっている糖がなくなると、血糖値は低下し、脳に指令が行き、“おなかが空いている”と感じるようになります」と説明し、「血液に糖がたくさんあるのは異常状態で、早く血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されてしまい、乱高下を繰り返して常にインスリンが大量に出る状態が繰り返されになり、膵臓が疲れてしまい、それが糖尿病や肥満のリスクになります」といいます。
篠原さんは「インスリンは夜の21時以降は効き目が悪くなります。炭水化物やフルーツ、お菓子類は血糖値が上がりやすくなり、下がりにくくなります。また、22時以降は脂肪をため込む作用をもたらすタンパク質のBMAL1(ビーマルワン)がピークになり、太りやすくなります」といい、「21時以降に夕食を摂るならばおかずだけにして、その前の17~18時におにぎりなどを食べると、血糖値の乱高下を抑えられます」と夕食を2度に分けることを勧めます。
テレワーク中、ついつい飴や甘い飲み物を飲んでしまうという人は多そうですが、篠原さんは「本来ならメリハリをつけて、おやつを決まった時間に決めるのが一番良いです」といいます。さらに「飴やガムならノンシュガーのものにしたり、チーズボールやヨーグルトのようなビタミンなどの栄養が摂れるものに変えるといった工夫も有効です」とする一方で、「食べたことに罪悪感を覚えないなくても大丈夫。ダラダラ食べをしてしまったと気づいた時は、散歩や買い物に行くなど、身体を動かしてその分を消費することを心がけると良いです」とします。
とはいえ、食習慣を変えるのは簡単にはいかないと考えがち。しかし、篠原さんは「三日坊主でもOK」といいます。「3日間で終わったとしても、3日以内にまた始めれば習慣になります。自己防衛に一番大切なのは継続することです」といいます。
「まずは、自分の食習慣を知ることが大事。毎食のたびにスマートフォンで写真を撮るだけでも、“肉ばかり食べている”とか“茶色のものばかりだ”といった気づきになります。それで“もっと野菜を摂ろう”となるケースもあります」という篠原さん。最近では食事を撮影して自動判別でカロリー・栄養計算をするウェブサービスもあるので、それを活用するというところから始めるというのも一考の価値がありそうです。
おすすめアプリ・WEBサービス
あすけん
https://www.asken.jp/ [リンク]
写真でしっかり!栄養バランスチェック!
https://www.elevit.jp/tools/select.php [リンク]
食とからだ チェックシート
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/check/ [リンク]
LINE健康タイプ判定
https://www.suntory.co.jp/softdrink/kenkoucha/ [リンク]
『Health Beautrition』(篠原絵里佳さんオフィシャルサイト)
https://ericashinohara.com/ [リンク]
※画像は『AC』より
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