最高級石材・稲田石の採掘場である、茨城県笠間市の「石切山脈」。その石切山脈に“地図に載っていない湖”が出現! 岩に囲まれた神秘的な湖や、まるでグランドキャニオンのような切り立った岩盤などをガイドの解説付きで見られるプレミアムツアーが、観光事業として行われることになりました。
11月14日からのスタートを前に、11月12日にメディア向けの内覧会が開かれたので、さっそく行ってまいりました。その模様をレポートいたします!
内覧会の出発地点となった第一展示場には、石製の様々なアート作品が置かれ、カフェ「U-A Cafeモンブラン」もオープンしています。
石切山脈を管理する株式会社想石の代表取締役・川畑真彦氏によると、“地図にない湖”は6年前まで石を採っていた「前山採石場」に出来たものとのこと。採石していた当時は地面を掘って水が出てくるとポンプで汲み出していましたが、採石を止め4年前に水を汲み出すのを止めたため、湧き水と雨水によって美しい湖が生まれたのです。
プレミアムツアーでは、湖を上から見下ろすだけでなく、水面近くに行くことも可能。そこで大きな声を出すと、やまびこのように声が反響します。周囲を取り囲む硬い岩壁で声が跳ね返ってくるわけで、石切山脈ならではの現象でしょう。
石切山脈の必見スポットは、地図にない湖だけではありません。湖がある前山採石場からさらに進むと、現在も採石作業を行なっている「奥山採石場」に到着。稲田石を採掘したことで出来上がった白い岩壁は、さながら荘厳な古代遺跡のようです。
非日常的な雰囲気があるため、ここはアーティストのプロモーションビデオや特撮番組の撮影にも使われています。特撮ファンなら「あの作品で見た風景だ!」とピンと来るはず。採石場では力強い重機も大活躍しているので、重機ファンにとっても見逃せない場所になっています。
他では見られない風景が詰まった石切山脈なので、いわゆる“SNS映え”を求める場所としても最適! コスプレをして撮影を行なっているコスプレイヤーのかたも結構いるそうなのですが、ドラマチックな画作りにバッチリな場所がたくさんあるので、それもうなずけます。
ちなみに、採石場と言うと、ダイナマイトによる爆破=発破を思い浮かべる人も多いかと思いますが、機械の進化によって発破を行なうことは減っているそうです。つまり、火薬の力に頼らなくても石を砕けるようになったわけですね。もし、プレミアムツアーで発破を見られた場合は相当なレアケースなので、しっかりと目に焼き付けていただきたいものです。
この日の内覧会は、U-A Cafeモンブランでのスイーツの試食で締めくくりとなりました。いただいたのは、笠間市の名産品である栗を活かした、「笠間栗モンブラン」。濃厚な甘みが味わえますが、砂糖は風味付けのための最低限の量しか使っていないとのこと。笠間の栗が持つ、本来のしっかりとした甘みが堪能できる逸品なのです。石臼で豆をひいたコーヒーも香りがよく、モンブランとの相性もばっちり。お客さん自身が臼を回すことも可能なので、興味のあるかたはぜひチャレンジしてください。
プレミアムツアーの料金は大人1000円、中学生以下500円。ツアーの参加には、別途、入場料が必要です(大人300円、中学生以下無料)。実施時間は9:30、11:00、13:30、15:00の1日4回。要予約なので電話(0296-74-2537)か公式サイト(https://www.ishikiri-sanmyaku.com/)で、希望日の前日までに申し込んでください。プレミアムツアーではヘルメットの着用が必要となりますが、ヘルメットは無料で借りられます。足元が悪い道を歩くこともあるので、歩きやすい靴をはいていくようにしましょう。
―― 表現する人、つくる人応援メディア 『ガジェット通信(GetNews)』