富裕層が娯楽として人間狩りを行うーその過激で残忍な描写も含め、政治的陰謀論のはびこるアメリカ社会への痛烈な風刺から全米で物議を醸し、一度は公開中止に追い込まれた戦慄のサバイバル・アクション、『ザ・ハント』が10月30日(金)より公開となります。
本作は、現代のアメリカを二極化する”上流階級VS庶民階級”や、蔓延るweb上の陰謀論に着想を得たとされ、さらに昨今、日本でも問題となっているSNS上でのヘイト発言などを「人間狩り」に置き換えて過激に風刺。スピーディーに展開される予測不能な激しいバイオレンス描写とモラル破壊の表現から、当時の全米の銃乱射事件もきっかけとなり、トランプ大統領が作品名こそ挙げなかったもののツイッターで批判するなど物議を醸し、ユニバーサル・ピクチャーズは公開を一旦白紙にするほどの騒ぎに。(参考:https://www.afpbb.com/articles/-/3239536 [リンク])日本でもその結果2020年2月26日の公開を中止にした経緯がありましたが、いよいよ公開が近づいてきました。
「脚本家とジェイソン・ブラム、相思相愛!
あてがきの如く”ブラムハウス作品”を意識して執筆された脚本に、まんまと心を射抜かれた!」
2016年トランプ大統領の就任以降、不安定な政治情勢と二極化の進む社会によって、インターネット上だけではとどまらず国民の日常生活の裏で本当は何が起こっているのかを語る数々の陰謀説が蔓延するアメリカ。デイモン・リンデロフ(製作/脚本)とニック・キューズ(製作総指揮/脚本)はそこに一切の遠慮もなく鋭く切り込み、「どういったタイプの人間が陰謀説を信じたのか?なぜ信じたのか?本作のストーリーを最終的に形成したのは、『陰謀説は事実ではないのに、その噂のせいで非難され日常生活を奪われた人々が、もし報復として陰謀説を実現しようとしたら?』という仮定だった。そこから暴走が始まり、手がつけられない事態になってしまう」(リンデロフ)、「何かを主張しようとか、政治や陰謀についてのストーリーを書こうと思ったわけじゃなく、常に人々を楽しませる、自分たちが面白いと思った物語を書いただけだ」(キューズ)と、重苦しい陰謀の世界の片隅で”権力を握った一部の裕福な隠元が娯楽として人間狩りを行う”という驚愕の残酷設定へ昇華。
そしてリンデロフが「『パージ』シリーズや『ゲット・アウト』(17)など、ニックも僕もジェイソン・ブラム作品の大ファンだ」と力を込めるように、こういったダークで恐ろしく、限られたジャンルのなかでも社会的な主張とホラーやサスペンスの典型的要素を織り込んでお決まりの展開を覆す「社会スリラー」という新ジャンルを牽引し、いまやオスカー賞レースでも存在感を増している”ブラムハウス・プロダクションズ”を最初から思い描きながら脚本を執筆していったとのこと。
スリルとアクションと奇妙なユーモアをハイレベルに融合させる手腕を買われクレイグ・ゾベル(『コンプライアンス 服従の心理』(12))が監督に起用されたことでますます増強ムキムキとなったこの企画を知り、”ブラムハウス”の創設者であり要であるジェイソン・ブラムは「脚本を気に入ったからすぐにデイモン(・リンデロフ)に電話したよ」と自身の製作会社での映画化を熱望! 自身が手掛けてきた”ブラムハウス作品”から大いに影響を受けた脚本家たちが創り上げた企画にベタ惚れし、「第一印象がいかに間違っているかを描いた素晴らしい物語だ。風刺に富んだ社会スリラーで、エキサイティングで恐ろしい優れたホラー映画でもある。一方を贔屓することはしていないが、我々が他人に対していかに簡単に決めつけるかという点を指摘している。なぜ一方だけを贔屓するのかを掘り下げたかったし、本作の注目すべき点だ」と力説しています。
『ザ・ハント』ストーリー
広大な森の中で目覚めた12人の男女。ここがどこなのか、どうやって来たのかも分からない。あるのは巨大な木箱に収められた一匹の豚と数々の武器。すると突然、銃声が鳴り響き、何者かに狙われる。武器を取り、逃げまどいながら、やがて彼らは気づく。ネット上にはびこる噂、「人間狩り計画」—セレブが娯楽目的で一般市民を狩る“マナーゲート”が実在することを。しかし、“獲物”のひとりである美女クリスタルが予想外の反撃に出たことで、計画が狂い始め、やがてその陰謀の全容が明らかになっていく――。
監督:クレイグ・ゾベル 製作:ジェイソン・ブラム
脚本:ニック・キューズ、デイモン・リンデロフ
出演:ヒラリー・スワンク、ベティ・ギルピン、エマ・ロバーツほか
配給:東宝東和/全米公開:3月13日(金)/原題:THE HUNT
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