全世界的に課題とされている海洋プラスチックごみ。環境省によると、海に流出するプラスチックごみの量は世界中で年間800万トンと試算されており、政府もプラスチックの有効利用を前提としたごみの回収、適正処理を徹底するなどのアクションプランを発表しています。
そんな中で、特に問題視されることが多いのがペットボトルですが、日本コカコーラによると日本のプラスティック製品のうちでペットボトルが占める割合は6%(58万7000トン)となっており、リサイクル率も高くなっています。
PETボトルリサイクル推進協議会の2018年発表の数値では、日本のペットボトルの回収率は92.2%。リサイクル率は84.8%で、欧米と比較するとかなり高い数値となっています。一般に「リサイクル」には熱資源として利用するサーマルリサイクル、プラスティック製品の原料として再利用するマテリアルリサイクル、化学的に分解して化学製品の原料として再利用するマテリアルリサイクルの3つに分かれますが、日本においては全体の6割がサーマルリサイクル。ただ、ペットボトルの場合は新たなプラスティック製品に生まれ変わる用途に多く用いられています。
現状でも高いリサイクル率のペットボトルですが、飲料会社関係者によれば「消費者へのさらなる啓発が必要」としています。既に「家庭ごみに関しては大部分がリサイクル素材として回収できている」といいますが、街角の自動販売機の横にあるゴミ箱などでは、「回収しても燃やすか埋めるかするしかなくなる」のが実情です。
ペットボトルにタバコの吸い殻などの異物が入っているほか、飲み残しがあるままで捨てられた場合、「品質上の問題で、リサイクルができなくなる」と説明。さらに「自販機横のリサイクルBOXは、瓶・缶・ペットボトル以外のものも多く、人の手によって分類しており限界がある」といいます。
2020年6月30日にはサントリーやアサヒグループのほか、プラスチック製造会社など12社が使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む共同出資会社アールプラスジャパンを設立。サントリーは米国バイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社による植物由来原料100%使用ペットボトルの共同開発を既に成功させており、アールプラスジャパンは環境負荷の少ない使用済みプラスチックの再資源化技術を2027年までに実用化するとしていますが、消費者のゴミ捨てのマナーの向上も重要になってくるのではないでしょうか。
※トップ画像はACより
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