世界最大級のオンラインエンターテインメントサービスを提供するNetflixでは、生まれつき超能力を持つ高校生・斉木楠雄の日常を描く、超能力(サイキック)コメディ「斉木楠雄のΨ難 Ψ始動編」をNetflixオリジナルアニメシリーズとして全世界独占配信中です。
週刊少年ジャンプで連載されていた麻生周一原作の漫画「斉木楠雄のΨ難」が、第1期、第2期、完結編のテレビアニメ化を経て、今度はNetflixオリジナルアニメシリーズとして全世界へΨ始動。新キャラクターも加わり、さらに早くなったセリフスピードは圧巻!
主人公・斉木楠雄を演じる声優の神谷浩史さんに、本作でのアフレコについて、Netflixオリジナル作品となったことについて、お話を伺いました!
――本作大変楽しく拝見させていただきました。新キャラクターも登場し、セリフの量と早さもさらにパワーアップした様に感じます。
神谷浩史(以下、神谷):ありがとうございます。そうですね、セリフ量が多く、少しずつ尺も早くなっているとアフレコしていても感じました。確かに第1期第1話の時も、セリフが多くて短い尺の中でしゃべらされているなと思ったんです。 でも今、第1話を見てみると、すごくゆっくりしゃべっている様に感じて。「あれ? あの時はものすごいスピードでしゃべらされていた気がするけれども、そんなことはなかったのかな。いつの間にか慣らされて、とんでもないスピードで、みんながしゃべらされるアニメになっていたんだ」ということに第2期で気付きました(笑)。
――当時もすごく早いと思っていたけど、今見るとゆっくりに感じる……。すごいです!
神谷:1話4分しかないアニメの中に、麻生先生が1週間かけて描いた原作のニュアンスというものをギュッと凝縮して5本分、連載1カ月分以上を30分に凝縮しているので、どうしてもこのスピードになってしまうのかなと思います。でも監督も最初からこのスピードにしようとしていたわけではなくて、「常識的な範囲でアニメーションを作ろうとすると、これぐらいのスピードになります」というのがTVシリーズ第1期の第1話とか、最初の頃だったんですけど、途中で監督を始めとするスタッフたちが「声優陣は意外と尺にセリフを入れられるんじゃないか」と気付いたというか。
通常は台本をいただいて、そこから修正が入って、「ここからここまでのセリフは、尺的に難しいのでカットです」という指示が後で入ります。でもこの作品ではその指示忘れがちょくちょくあったりして(笑)、キャスト陣は「このセリフは入らない気がするけれども、カットになってないし、とりあえず頑張ろう……!」とトライする。それで監督が「結果入ったからいいか」と思う。そういうやりとりが何回かあって、音響スタッフも我々が吹き込んだセリフをどこまで編集して、4分という尺に収められるかというのを少しずつ試していって。その結果、どんどん早くなっていっちゃったんですよね。
――カットし忘れた結果、入ってしまったと。キャスト陣の皆さんの技術が本当に素晴らしいと思います。
神谷:本当に最初の頃、TVシリーズ第1期第1話の収録は、めちゃくちゃだったんですよ。キャストのスケジュールの都合上、1話から録らないこともありましたし、なおかつ僕が演じる楠雄のセリフは他のキャラクターとかぶっていることがあるので、ほとんど別録りということもありました。 そこから極力別録りを少なくして、生で相手のセリフのリズム、テンポ、ニュアンスを聞きながら、4分間全力で走り抜けるというのが一番面白いものができる録り方だというところに、第1期の最後ぐらいからたどり着いたのだと思います。 今回の『Ψ始動編』もその上に成り立っているので、キャストもスタッフも楽しく収録していたんじゃないですかね。僕はそんなに楽しくはなかったですけど(笑)。
――そうなんですね(笑)。今回の新シリーズから参加された鳥海浩輔さん(CV井口工役)、東山奈央さん(CV鈴宮陽衣役)も、そんな『斉木楠雄のΨ難』 の収録に最初から馴染んでいらっしゃったんですか?
神谷:お2人はそもそも技術も素晴らしいですし、何となく『斉木楠雄のΨ難』という作品がこういうものだというのを薄々感づいていたみたいです。これまでゲストにいらっしゃった方は皆さんそうなんですけど、収録前に自宅でビデオを見て練習します。その時に絶対1回は「あれっ?何かおかしい」と思うらしいんですよ。「ビデオが間違って倍速で録画されちゃっているんだろう」と思うらしいんです。でも何度見ても、カウンター(時間表示)は合っていると。
――これ、倍速じゃないぞ……!と気付くわけですね!
神谷:「どうやらこれは巻きでセリフを入れないと、ダメだ!」と気付いて、収録現場にも覚悟して来るので、スタジオで「早い」、「入らない」という弱音を吐く方はいらっしゃらない。 すごいですよね。これは『斉木楠雄のΨ難』に限らないのですが、ギャグアニメで「これはセリフが入らないです」とか、「これは早口すぎて大変です」ということをスタッフに主張したところで意味がない、スタッフは聞かないというのも分かっているのかもしれません(笑)。どんなに難解だろうが、入らないだろうが、むちゃくちゃ頑張って、早口で無理くり入れてこそのギャグアニメだと僕は思っていて、鳥海さんも「前からやってました」っていう顔でやられていましたよ。
――本作はNetflixで全世界配信となりますが、どんなアニメの楽しみ方をして欲しいですか?
神谷:最初は『おはスタ(テレビ東京系で月~金あさ7時5分放送のキッズ情報番組) 』という番組の中でアニメがはじまって、子供達が中心になって観てくれるのかなと思ったら、普段アニメをあまりご覧にならない方々も観てくれて。ナンセンスなギャグアニメなのにちょっと意外ではあったんです。でも、麻生先生が作り出す、魅力的なキャラクター達と、基本的にはくだらないのだけど(笑)、ちょっとホロっとしてしまうストーリーがあったりするじゃないですか。そうやって、麻生先生の素晴らしい原作とスタッフ、キャストの熱意で多くの人に愛されるアニメになっているので、Netflix配信となったことでさらにたくさんの人に観ていただけることが楽しみです。この『Ψ始動編』の収録に行った時に桜井監督が本当に嬉しそうで楽しそうだったんですよ。Netflixという大きくて著名な会社が自分たちのアニメを評価してくれて、やってくださいと言ってくれる。そして皆でまた集まれる。監督の嬉々として取り組んでいる姿を見て、自分も嬉しかったので、ぜひ斉木ワールドをお楽しみいただきたいです。
――Netflixでは過去のシリーズも観ることが出来るので、ぜひ多くの人に楽しんでいただきたいですね! 今日は楽しいお話をどうもありがとうございました。
『斉木楠雄のΨ難 Ψ始動編』Netflix
http://netflix.com/saiki-reawakened
(C)麻生周一/集英社・PK学園R
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