戦後、日本では急速な経済成長にともない数々の家電や業務機器が開発されてきた。
形を変え現在まで受け継がれているものもあれば、一過性で消え去ってしまったものもあるが、消え去った側の代表格とも言えるのが1970年代にSHARPが開発したそろばんと電卓を一体化させた計算機器『ソロカル』だろう。
しかし消え去ったはずのソロカルがなぜか今、Twitter上でにわかに注目を集めている。
その大きなきっかけは9月13日にSHARPの公式アカウントがつぶやいたこちらのツイート。
「当時の開発者に敬意を表して補足しておくけど、ソロカルは電卓の黎明期に「電卓の計算結果が信用できない」という市井の声を聞いて、後から検算用のそろばんをくっつけて商品化したものです。真摯に社会とイノベーションに向き合う姿勢はあったと思う。 」
https://twitter.com/SHARP_JP/status/1172343753127804933?s=19
当時の開発者に敬意を表して補足しておくけど、ソロカルは電卓の黎明期に「電卓の計算結果が信用できない」という市井の声を聞いて、後から検算用のそろばんをくっつけて商品化したものです。真摯に社会とイノベーションに向き合う姿勢はあったと思う。 pic.twitter.com/F7yruj3p59—SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) September 13, 2019
これは9月11日に発表された第4次安倍再改造内閣で、78歳と高齢かつ『日本の印章制度・文化を守る議員連盟』会長を務める竹本直一議員がIT担当大臣に任命されたことについて感想を述べた
「3T御三家・竹本IT相の「印鑑とITを両立させる」を聞いてコレ(ソロカル)を思い出したわ。」
という一般ユーザーのツイートに反応したもの。
アナログからデジタルへの大転換期のニーズに寄り添おうとした当時の開発者の真摯な想いに、Twitter上では大きな反響が起こっている。
「サラリーマン時代、お付き合いのあった取引先で「エクセルの計算結果を電卓で検算するおじさん」を実際に目撃した身としては、この商品の開発者の気持ちが分かる気がする。」
「銀行に勤めていた時、計算は加算機(電卓を大きくして、ディスプレイの代わりにプリンターが付いたようなモノ、途中経過がわかるので、間違いを見つけやすい)だったのですが、どうしても合わないと、ベテランが算盤で検算していました。算盤は途中経過が判らないので使用禁止だったのですが。」
「逆にこれがあったから電卓への信頼が持てた人も少なからずいると思います。
技術屋さんはこんなの必要ないのわかってたと思います。
人のことを考えた優しい開発だと思います。」「実家にあり子供の頃そろばんの練習をして電卓で答え合わせをしていました!あ、下の溝は鉛筆を置く場所だったんですね!始める前に指を置いてスタンバってました(笑)」
「(´-`).。oO( シャープさんのソロカル、我が家では大切に保存しております…)」
現在ソロカルは中古品が通販サイトなどに出回っているのみだが、相場はおおよそ1000円前後。発売当時の希望小売価格が5000円以上だったことを考えるとかなりリーズナブルだ。物好きな方はお求めになって、1970年代に想いを馳せてみるのもいいかもしれない。
※画像はTwitter(@SHARP_JP)から引用しました
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