全世界に大旋風を巻き起こしたディズニーの名作を実写化した映画『アラジン』が、いよいよ本日6月7日(金)より公開されます。魔法のランプを使い王国の乗っ取りを企み、主人公アラジンたちとバトルを繰り広げる邪悪な大臣ジャファーのプレミアム吹替版を担当したのは俳優の北村一輝さん。
昨年の『映画 プリキュア』で初めて声優に挑戦し、今回の映画『アラジン』で実写作品の初吹替えを担当した北村さんに、お話を伺いました。
今回のジャファーは「若くて、感情表現も素直」
――昨年、『映画 プリキュア』で北村さんが声優に初挑戦された際にインタビューさせていただき、「これをきっかけにまた声の仕事が来たらいいな」とおっしゃっていたので、すぐに吹替えのお仕事が決まって驚きました!
北村:そうなんですよ! なんとまさかの『アラジン』! そして、これでさらにまた声の仕事が来るかもしれない。打倒、山ちゃん(山寺宏一)ですよ(笑)。目標は大きく持った方がいいですから(笑)。
――元々ディズニーアニメーションの『アラジン』はご覧になっていましたか?
北村:もちろん。ディズニー映画はどの作品においてもクオリティーが良く完成度も高いじゃないですか。その中で、『アラジン』はプリンセスだけでなく、ランプの魔人ジーニーや悪役のジャファー、イアーゴといった個性のある登場人物に加え、男性が主人公ということの面白さもあります。ずっと声のお仕事をしていたら、「こういう作品をやりたい!」と目標になるような映画の吹替版を一番最初にやらせていただけて、もう最高です。
――その中でヴィラン(敵)の「ジャファー」というオファーは、いかがでしたか?
北村:嬉しかったです。ジャファーのオファーをいただけたことにすごく感謝をしています。プレッシャーもありましたが、嬉しさの方が大きかったですね。自分の中でできる限りのことはやらせてもらいました。あとは、どうしてもアニメーションのジャファーのイメージがあり、最初に観た時は「お、キャラがちょっと違う!」という驚きはありました。アニメーションのジャファーは、もう少し強か(したたか)でずる賢く、年配でしたよね。
――今回のジャファーは少し若いですものね。
北村: 若くて、感情表現も素直でしたね。強かさ、いやらしさ、ずる賢さというよりも、ストレートに分かり易く悪いヤツ。また、前回の『プリキュア』のときは、ウソバーッカという怪人で口が動いていなかったので合わせる必要がなく、何パターンか「こんな感じかな?」と遊ばせて頂きましたが、吹替えはやはりまったく違う作業で別物でした(笑)。
――声優さんからも実写作品の吹替えは、役者さんの演技に合わせなければならないので難しいと聞きます。
北村:アニメーションだと少しは自分でもキャラクターを作れたり、自由があると思いますが、吹替えは、役者さんの息遣いがあり、人間のリアルな感情がそこに出ているので、最初から演じられたキャラクターが出来上がっています。怒っているときは怒らなくてはいけない。それを自分なりに変えようとしてしまうとすごく気持ち悪いものになってしまうので、感情の流れという部分では制限があります。そして、息継ぎ、スピードも合わせることが必要になってくる。山寺さんであれば、その中でも遊ぶことができるかもしれないですが……。でも、そういった制限のある中での作業がとても新鮮で、すごく面白かったです。だから、魅力的な俳優の吹替えをやるのが一番楽しいと思います。
――なるほど! その俳優さんの演技も盗みつつ。
北村:その人の演技を何回も観ることになるので、「ああ、こういう風にやるのか。ここでこうするのか」など、楽しいこともあり、役者として少し悔しいと思うこともありそうです(笑)。
――今回、北村さんはどのようなジャファーを意識して演じられたのでしょう?
北村:俳優の方がやっている感情をそのまま出しつつ、アニメーションのジャファーらしい“いやらしさ”も少し入れられたら、と思いました。でも、声の演技だけですので、それがどこまで入っているかはわからないです。芝居は、声と動きと目線だったり……すべて含めて表現しているので、自分が声だけでどれくらいの演技に見えるのかな?と、まだ未知の部分でしたので、演出の方に委ねたところは大きかったです。とても丁寧に細かく教えていただき、現場もすごく楽しかったですね。「もう少しこうやったらこうなるよ」など教えていただき、いろいろ試して何回もやらせていただきました。
そして、声だけなので、強弱、トーン、間であったり、僕の中で普段はあまり使わない、使いすぎるとオーバーになってしまうようなことも試しました。普段の映画だと、どちらかというと避けたりするようなことをあえてやってみたり。本当に勉強することが多くて、昔お芝居の学校で教わって忘れていたことを思い出しました。「あ~、学校でも最初言われていたな。何年経っても同じこと言われているな」とか(笑)、すごく新鮮で楽しかったです。
――本当に初心に立ち返ったような経験をされたんですね。今回どんな指導を受けたか教えてもらうことはできますか?
北村:技術的なことから、やっぱり感情という部分が一番伝わるので、その部分が一番ですね。僕が演出家の方の好きだったところが、「感情がのっていないとダメです」と言われて。「セリフをただ合わせていても全然ダメです」とハッキリ言ってくれたのがいいなと思いました。だから、安心して委ねられました。
マーベル作品に出たい!
――では、今後声優として挑戦してみたい作品や役柄は?
北村:今回のようなディズニー作品も嬉しいですし、マーベルも好きなんですよ。
――マーベル作品いいですね! ヒーローとヴィラン(悪役)どちらがいいですか?
北村:マーベル作品はどちら側でも両方の要素があるじゃないですか。
――どちら側にも正義がある、みたいなところがありますね。
北村:お互いにどちらも間違えたことも言うし。マーベル・ヒーローの良いところは、ちゃんと人間性があるのがいいですよね(笑)。もしできるなら……なんだろうな、アベンジャーズだったらどれでもいいかな(笑)。でも、ディズニー作品もそうですが、夢のあるエンターテインメントの世界の登場人物を演じられる事は本当に嬉しいです。現実的な話もいろいろ勉強になるから面白いとは思いますが、僕は基本的に夢のあるわかりやすいエンターテインメント作品が好きなんです(笑)。
――映画ではジャファーにとってオウムのイアーゴが相棒ですが、北村さんにとって相棒のような存在は?
北村:25歳になる息子ですね。もうイアーゴみたいなものですよ(笑)。よく2人でいるので仲が良いですね。僕はあまり悩むこともありませんが、たまに迷ったときは、息子の意見も聞きます。それで、自分が思っていることと逆のことを息子が言った時は、その意見に乗ったりします。そこで失敗するときは、自分が選択しようとした方でも結果は同じ事だと思っています。どんなことでも本音で素直に話しているので、本当に悪友というか高校の友達のような感覚ですね。それくらい何でも言い合えるし、何でも知っているかな。もし、ランプの中に入れられそうになったら一緒に連れて行きたいですね(笑)。
――ありがとうございました!
[撮影:周二郎]
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映画『アラジン』2019年6月7日(金)全国公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
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