イギリスの大手送電事業者National Gridは、5月1日以来、同国内の石炭火力発電の供給が1週間連続でゼロになったことを明らかにした。1882年にイギリスで公用石炭火力発電が始まって以来、初めてのことだという。
Great Britain has now officially gone a full week without coal!!! This is the first time since the original coal power station launched back in 1882 #zerocoal—National Grid ESO (@ng_eso) 2019年5月8日
https://twitter.com/ng_eso/status/1126100706941972480
石炭火力発電は原料の石炭が安いかわりに、地球温暖化の大きな要因となる二酸化炭素と、大気汚染の原因となる窒素酸化物、硫黄酸化物を大量に排出する。最新の高効率な石炭火力でも、二酸化炭素の排出量はLNG火力のほぼ2倍になるという。
欧州委員会では2050年までに二酸化炭素の純排出量をゼロにする方針を採択したが、イギリスのメイ政権は「直ちに対応する」と述べるにとどまり、法的拘束力のある具体的な策定には及び腰だ。そのため、4月にはロンドンで、気候変動への対策を求める大規模なデモが続き、1000人近くの逮捕者が出る事態となった。
ゼロ・エミッションに向けて民間の側から達成したこの新記録について、National Gridの役員は「今後ますます多くの再生可能エネルギーが接続されるにつれ、石炭なしの電力は普通のことになるでしょう。我々は2025年までにイギリスの電力を二酸化炭素の実質排出量ゼロの状態で運転できると確信しています」と述べ、市民たちも「石炭は国のために多くを成し遂げてくれたが、今や間違いなくさよならを言う時だ」「どこのメディアも伝えてないけどもっと称賛されるべき。よくやった!」「いいニュースだ。大きな節目として祝っておかないとね」と歓迎している。
イギリスの電力状況を伝えるグラフを見ても、石炭火力は1日の午後以来ゼロが続いている。一方で、風力が最大で原発11基分・39%、太陽光が原発7基分・21%にもなっているのがすごい。
画像とソース引用:『Twitter』及び『electricinsights.co.uk』より
https://electricinsights.co.uk/#/homepage?&_k=8z6h2w
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