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アメリカで小学校の綿摘み体験学習を巡り論争 黒人奴隷の労働歌を歌わせるのは適切か?



周りを綿花畑に囲まれたサウスカロライナ州の小学校で、地区の歴史学習の一環として綿花の摘み取り体験をした際、子供たちに奴隷制度時代の労働歌を歌わせていたことを巡って論争が巻き起こっています。


動画:SC mom outraged after kids told to pick cotton, sing slave song(fox46charlotte.com)

http://www.fox46charlotte.com/news/390762376-video


この学校の5年生の歴史の授業で行われた綿花の摘み取り体験を撮影した動画には、かつてこの辺りで使役されていた黒人奴隷がそうしていたように、労働歌を歌いながら綿摘みをする子供たちが映っています。歌詞はこんな感じ。



綿を上手に摘むヤツがお気に入り

カゴをいっぱいにするヤツがお気に入り

口答えしないヤツがお気に入り

俺のために金を稼げ金を稼げ……


日本の田植え歌のように、息を合わせ気持ちを奮い立たせるために歌っていたのでしょう。「スピリチュアル」と呼ばれる古い労働歌には、差別的な単語が入っていたり、自虐的な歌詞のものもあるようです。


「私はアフリカ系アメリカ人で、先祖は綿摘みをしていました。どうして息子に綿摘みをさせたいと思うでしょう。楽しいはずがありません」。10才の息子を渦中の学校に通わせるジェシカ・ブランチャードさんは地元メディアのインタビューに対し、涙を拭いながらこう話しました。子供を体験学習に行かせることについて許可を求める書類には、奴隷制度ではなく大恐慌を学ぶ一環として綿摘みをすることが記されていたそうです。彼女はまた「それは奴隷制度の嘲笑、我々黒人がたどってきた道の嘲笑だと思います」と付け加えました。息子のジャマリ君は、歌の意味はよく分からなかったけれど、綿摘み自体はゲーム感覚で楽しかったと話しています。


アフリカ系アメリカ人の子供たちが多く通う学校で労働歌を歌わせていたこのニュースについては、アメリカ人の間で賛否が分かれているようです。


・まったくの惨事だ。奴隷制度を子供たちに絶対再現させてはならない。奴隷制度の再現と綿摘みと奴隷を中傷する労働歌は、奴隷制度(または大恐慌)を教える上で必要ない。

・黒人の少年が意味も分からずに奴隷の労働歌を歌いながら綿摘みをするとは。歴史を知ることの大切さがよく分かる

・先生たちには心がないの? どうしてこれが許されると思ったの?

・このニュースの親とは違う性格の両親がいるのは俺だけかもしれない

・この地区の出身者でこの体験学習にも友達みんなと参加したけど、誰も人種差別的だなんて思ってなかったよ。むしろ楽しかった

・子供がアメリカの歴史を学ぶことについて、なんで親は憤慨しているんだ?

・過去の遺産ね。私の母と祖母、叔母と叔父も綿摘みをしていました。母は8才の頃から綿摘みをしていたと思います

・私の両親は南部のアーカンソー州の小さな町で育ったんだけど、子供の頃に綿摘みをしていたの。でも白人です。昔は綿摘みをする子供たちはたくさんいたのだから、これが人種問題にならないといいのだけど。先生たちも良かれと思ってやっていたと思うの


アフリカ系アメリカ人の教育普及に尽力したジュリアス・ローゼンウォルド氏の基金によって1929年に創設されたこの学校では、伝統的に綿摘み体験が行われてきました。アフリカ系の卒業生が出演している2017年の学校紹介ビデオでも、卒業生が子供たちに労働歌を教え、黒人の子も白人の子も一緒に歌っている様子が見られます。この時は問題視されていなかったようですが……。


動画:The Carroll School (RHSD Original Feature)(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=8ZBCPPDpCKg


アメリカの歴史を学ぶ上で避けられない奴隷制度について、子供たちにどう教えるか。自虐的な労働歌をただの歴史として受け止められない人がいまだに大勢いるということからは、アメリカの人種差別問題の根深さが伺えます。


画像とソース引用:『YouTube』『fox46charlotte.com』及び『Twitter』より

http://www.fox46charlotte.com/news/local-news/south-carolina-mom-outraged-after-kids-told-to-pick-cotton-sing-slave-song-as-game-[リンク]


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