サマータイム導入論、膨らむ予算……、様々な議論が紛糾する2020年の東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪)だが、特にやり玉にあげられるのが「やりがい搾取」などと揶揄されるボランティア募集。膨大な広告宣伝費を投じて無償のボランティアを集める一方、大会組織委員会には「最高月額200万円」の役員報酬が設定されているとも報じられている。
そんな中、産婦人科医で日本体育協会公認スポーツドクター・高尾美穂氏(@mippolin78)のとあるツイートが様々な反響を呼んでいる。
東京オリンピック2020の仕事依頼が来た
もちろんスポーツドクターとしての仕事ですが、軽くお話し聞いてみたところ案の定 無償本気でこれでいいのか?
これでは日本スポーツ界は変わっていかない好きな人が好きなことやってるんだからいいでしょ?じゃない、資格持って責任持ってする仕事なんだよ
—産婦人科医×yoga 高尾美穂 (@mippolin78) 2018年8月29日
「東京オリンピック2020の仕事依頼が来た」という高尾氏は、「もちろんスポーツドクターとしての仕事ですが、軽くお話し聞いてみたところ案の定 無償」と、東京五輪関係者から報酬ゼロで仕事のオファーが届いたことを明かした。
東京五輪のボランティアには、大会の運営に直接関係する“大会ボランティア”(8万人)と、競技場付近で交通案内などを行う“都市ボランティア”(3万人)の2種類がある。大会ボランティアのうち「観客やオリンピック・パラリンピック関係者等に急病人やけが人が出た場合に、『ファーストレスポンダー』として速やかに対応する」などの活動を行う“ヘルスケア”(4000~6000人)、「外国語でのコミュニケーションサポート等」を行う“アテンド”(8000~1万2000人)といった専門的な知識や技能を要する仕事でさえも、活動に対する報酬は設定されていないのが実情だ。
高尾氏は、「本気でこれでいいのか? これでは日本スポーツ界は変わっていかない 好きな人が好きなことやってるんだからいいでしょ?じゃない、資格持って責任持ってする仕事なんだよ」と、特別な能力を求めるなら対価が必要であることを訴えた。
ツイートのリプライ欄には、
「翻訳すると本業を放ったらかして無償で本業と同じことをしてくださいって言われてる訳ですね」
「ボランティアに任せていい仕事と、そうではない仕事の別は厳然として、ありますよ。これはダメです」
「オファーしてきた人はいくら貰ってその仕事をしているのか聞いてみたいです」
「それは仕事依頼ではなく、奴隷依頼ですね」
「ブラック企業を取り締まってるけど国の考え方がそもそもブラック…」
などと、多くの意見が寄せられている。
※画像は『Twitter』(@mippolin78)より引用
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