2020年度から小学校でプログラミング教育が必修科目になることから注目が集まる“STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)”教育。STEM教育のソリューションを世界で提供するMegablock社は5月25日、メディア向けの勉強会を開催。同社の事業と4月に発売したSTEM教育玩具『Makeblock Neuron Inventor Kit』(以下『Neuron』)について説明を受けた後、『Neuron』を使った工作とプログラミングを体験してきました。
同社はStem教育のハードウェア、ソフトウェア、カリキュラム、ロボットコンテストと、プログラミングやロボティクスを学ぶオールインワンのソリューションを提供している企業。STEM教育ロボットキット『mBot』や、プログラミングできるモジュール式ドローン『Airblock』、『Neuron』といった知育キット、ロボットを拡張するDIYキットやパーツを販売しています。
同社の製品は世界140か国以上、2万校以上の学校に導入されており、日本ではソフトバンク コマース&サービスから販売、現在8校の小中学校で授業に導入されています。
同社の競合優位性について尋ねたところ、オープンソースのプラットフォームを提供している点を強みとして挙げていました。Windows/Mac向けに提供するプログラミングソフト『mBlock PC』は、ビジュアルプログラミング言語Scratch 2.0に基づいており、Arduinoのプログラミングにも対応。小中学生だけでなく、大学のエンジニアリングの授業にも利用されているそうです。このほか、スマートフォンやタブレットで利用できる『Makeblockアプリ』、子供がロボットプログラミングについて学べる『mBlock アプリ』を提供しています。
『Neuron』は、対象年齢6歳以上のSTEM教育玩具。キットは電源とBluetooth通信、入力インタフェースとなるジャイロセンサー、クリップコードの電位を読み取るセンサー、出力インタフェースとなるサーボドライバー、サーボ、ブザー、LEDパネルという8種類の機能を持ったブロックから構成します。
ブロックを接続端子でつなぎ合わせることで回路を構成。ブロック同士は内蔵の磁石で簡単に組み合わせられるのが特徴です。
ブロックと身の回りのものなどを組み合わせて単体の工作ができる“オフラインモード”、Bluetoothブロックでスマートフォンやタブレットと通信することで、端末からプログラミングができる“オンラインモード”の2種類のモードが利用できます。
プログラミングツールは、スマートフォンやタブレット用アプリの『Neuron』、パソコンでは『mBlock』が対応。『Neuron』ではプログラムの単体機能をつなぎ合わせていくフローベースのプログラミング、『mBlock』ではコマンドを積み重ねていくビジュアルプログラミングを学ぶことができます。
『Neuron』の体験ではまず、単体で動作する“オフラインモード”でギターを作ります。箱の中のパーツを確認して、必要なパーツを取り出したら……。
ブロックを組み合わせて機能モジュールが完成。
構造パーツを組み立ててペーパークラフトでギターの形を作ったら、機能モジュールを組み付けてギターの完成。左手でネック部分の電極に触ったまま、右手で4色のクリップを触ると音を鳴らすことができます。
続いて“オンラインモード”でプログラミングを体験。ブロックはBluetooth、電源、LEDパネルの3種類を組み合わせて使います。
外部のスイッチをオンにすると、顔やハートなど、それぞれのスイッチに対応したパターンでLEDが点灯するというプログラムを、タブレットの画面上で機能を並べてつないでいく操作で作成していきます。
外部のスイッチとして、スマートフォンの画面を利用することも可能。スイッチの機能をQRコードで表示、スマートフォンで読み取った画面に、実際にスイッチとして機能するインタフェースが表示されます。
設定した時刻になると、LEDが点灯して音楽が鳴る目覚まし時計もプログラミングしてみました。シンプルな動作や命令を、直感的につなぎ合わせてプログラミングできるので、少し触ればアイデア次第でいろいろな物が作れそうな印象です。
キットには11種類のペーパークラフトが付属します。頭をなでるとジャイロセンサーで振動を検知してしっぽを振る“しっぽ振りキャット”などの工作も楽しめます。
『Makeblock Neuron Inventor Kit』は、一部家電量販店や『Softbank SELECTION』オンラインショップなどで販売中。価格は1万4800円(税別)です。
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