5月2日放送の『水曜日のダウンタウン』(TBS)に出演した濱田祐太郎さんが話題を呼んでいる。
濱田さんと言えばほぼ無名だったにも関わらず先日の『第16代R-1ぐらんぷり』で優勝を勝ち取った若手漫談家。
生まれつき、ほとんど視力がないというハンデを逆手に取った飄々とした芸風で、これまでになかったタイプのお笑いの世界を創り出している。
今回、濱田さんが出演したのは番組中の『世の中のさまざまな説を検証「みんなの説」』というコーナー。
千鳥の大悟さんがプレゼンターとなり『「箱の中身は何だろな?」得意な芸人No.1濱田祐太郎説』と題する検証VTRを紹介した。
要するに視覚に頼らず生活している濱田さんなら、バラエティ番組でよくある“箱の中に手だけ突っ込んで触覚で中身が何か当てる”というクイズに強いんじゃないかなという検証だ。
司会者の松本人志さんと
「松ちゃん見てる?」(濱田)
「お前は松ちゃんを見た事ないやろ」(松本)
という絶妙なかけ合いで登場した濱田さんがじゅんいちダビッドソンさん、ハリウッドザコシショウさん、アキラ100%さんという歴代のR-1ぐらんぷり優勝者を相手に箱の中身当てに挑んでゆく。
一回戦では難問と思われた『タケノコ』を、産毛があること、皮が取れたこと、『たけのこの里』に形が似ていることからわずか30秒で的中させ、6分54秒かかったじゅんいちダビッドソンさんを撃破。
二回戦でもふだんT字カミソリユーザーにも関わらず『電気ヒゲ剃り』を33秒で的中させ3分52秒かかったアキラ100%さんを撃破。
三回戦のみ触ったことが無かったことから『イグアナ』を判別するのに12分11秒かかってしまいザコシショウに敗れたが、その鋭すぎる触覚と視力に頼らない洞察力は出演者の驚嘆を呼び、松本さんも
「グルメレポーターとかどうなんでしょうね」
と新分野への可能性を示唆していた。
同放送はインターネット上でも大きな反響を呼び、『Twitter』では
「障害者への正しい配慮をしつつ濱田祐太郎さんの持ち味を発揮させている番組スタッフまじ凄い。テレビ史を変えるコーナーになったな」
「障がい者を感動ポルノで祭り上げるどこかの24時間テレビより、よっぽど障がい者に対する理解がある、と俺は思う」
「確かに全盲の知り合いが日常がドッキリだから大抵のことだと驚かないって言ってたな」
「誰も傷つけず 濱田さんの良さが活かされて ハンディキャップを逆手に とる企画がもっと出てきたらいいな 見ていて不快ならない 楽しい」
など視聴者から好意的なコメントが多数寄られている。
視覚障害はこれまでエンターテインメントの世界ではアンタッチャブルな扱いをうけることが多かった。
しかし今回の放送は、障害も適切な配慮のもとにとり上げれば斬新な感動や笑いにつながるということを実証した好例だと言えるだろう。
※画像は『吉本興業』オフィシャルサイトより
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