れんこんは、穴があることから「見通しが利く」縁起の良い野菜として、おせち料理でもおなじみ。和の食材というイメージがありますが、実は洋風やエスニック風の味付けにも合うのをご存知ですか?そこで今回は、料理研究家の高城順子先生に、「れんこんきんぴら」の基本の作り方と、洋風、エスニック風のアレンジレシピを教えていただきました。
シャキシャキの食感!基本のきんぴらのレシピ
ごま油と醤油で仕上げるれんこんきんぴらは、シャキッとした食感と、赤唐辛子のピリッとした辛みが効いていて、ご飯と相性抜群の味わいです。下ごしらえ、加熱、調味それぞれのポイントを押さえれば、仕上がりのおいしさが一段とアップします。
材料(3~4人分)
れんこん(細めのものが良い)…300g
赤唐辛子(小口切り)…1本
砂糖…大さじ1
酒…大さじ2
醤油…大さじ1と1/2
サラダ油、ごま油…各大さじ1/2弱
薄く皮をむくのがポイント
れんこんは水洗いし、下の写真のように、ピーラーで薄く皮をむきます。厚めにむくと、穴が欠けてしまうので注意しましょう。
2mm程度の厚さの輪切り(大きい場合は半月切り)にしたら、酢水を張ったボウルに入れ、約10~15分あく抜きします。
酢の量は、水2~3カップに対し大さじ1杯半~2杯が目安です。
あく抜きの後は、水気をしっかりきる
あく抜きしたれんこんは、ザルに上げて水気をしっかりきりましょう。炒めるときに水気が残ったままだと、炒め煮に近い状態になり、シャキッとした食感が損なわれます。
味付けは砂糖→液状調味料の順番で!
フライパンにサラダ油とごま油を中火で熱し、れんこんと赤唐辛子を炒めます。辛めの味付けが苦手な場合は、赤唐辛子を入れなくてもOKです。れんこんが透き通るような色になり、しんなりしてきたら、砂糖を加えてよくからめます。表面に照りが出てくるまで炒めましょう。少し香ばしさが出てきたら、酒、醤油を加えて混ぜ合わせます。
砂糖から入れると、味のしみ込みが違う!
調味料はまとめて一気に入れるのではなく、まず砂糖から。砂糖を全体にからめながら炒めることで、風味が良くなるうえ、液状調味料がしみ込みやすくなります。ただし、焦がさないように注意しましょう。
汁気がほとんどなくなるまで火を通す
ムラなく混ぜ合わせたら、中火で水分を飛ばすように炒めます。途中、箸で混ぜながら、汁気がほとんどなくなるまで、しっかり火を通しましょう。
水分を飛ばすのが、食感良く仕上げるコツ
調味後は、中火で一気に炒めて水分を飛ばすと、れんこんのシャキシャキとした食感が際立ちます。
仕上げにお好みで一味唐辛子や白ごまをふったら、できあがりです。
洋風・エスニック風に!アレンジきんぴら
きんぴらの味付けがマンネリ化しているな…という方にぜひ試してほしいのが、洋風やエスニック風のアレンジきんぴらです。肉を組み合わせれば、食べごたえもアップ。お弁当のおかずやお酒のおつまみにもおすすめです。
子どもが大好き!ベーコン入り洋風きんぴらレシピ
ケチャップで仕上げた、ほんのり甘めの洋風きんぴらです。
材料(3~4人分)
れんこん(細めのものが良い)…300g
ベーコン…2枚
赤唐辛子(小口切り)…1本
塩・コショウ…少々
酒…大さじ2
ケチャップ…大さじ1と1/2
オリーブオイル…大さじ1/2
れんこんの下ごしらえは基本の作り方と同様です。ベーコンは2cm幅に切ります。フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、ベーコン、れんこん、赤唐辛子を炒めます。塩、コショウ、酒を加えてさらに炒め合わせます。
れんこんが透き通るような色になり、しんなりしてきたら、ケチャップを加えてよく混ぜながら炒めましょう。汁気が少なくなったら完成。
ご飯にもお酒にも!エスニックきんぴらのレシピ
香味野菜とナンプラーの風味が豊かなエスニック風そぼろきんぴらです。
材料(3~4人分)
れんこん(細い部分)…300g
豚ひき肉…100g
赤唐辛子(小口切り)…1本
酒…大さじ2
ナンプラー…大さじ1と1/2
塩・コショウ…少々
ニンニク(みじん切り)…小さじ1/2
ショウガ(みじん切り)…小さじ1/2
サラダ油…大さじ1/2
れんこんの下ごしらえは基本の作り方と同様です。フライパンにサラダ油とニンニク、ショウガを中火で熱し、香りが立ってきたら、豚ひき肉を入れて炒めます。肉の色が変わったら、れんこんと赤唐辛子を加えて炒め、酒を加えてさらに炒め合わせます。
れんこんが透き通るような色になり、しんなりしてきたら、塩、コショウ、ナンプラーを加えて炒めます。汁気が少なくなったら完成。
memo
ナンプラーの代わりにカレー粉で味付けしてもおいしく仕上がります。
定番料理のきんぴらは、味付けのバリエーションが広がれば、いろいろなシーンで楽しめるおかずに早変わり。調理のコツをマスターして、ぜひレパートリーに加えてみてください。
高城順子
料理研究家・栄養士
女子栄養短期大学食物栄養科卒。和・洋・中華料理の専門家に師事した後、料理教室の講師を経て、フリーの料理研究家に。研究途上、栄養学の見地から野菜や果物のより有効な活用を思い立ち、エスニック料理の真髄を学ぶために東南アジア諸国を訪問。そこで習得した「美味しい健康食」の料理法をまとめ、発表した『くだものと野菜のヘルシークッキング』は、各方面から評価を得る。
入手しやすい材料からちょっとした工夫で作る料理や、化学調味料を使わない素材を生かした家庭料理が人気。テレビをはじめ、多数の雑誌で料理を発表し続けるとともに、新しい時代の食文化啓蒙活動にも力を入れている。
[れんこん]栄養を守る保存方法&料理の下ごしらえの基本
穴があって先を見通せることから「見通しがきく」という縁起物としても用いられるれんこん。蓮(はす)の地下茎が肥大したもので、漢字では「蓮根」と書きます。
きんぴらや酢ばすではシャキシャキ、煮物ではホクホクとした食感が楽しめます。加熱するメニューが多いようですが、本来は生食できる野菜。火を通す場合も栄養素を壊さないよう、加熱時間は短めにしましょう。
最終更新:2018.01.24
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