ブロガー・作家のはあちゅう(伊藤春香)さんが、刻キタル代表を務めた元電通の岸勇希氏のセクハラ・パワハラを受けていた問題。ここで岸氏が電通主催のリクルートイベントにはあちゅうさんを登壇オファーがあった際に人事局に圧力をかけていたことも争点となっています。
※参考記事 ブロガー・はあちゅうさんがパワハラ・セクハラを告発 岸勇希さんが謝罪するも著書のAmazonレビュー大荒れ
http://getnews.jp/archives/1998948 [リンク]
岸氏は自身の『Note』でこの件について次のように説明しています。
彼女が電通退職後に勤めていた会社は、この時ちょうど、ステルスマーケティング(お金を払って人を並ばせた)の類で、何度か炎上騒ぎを起こしておりました。当時私はWOM協議会というクチコミマーケティングのガイドラインの策定に携わっており、やらせや、ステマを防ぐための、全社共通の決まりを制作しておりました。そのような状況でしたので、遵守を呼びかける立場の会社が、ステマで炎上している企業の人間を、リクルーティング活動で登壇させることは不適切ではないかと考え、その点を人事局に申し出たという経緯になります。当時この議論、プロセスについては、私だけではなく上長を含め、周囲の人間と相談しながら行っております。
ここで岸氏が指している会社はトレンダーズ。当時はあちゅうさんは同社が運営しているエステ・コスメ専門サイト『キレナビ』の編集長を務めていました。また、「WOM協議会」とは正確にはWOMマーケティング協議会(WOMJ)。消費者間で行われる自発的なコミュニケーションである「クチコミ」に関するマーケティングにおけるガイドラインを発表しており、会員は「消費者行動の偽装」を行ってはならないと定めています。
この岸氏の弁明に対して、WOMJは2017年12月18日に「WOMJガイドラインに岸氏が策定していた事実はない」と発表。WOMJの理事を務める電通PRの細川一成氏に取材したところ、「少なくとも岸氏がWOMJのガイドライン委員として活動をされていたことはありません」と否定。「(電通内の)何らかの別の団体で活動していた可能性はあるのですが、そのあたりはまったくわかりません」と話しています。また、同様にWOMJガイドラインの策定に関わっていた人からも岸氏に「一度も会ったことがない」との証言も出てきています。
電通内でのセクハラ・パワハラがクローズアップされることになった今回の騒動。岸氏の弁明に対して内部から否定する声が上がっており、実態がどのようなものだったのかさらなる説明が求められます。
WOMマーケティング協議会
https://www.womj.jp/ [リンク]
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