2012年度より中学校でダンス授業が必修化してから早5年が経過。『アメトーーク!』(テレビ朝日)で人気の「踊りたくない芸人」の回を見ては、「分かる! 分かる! 自分の子どもに勉強は教えられても、ダンスは教えてあげられないや!」と未来の妄想を繰り広げているアラサーの筆者にとっては、時代に置いてけぼり状態を感じてしまうような調査データが発表されました。
ダンスをテーマにしたCMプロモーションを展開している大塚製薬『ポカリスエット』は、高校生、大学生および20代~40代の一般生活者500人を対象にダンスに関する調査を実施。ダンスに能動的な若者と、受動的なオトナ世代との乖離が見られる結果が明らかとなりました。
年代が若いほどダンス経験が豊富
調査対象者のうち約7割(72.0%)が「ある」と答えたダンス経験。年代別に見てみると、40代では約半数(51.0%)、30代では約6割(64.0%)だったのに対し、高校生(86.0%)と大学生(85.0%)は約9割近くがダンス経験者。
ダンス必修化の影響に加え、「好きなアーティストのダンスを真似る」(28.0%)、「遊びや趣味で友達や知り合いと一緒に踊るダンス」(21.0%)など、高校生の2~3割が自主的にダンスを楽しんでいることが分かりました。
しかし、踊ることに恥ずかしさを感じるかを聞くと、高校生(63.0%)、40代(64.0%)と、どの世代も一様に高く、人前で踊ることへの気恥ずかしさに変わりはないようです。恥ずかしさを感じながらも踊ることができる若者と、敬遠してしまうオトナ世代には、どんな意識の違いがあるのでしょうか……?
年代が若いほどダンス動画を積極的に楽しむ
近年、「踊ってみた」系や「完コピ」系の動画をきっかけに元ネタとなるアーティストへ注目が集まるパターンも散見されています。ダンス動画について聞いた調査では、全体の半数以上がダンス動画を「見ることが楽しい」(56.0%)と回答する一方、ダンス動画を「撮ることが楽しい」と感じているのは、30代(15.0%)、40代(14.0%)に対して高校生(35.0%)の方が高い傾向に。
ダンス動画を視聴するのは『YouTube』などの動画配信サイトで「特定のダンス動画を検索して見る」(33.8%)という回答が最も多く、高校生(43.0%)と大学生(44.0%)がポイントを引き上げています。「SNSのタイムラインに上がってくるものを見る」といった回答も高校生・大学生と30代、40代とは大きな差があり、“ダンス動画を検索して視聴したり、SNSのタイムラインでダンスコンテンツに接触する→実際に踊って撮影してみる”という一連の楽しみ方は、スマホネイティブな若い世代ほど敷居の低いのかもしれません。
<調査概要>
実施時期:2017年11月17日(金)~11月19日(日)
調査手法:インターネット調査
調査対象:全国の高校生、大学生、20代、30代、40代の男女合計500人/各世代100人(男女50人ずつ)
※20代~40代の対象者に学生は含みません
専門家が語る、10代のダンスブーム
全国中高生ダンス部応援マガジン『ダンスク!』やウェブメディア『DANSTREET』を運営するディーエスケイ代表の石原久佳氏は、「今の子どもたちにとって、ダンスは特別なことではないんです」と、中高生にとってのダンス体験を解説。音楽や映像などダンスが身近な環境で育った子どもたちは「ダンスに対する抵抗感がなく、ダンスは一つの表現方法として既に刷り込み済みです」と語っています。
また、10~20代の実態を分析する『電通若者研究部』代表の吉田将英氏は、「義務教育化が心理的ハードルを下げ、SNSが物理的ハードルを下げた」と、若者のダンスブームを分析。双子ダンスや部活ダンスのように集団で踊る動画が数多く公開されているのは、文化祭のバンド演奏と同じく、「昔から変わらない青春時代の思い出づくり」がフォーマットを変えたものだと説明しています。
ダンス授業の必修化を背景に、スマホで気軽に見られる動画やSNSの隆盛により、ダンスは今や当たり前のコミュニケーションツールになりつつあるのかもしれません。
ポカリスエット「日本縦断 うちの学校のポカリダンス 予告①」編(YouTube)
https://youtu.be/qllIRx2so0Y
▲『ポカリスエット』のダンスCM動画は『YouTube』や『MixChannel』上の関連動画で総再生回数4900万回を突破(11月13日時点)
大塚製薬『ポカリスエット』公式サイト:
https://pocarisweat.jp/
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