宇宙航空分野の基礎研究から開発・利用に至るまで一貫して行う機関「JAXA(ジャクサ)」。テレビ等でこの名前を聞いても「すごいけど、自分とは遠い世界のことだ」と思っている方も多いはず。しかし、宇宙ってとても身近なんだ! と感じることが出来る場所があるのです。
茨城県つくば市にある「JAXA筑波宇宙センター」は国内外に26箇所あるJAXAの施設の中でも規模が大きく、緑ゆたかな環境と最新の試験設備を備えた総合的な事業所で、日本の宇宙開発の中枢センターとしての役割を果たしています。展示や見学ツアーも行っており、年間およそ30万人の人が訪れているとのこと。
常設展示館「スペースドーム」では、日本の宇宙開発を進めてきたJAXAの歩みと取り組みの現状を分野ごとに見て学ぶことが出来ます。
入り口すぐに大きな地球の模型があるのですが、これは100万分の1の地球。外側の白い層が大気圏を表しているのですが、地球の地表から大気圏って何万キロも離れているのかと思いがちですが、その距離はおよそ100km。直線距離にして東京から富士山くらいの距離しかないのです。宇宙ってそんなに近かったんだ! とビックリ。
館内には様々な人工衛星の試験機や模型が展示されています。実寸大の展示は迫力満点。
実験用中型放送衛星『ゆり』は実機です!
展示されているたくさんの宇宙機を見ていて気になったのが、「この周りのピカピカしたシートは何?」ということ。
こちら展示品だからこうなっているワケではなく、実際に使われている断熱材がピカピカなのです。地球周辺の軌道をまわる宇宙機の表面温度は、だいたい陰の部分はマイナス150度、反対に日が当たっている部分はプラス120度ぐらいにまでなる過酷な環境の中、人工衛星内部の温度を一定に保つことはマスト。薄いアルミの様なシートやネットの様な素材が何重にも重なり、これで外壁を包んでいるのです。
そしてこの断熱材がどうやって外壁にくっついているかというと……、
正解はなんと面ファスナー! しかも特別なものでは無く、私たちがいつも使っている物とほぼ同じです。地上での試験時に繰り返し脱着することが簡単ですし、真空の宇宙空間では剥がれる心配がないため、この面ファスナーが大活躍するとのこと。いやあ、宇宙開発の影に面ファスナーあり! ビックリしました。
「有人・宇宙環境利用」の展示コーナーには、国際宇宙ステーション・「きぼう」日本実験棟の実寸模型をメインに展示されています。
「きぼう」の再現度の高さについては、こちらの記事をご覧ください!
【関連記事】映画『ライフ』に出てくる「国際宇宙ステーション(ISS)」って本当にリアルなの? JAXAに確かめに行ってきた!
http://getnews.jp/archives/1819117 [リンク]
顔出し宇宙服で記念撮影も出来るよ! こちらの展示はNASAの船外活動ユニット(EMU)というもの。ちなみに1着およそ10億円といわれる宇宙服とは、“小さな宇宙船”というほど、真空の宇宙空間で生命を維持できる機能が備わっている服。酸素の供給はもちろん、あらゆる機能がこの中に詰まっている! 宇宙服の素材はゴアテックス(R)とノーメックス(R)の混紡が使われているのですが、独特な感触なのでぜひ触ってみてください。
その他にも、体を動かしながらクイズが楽しめる「マモルホシ」、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」が観測した宇宙から見た地球のデータが準リアルタイムで見えるコーナーなどとにかく盛りだくさんなJAXA筑波宇宙センター「スペースドーム」。夏休みのおでかけにいかがですか? 館内の様子は動画でも撮影していますのでぜひご覧ください!
【JAXA】筑波宇宙センター 展示館「スペースドーム」に行ってきた
https://www.youtube.com/watch?v=-kAypjFSJg8
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 筑波宇宙センター
http://fanfun.jaxa.jp/visit/tsukuba/ [リンク]所在地:〒305-8505茨城県つくば市千現2-1-1
開館時間:
・展示館「スペースドーム」9:30~17:00
・プラネットキューブ(企画展示・ミュージアムショップ)10:00 ~ 17:00休館日:
月曜日(不定期)、年末年始(12/29 ~ 1/3)、施設点検日等
※詳細はWeb またはお電話にてご確認ください。
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