九州から関東にかけて梅雨らしい天気となっている今週の空模様。
湿度が上がって不快指数も高まり、洗濯物は乾かないわ、肌はべとつくわと、誰も喜ばない季節と思いきや、ここが商機とほくそ笑んでいる業界がある。占い業界だ。
占いは「来年の運勢」や「今年の恋愛運」など、年末年始に需要の集中しそうな業界だが、実は梅雨時期がもっとも活気のあるシーズンなのだという。創業23年の占い専門会社クォーレに取材してみた。
――梅雨に需要があるのは本当ですか?
「はい。今年は全国的に梅雨入りが遅めだったせいもありますが、先週に入ってから電話サービスへの相談件数が通常の1.3倍程度に伸びています」
――梅雨に占いの需要が伸びるのはなぜでしょうか?
「理由は3点あると考えています。第一に5月のゴールデンウイーク終了から7月の海の日まで2か月半近く祝日がないこと。年間を通して祝日がない期間はこの時期が最長です。第二に天候不順により予定が立たなかったり、つぶれたりと自分の思い通りに活動できないため。第三に湿度の上昇により不快指数も上がり、気分的にイライラすることが増えるためです。
この3点の要素が重なることで、祝日のない平凡で抑揚のない毎日がしばらく続く中、雨で楽しい予定が立たずイライラだけが募る、という状況になり、気分転換のために占いの需要が高まるのでは、と分析しています」
――年末年始より梅雨時期の方が需要が伸びるのは?
「実は年末はみなさまが思っているほど需要はなく、年始の方が需要は高まります。ただ昨今はお正月といっても営業している店舗も多く、お正月気分も抜けやすいので、繁忙時期は年々短くなっています。それに比べて梅雨時期は、例年1か月以上は続くので、商機としては安定しています」
――なるほど。
「ちなみに昨年2016年の梅雨は、ユーザの多い関東地方での降雨量が少なかったため、売り上げは平年を下回りました。そのかわり、全国的に8月のお盆明けから9月いっぱいまで記録的な天候不順があったため、その時期としては異例の需要が発生しました」
確かに昨年は台風上陸や日照不足などの天候不順が大きな問題となった年だった。
雨が多い時期だから明日の天気が気になる人が増えるからでは? と予想した筆者がまったく占いビジネスに向いていないことは間違いがないとして、結論としては、「梅雨で長雨が続くと占い屋が儲かる」は正しそうだ。
梅雨の長雨に台風通過となんとも憂鬱な今週の空模様、もし梅雨明けが長引けば占い屋が儲かるのかと気にしつつ、上手に気分転換を図りながら晴耕雨読をしゃれこんでみてはいかがだろうか。