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【インタビュー】映画『スパイダーマン:ホームカミング』のジョン・ワッツ監督、超大作に抜擢された経緯やマイケル・キートン演じる悪役ヴァルチャーについて語る



ジョン・ワッツ監督は、映画『スパイダーマン:ホームカミング』での仕事がとてつもない飛躍につながることを分かっている。


インディーズ映画出身のワッツ監督は、勢いを失いつつあるスーパーヒーローシリーズの再建に抜擢された。米ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントとマーベルが監督に指名した当時、彼はたった2本の低予算映画を製作したのみに過ぎなかった。ワッツ監督の前作は評判の良かったスリラー映画『COP CAR/コップ・カー』で、製作費は100万ドルに満たなかった。それは、『ホームカミング』がある日の撮影で費やすほんの一部の予算に過ぎない。ワッツ監督は、スパイダーマンと彼の分身であるピーター・パーカーを高校生活に戻すというビジョンをスタジオに提示し、宿題やプロムデート(卒業記念ダンスパーティーのパートナー)探しに苦労しながら、ヴァルチャー(マイケル・キートン)のようなスーパーパワーを持つ悪人の攻撃をかわすバランスを描くことに焦点を当てた。


ワッツ監督は、スパイダーマンのようなアイコニックなキャラクターを描くことにナーバスになったと認め、7月6日の米劇場公開日に向けて休みなく編集作業を続けていると語った。彼はスパイダーマン映画を指揮した人物として、最初の3部作を手掛けたサム・ライミ監督、興行収入が振るわなかった映画『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ2作を手掛けたマーク・ウェブ監督に続く、3人目の監督となる。


先週開催されたシネマコンの会場で、観客の劇場オーナー向けに『ホームカミング』のフッテージが公開される直前、ワッツ監督は本紙ヴァラエティのインタビューに応じ、マーベルへの売り込みの方法、ジョン・ヒューズから受けた影響、新たなスパイダーマンを演じるトム・ホランドとの仕事上の関係について語った。


この仕事を手に入れた経緯を教えてください。


とても長い道のりでした。マーベルの関係者が『COP CAR/コップ・カー』を鑑賞してくれたのです。全体会議に参加するところから始まって、会議の中で彼らはより若い頃のスパイダーマンを中心とした映画について話し合いを始めました。私は高校生の成長物語を撮影したいと思っていました。その種の映画は一通り観ていたので、図らずも、高校生の成長物語に関して提案をする準備がかなり整っていたのです。私は何度も何度も会議に参加し続け、回数を重ねるごとに部屋の中には人が増えていきました。


撮影したいと思っていた高校生の映画は自伝的な内容でしたか?


少しだけ。でも、この映画はそのニーズに応えてくれました。


映画『ブレックファスト・クラブ』や映画『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』のようなジョン・ヒューズ作品は何か影響を与えましたか?


表面的にも影響を受けていますし、ジョン・ヒューズの誠実さと彼の作家性がこの映画を形成しています。彼は自身のキャラクターをとても真剣に扱い、自らの経験に対して正直に向き合うことを恐れません。


監督を務める以前からスパイダーマンのファンでしたか?


スパイダーマンの大ファンだったとは言えないかもしれません。この映画を通じて熱心なファンたちと出会いました。私は彼らの足元にも及びません。しかし、少年としてのスパイダーマンというアイデアが大好きでしたし、1990年代のトッド・マクファーレンによるコミックも大好きでした。最初のライミ監督のシリーズが公開されたのは、私が映画学校に通っていた頃です。大きな影響を受けました。


ライミ監督のシリーズのどんなところが好きですか?


私はサム・ライミ監督が大好きです。彼の美学的思想が大スクリーンに反映されるのを見るのはとても興奮します。


ライミ監督とは連絡を取りましたか?


いいえ、私は過度に緊張してしまいました。マーク・ウェブ監督とはミュージック・ビデオの仕事を通じて知り合いました。彼が教えてくれたのは、スタン・リーと親しくしなさいということだけでした。


インディー映画出身のあなたが、巨大スタジオの大作を監督するのは大変でしたか?


ただビジョンを拡大していけば良いのです。そうすれば、自分が何をしたいのか皆が理解してくれます。物語を伝えたいということに変わりはありません。特大のスクリーンに映すとしても、描くのは自分が伝えたい個人的な物語のままです。


特にこの映画のピーター・パーカーは、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の壮大な冒険の一部としてトニー・スタークによって見出され、自身の存在を証明しようと努力する少年です。彼にとってこんな大きな経験は初めてで、失敗を恐れ、本来は誰かを打ち倒すことを望んでいません。まさしくそれがこの映画を作りたいと思ったポイントです。製作過程のどの瞬間でもそう感じていたので、ピーター・パーカーに共感するのはとても簡単でした。


今後もスパイダーマンの映画を監督したいですか?


私はこの映画を完成させることだけに集中しています。我々は(ポストプロダクションの)真っただ中にいるので、この映画が成功することだけを祈ってください。一度にひとつの物事に集中するのが私の姿勢です。


あなたが監督に就任した時、すでにトム・ホランドはスパイダーマンとしてキャスティングされていましたか?


その通りです。正確に言うと我々の採用は同日にアナウンスされました。


プロジェクトに参加する以前にホランドと面識はありましたか?


いいえ、映画『シビル・ウォー』のセットで初めて会いました。ピーター・パーカーのベッドルームです。(『シビル・ウォー』の監督を務めた)ルッソ兄弟と撮影について話し合い、私が想像していたものと根本的に異なることはないと確信しました。それから、私は彼らと連絡を取りながら、ピーター・パーカーとトニー・スタークが共演するシーンの撮影現場に足を運びました。私はカメラの後ろで最高潮のような状態に達しました。それから我々はディナーに出かけ、アイデアのすべてを話し始めました。


スパイダーマンは、コミックのキャラクターにおけるハムレットのような存在になりつつあります。トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドが以前にその役を務めました。観客は皆、刺激を求めています。トム・ホランドがこの役にもたらすものは何でしょうか?


ホランドはピーター・パーカーそのものです。本当に素晴らしい。彼はとても誠実で人柄がよく、熱心な人物です。それは、人々がピーター・パーカーに共感を覚えるための重要なポイントです。彼にはそれを感じるはずです。一生懸命に正しいことを成し遂げようと努め、時に失敗を繰り返し深みにはまってしまうこともあります。


私がそう感じるように、トムも自身がピーター・パーカーであると感じています。これは彼にとって大役で、ベストを尽くそうと努力し後方宙返りもできるようになりました。他の多くの映画では、スパイダーマンのスーツを着用したスタントマンの映像が多く登場します。しかし彼は(スタントマンと比べると)見分けのつきやすいため、(スタントを自身でこなして)セットで危険にさらすこともありました。『ビリー・エリオット』(ウエスト・エンドの舞台で映画『リトル・ダンサー』のミュージカル版)を経て、彼は他の人たちと対比した時に、彼だと気付いてしまうような体つきになりました。並びからトムを見分けるのは簡単です。想定よりも多くのスタントを彼に任せました。演じるのはホランドでなければならなかったのです。


マイケル・キートンはヴァルチャー役に対してどのようにアプローチしましたか?


マイケルの素晴らしいところは、彼のカリスマ性と親和性をこの役にもたらしたことです。人々はピーターを応援するのと同じように、ヴァルチャーにも声援を送るでしょう。


ピーター・パーカーは、マーベル・ユニバースにおいて、いわば我々と同じ目線を持ったキャラクターです。トニー・スタークはペントハウスに住み、ソーは神のような見た目です。私はそんな世界で普通の人々を描きたかったのです。同じことが悪役にも言えます。私は、自分自身を悪人だと思っていないキャラクターを登場させたかった。とても劇的に変化する世界の中で、彼はただ普通の男なのです。彼がその世界に適合する様を見るのは面白いです。


マイケル・キートンはティム・バートン監督のバットマン映画でよく知られています。この映画はバットマン対スパイダーマンの決戦である、ということについて彼は何か話していましたか?


確かに、もともとヒーローだったのはマイケルだとホランドが想起することで、いくつかのテイクが台無しになりました。





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