佐藤アツヒロ主演『hymns』開幕
舞台『hymns』が4月11日に博品館劇場にて開幕。同日には報道陣に向けたゲネプロと囲み取材が行われ、佐藤アツヒロ、中山祐一朗、山岸門人、陰山泰、新納慎也、鈴木勝秀氏が出席した。
同作は2008年に上演された『HYMNS』をリライトした作品。『HYMNS』はスズカツこと鈴木勝秀氏が脚本・演出を手掛けた『LYNX』、『MYTH』に次ぐオリジナル3部作の最後の作品として上演された。
佐藤アツヒロ 10年ぶりのスズカツ作品 次回作の可能性も
10年ぶりに鈴木氏の作品に出演する佐藤は、同作の世界観を「すごく、舞台美術を見たらわかると思うんですけどちょっと強烈です。斬新というか。簡単にいうとスピーカーがむき出しです(笑)これ何するんだろう?みたいな感じですね」と語った。キャストについて佐藤は「めちゃくちゃ濃いですね。演劇的に言うと腕がある役者が揃ったって感じです。個性派揃いというか」とコメント。さらに、鈴木氏の演出で大変だったことは「あまり稽古をしないことです。稽古時間の練習の時間が短いので集中力半端ないです。それだけ準備してないといけないので。準備してないとバレるんで(笑)」と告白した。
同作に出演する感想について佐藤は「舞台ではいろんなジャンルがあり、種類があるんですけど。スズカツさんの作品は本当に素の、そこまでオーバーに表現しなくても物語が進んでいく会話劇でもあり空間でもあるので、原点というか、そこにいられる自分がすごく幸せです」と喜びを噛み締めた。2008年に上演された『HYMNS』では若手の画家を演じた佐藤は、役柄について「中年の画家です(笑)」と話し、報道陣を笑わせていた。続けて「若手でも中年でも、『生きる』というものがテーマになっているので、主人公オガワがどう切り開いていくのかっていう。20代、30代、40代、50代でも考えるテーマかなと思います」と話した。
同作のキーマンであるクロエを演じる新納について、佐藤は「女優さんはいないんですけど、僕の相手役は新納と言えると思います」と説明。それを受けて新納は「恋愛はないですよ?(笑)」と冗談混じりに話した。また、新納は「2人で居残り練習をしなきゃいけないくらい、2人のシーンが大変でした」と稽古を振り返った。佐藤との関係について新納は「初めて会った気がしないというか。アツヒロくんも言ってたんですけど、結構早い段階で前から友達だったみたいな気がするよねって話してたんです。僕は昔から光GENJIを見てたので、昔からお友達でしたけど(笑)」と語った。
画商役を演じる中山は自らの役について「オガワさんに対してとにかくボロカス言うっていう役です。こんなボロクソ言ってよく受け答えしてくれるなあ、あっくんは、って感じです(笑)」とコメント。それを聞いた佐藤は「オガワは絵を描いて、優勝して盛り上がるんだけど、そこからは売れない画家になっていくんですよ。こういうのもなんですけど、僕の10代の頃の生活と20代の頃の生活が変わっていく感じがちょっと似ててうまくリンクするので。だから俺は平気なの(笑)」と心境を明かした。佐藤は、報道陣からそれは言っていいのかと問われると「もう言っちゃっていいんですよ(笑)」と笑みを浮かべた。
脚本と演出を手がける鈴木氏は佐藤について「今更成長っていうんじゃないですけど、アツヒロはアツヒロなので。オガワを託せる役者なので。役者としての生き様ですかね、思い切り方というかとにかくピンとくる人なんですよ。なんで使うかっていうとピンときてるから」と絶賛。さらに「今回もこれをやって、この次っていうのが既に僕の中では勝手に始動しているのでまたやれたらいいなって思ってます」と次回作の可能性があることを明かした。
佐藤は「今、初めて聞きました」と驚きつつも、「スズカツさんの作品は新感覚演劇というか、役者たちのセッションみたいな、いろんな演劇がある中でひとつの確立したジャンルだと思うので、それが残っていくというかこれからも始まるということはすごく嬉しいことだと思います」と目を輝かせた。
『hymns(ヒムス)』
脚本・演出:鈴木勝秀
出演:佐藤アツヒロ/中山祐一朗 山岸門人 陰山泰/新納慎也
公式サイト:hymns-stage.com
発信地・日本
<文・デザート編集部>