12月23日放送の『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)で、「NHKは視聴者のためにコンプライアンスを重視している」というアピールが披露され、ネット上からドン引きの声が集まっている。
問題となっているのは、「じゃんけんの前に両手の指を組んで中をのぞき込むのはなぜ?」という疑問を取り上げている際の一幕。チコちゃんによると、これは「妖怪の正体を見破れるから」とのことだった。
また、解説はじゃんけん研究第一人者の稲葉茂勝氏(69)が担当。そもそもじゃんけんは日本発祥で世界中で使われているが、「勝ち手」を予想するのぞき込むポーズも各国で似たようなものが使われているとのこと。
稲葉氏によると、これは江戸時代から伝わる「狐の窓」という、妖怪や幽霊が人間に化けているのが分かる手を使ったポーズに由来しているとのこと。しかし、稲葉氏によると、この説はあくまで「有力」なだけで「確たる証拠が見つかっていない」とのことだった。
「この後、VTRでは、確たる証拠のない説を放送するべきかボツにするべきか悩むディレクターの姿を放送。悩んだ末、ディレクターは唐突に鉛筆を手に取り、楽譜を書き始め、なぜかそれが『ジャンケンボツストーリー』と題したミュージカルに。女優の愛希れいか(31)がプロデューサー、俳優の加藤和樹(38)がディレクターに扮したプチミュージカルが開演されました」(芸能ライター)
その中で、プロデューサーは“コンプライアンス”を掲げ、「テレビが伝えるのは真実だけなの」と歌い上げ、一方、ディレクターは「今のテレビをつまらなくしてるもの、それがコンプライアンス」と歌うという展開に。その後、「狐の窓」がじゃんけん前のポーズの元として放送するかどうかふたりが歌いながら揉め、最終的にはふたりとも同じく「視聴者のため」という志を持っていることが判明し、和解するというミュージカルになっていた。
しかし、ネット上からは「は?視聴者はこんなの望んでませんが」「NHKがコンプライアンスのこと言える?」「延々と内輪ネタ」「これは酷すぎる」といった苦言が殺到している。
「この日は『拡大SP』で通常よりも放送時間が長く、“確証がないネタ”のみの放送では撮れ高が少なくなってしまったため、“NHKがコンプライアンスを重視しているアピールミュージカル”を入れたと思われます。しかし、NHKといえば昨年12月に放送した映画監督の河瀬直美さんらに密着したドキュメンタリー番組で、番組に登場した男性について、報酬をもらって五輪反対デモに参加していると字幕で説明したものの、実際に男性がデモに参加した事実は確認していなかったなどが物議に。この大きなやらかしを行ったNHKが『視聴者のためにコンプライアンスを重視している』とアピールしたことに興ざめした視聴者もいたようです」(同)
時間を埋めるためとはいえ、少々やりすぎたようだ。